樹「梓白。今日も花依斗くんと晩酌するの?」
梓白「まあね。そんなところ」
樹「ふふ、そっか」
梓白「うん…?何か話したいことでもあった?」
樹「あー、まあうん。そうだけど…」
梓白「なら、君も一緒に飲んだらいいんじゃない?」
樹「ううん、花依斗くんに悪いよ。僕の話、そんなに面白いものでもないし」
梓白「なるほど。俺に悪いとは思ってない、と」
樹「ふふ、だって君はいつも最後で聞いてくれるでしょう?」
梓白「はいはい、この俺のそんな優しさに気付いてほしいものだね」
樹「もちろん助かってるよ」
梓白「ふふん、素直でよろしい。花依斗が来たら聞いてみるといいよ。彼も嫌だとは言わないだろうし」
花依斗「遅くなった」
梓白「いいえ。まだ何も始めてない。ちょうど君を待っていたところ」
花依斗「…そうか。今日はお前も飲むか?」
樹「うん。花依斗くん、僕もいいかな?」
花依斗「ああ。構わない」
樹「えへへ、ありがとう」
花依斗「随分と嬉しそうだな…」
樹「はい!僕、話したいことが沢山あったので」
梓白「はいはい、それなら今日は君が満足するまで付き合ってあげるよ」
樹「ありがとう!」
花依斗「…お前の話したいことってなんなんだ?」
樹「ああ、それは…」
梓白「なかなか口にできない日頃の鬱憤の類」
花依斗「…なるほど。好きなだけ話せ」
樹「ふふ、ありがとう」
梓白「あ、花依斗。朱優から食料達してきてよ」
花依斗「なぜ俺が」
梓白「君から頼んだ方がいろんな料理が出てくるから」
花依斗「…そういうことか」
梓白「そ。メニューは君に任せるよ。あ、チーズはなしで」
花依斗「わかった」
梓白「樹も何か食べたいもの頼むといいよ。朱優は尊敬する花依斗さんに頼まれるとなんでも作ってくれるからさ」
樹「ふふ、じゃあ僕はだし巻き玉子がいいなぁ…」
梓白「だってさ。それじゃ、おつかいよろしく」
…
…
花依斗「これで料理は全部だ」
梓白「おー、すごいね。この量3人で食べられるかな」
樹「わぁ…本当に沢山作ってくれたね」
花依斗「これでも止めた方だ。止めなかったらもっと出てきただろうな」
梓白「ふふ、すごいね」
樹「朱優くんも呼んだらいいんじゃないかな?」
花依斗「声はかけたが片付けたい仕事があると言っていた」
梓白「本当に仕事熱心だねぇ。さすが、魔王様の右腕」
樹「朱優くんのおかげでオブシディアンは成り立ってると言っても過言ではないですからね…」
梓白「だろうねぇ。あの魔王様を止められるのはオブシディアンだと彼くらいだよ」
花依斗「いつもセレナイトを荒らすやつが何を言っている」
梓白「俺がふざけ始めると君たちが着いてきちゃうんだもん。お陰様でセレナイトはツッコミ不在ですよ?」
樹「え、成星くんもふざけるの…?」
梓白「ふふ、彼ねぇ、最初はツッコミだけど真面目な顔してつっこんでるのが余計に面白くてヒートアップする原因でもある」
樹「あ〜…なんか想像できてしまう」
梓白「さて、こういうおもしろい話はお酒を飲みながらがいいんじゃない?」
花依斗「ふん、そうだな」
樹「ふふ、じゃあ乾杯しましょうか。今日は沢山飲みましょうね!」
花依斗「…なんか立花が1番いきいきしてんな」
梓白「そりゃ、話したいことも山ほどあるだろうからね」
…
…
…
樹「それで紫音くんが…」
花依斗「…立花、意外と酒強いよな。俺たちどのくらい飲んだ?」
梓白「それはもう。ここにいる誰よりもね。俺たちはそろそろやめた方が…」
樹「2人とも!どこ行くんですか!!!」
梓白「いやいや、まだどこも行ってないよ」
樹「いいえ!なんかそろそろ飲むのやめようかなって気配しました!」
花依斗「…こういうときだけ無駄に鋭い」
樹「さっき今日は僕が満足するまで付き合うって言いましたよね!?僕はまだ満足していません!僕が満足するまで寝かせません!!」
梓白花依斗「…マジか」
梓白「…ちなみに花依斗くん?君は明日依頼あったかな?それなら君だけ先に…」
花依斗「…いいや。俺は休みだ」
梓白「奇遇だねぇ。俺もだよ」
花依斗「…ならお前だけ犠牲にするのも寝覚めが悪い」
梓白「ふふ、お気遣いどうも」
樹「てことは2人とも僕に付き合ってくれるんですよね!」
花依斗「…立花。お前は…」
樹「休みです!」
梓白「謎のドヤ顔していらっしゃる」
花依斗「…はぁ。もう逃げられないな」
梓白「理解が早くて助かるよ。さあ樹サン?かっこいいお兄さん2人が君が満足するまで付き合ってあげるよ」
樹「はい!みんなで酔い潰れるまで飲み明かしましょう!」
花依斗「…こいつが酔いつぶれることなんてあるのか?」
梓白「今確実にわかっていることは恐らく俺たちは二日酔いだということだけだね」
花依斗「はぁ…。まあたまにはいいか…。」
樹「では気を取り直して乾杯しましょう!!」
花依斗「さっきもしただろ」
樹「いいんです!乾杯した方がテンション上がりますから!」
花依斗「これ以上上げないでくれ」
樹「お酒は楽しく飲むものですよ!花依斗くんかんぱーい!」
花依斗「はぁ…乾杯」
樹「梓白も!」
梓白「はいはい、かんぱーい。今日で何回乾杯したことか…。まぁ楽しそうだからいいけど」
樹「えへへ、これなら料理も全部食べられそうですね!」