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    kimitsu

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    kimitsu

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    大人両片思いプロ軸潔凛
    潔さんが凛ちゃんを襲うシーン(未遂)があります

    #潔凛
    rinJae
    #腐ルーロック
    BlueLock Yaoi

    このあとちゃんとおいしくいただかれてしまう凛ちゃんの話「突き当たりリビングだから、適当にくつろいでてくれる? すぐ準備する」
     そう言うと潔はジャケットを脱ぎ、キッチンにかけてあったエプロンを着け冷蔵庫を開けたり閉めたりと慌ただしく動きはじめた。今日凛は、自身が持っているサッカー関連の本やDVDを貸し、その礼に夕飯を振る舞ってもらうために潔の家にやって来た。凛は部屋を奥まで進み、荷物を持ったまま所在無く部屋を見まわす。引っ越してきたばかりだというこの部屋は、内装が新しいのはもちろん、置かれている家具も新品のようで、まるでモデルルームのように生活感がなかった。
    「すごいな」
     窓の外、ベランダ越しの夜景に目を向ける。タワマンの高層階であるこの部屋からは、思わず声が漏れるほど、潔が以前自慢していた文言では足りないくらいきれいな東京の夜景が広がっていた。
    「ソファ座って待ってて。テレビつけていいよ」
    「これ、どこに持っていけばいいんだ?」
     持参した紙袋を持ち上げて見せる。
    「リビングの隣が寝室なんだ。そっち置いておいてくれる? 悪いな」
     凛は小さくうなづき、隣の部屋に移動する。こちらの部屋もバルコニーに面しているため、同じように夜景を見ることができる。部屋を一周見回すが、机など置きやすそうな場所はないため、ベッドの脇に紙袋を下ろした。
    「……でかいな」
     再び一人ごちる。一人で使うにはやけに大きいこのベッド。そしてホテルのような完璧なベッドメイク。
    「彼女か」
     彼女がいるんだな。この家に一歩踏み入れた時から感じていた違和感。自分の住処と決定的に違う点。それは、誰かがいつ来てもいいように整えられている所だ、と凛は納得した。
     この時点で凛の失恋が決定したわけだが、不思議とそれほど落ち込むと言うことはなかった。凛は長いこと潔に対して特別な感情を抱いているけれども、果たしてそれにどんな名前をつけるべきなのか、ずっと分からずにいる。ただ便宜上、恋、と呼んでいた。友情が長じてその感情が恋なのだと錯覚してしまったのかもしれない。友情と恋愛を、取り違えているのかもしれない。そもそも凛は、潔に友情なんて感じているのだろうか。人に恋をすることができないことを誤魔化すため、実る可能性のない相手、潔を好きだと思い込むことで逃げていただけではないか。だって凛は、もし潔と行き合うことができたとしたって、何をしたい、なんて想像は一個も浮かばないのだから。潔を意識して以降ずっと繰り返してきた問答が、あらためて凛の頭の中を巡る。そして凛は、ベッドを見つめ、「やっぱりこれは、恋なんかじゃなかったんだ」という結論に落ち着いた。飯食ったらさっさとお暇しよう。とっておきのホラー映画を見ていつもと同じように寝よう。凛は目頭に溜まっていた水分を軽く拭って、勢いよく振り返った。
    「うお!!」
    「うわ! 何、凛、どうしたの、電気もつけないで。スイッチの場所わかんなかった? ここ。今度からここ押してね。俺のスマホのアプリでも操作できるようになってるんだけどね。入れる? アプリ」
    「なんでお前の家の電気を俺のスマホで操作する必要があるんだよ」
     二度と来ないだろうしな、と凛は心の中だけで呟いた。
    「それよりさ夜景、すごくない? 家賃の半分以上、夜景代って気がする。この夜景を見せるの、凛が初めてだよ」
    「きれいだ。お前、景色とか興味なさそうなのにな。意外だ」
    「好きな人を呼んだときにさ、感動してもらえたら嬉しいなって思って」
     ここ選んだんだ、と言って笑いながら凛の目を見つめる。凛は胃が絞られるような痛みを覚えて、思わずお腹をさする。
    「お腹すいちゃった? 夜景気に入ってもらえたならよかった。ゆっくり外眺めてていいよ。ベッドに腰掛けてさ。ご飯まだ時間かかりそうだから、お茶持ってくるよ」
     霧でけぶる東京タワー。絶えず動き続ける光のイルミネーション。Y座標のバグった自分。
     凛はすぐにでもこの部屋を辞すための言い訳を考えていたが、そんなことはつゆ知らず、やけに上手なハナウタを口ずさみながら潔は戻ってきた。ベッドの上、不安定に置かれたお盆の上のコーヒーとクッキーが揺れる。
     潔が凛のすぐ隣に座る。いくらなんでも近いな。凛は少し身じろぎする。
     肩がぶつかり、文句を言う、寸前でいつの間にかこちらに半身向けていた潔に、優しく肩を押され凛は背面に倒された。
    「コーヒーが」
    「なぁ、家に来たってことはそういうことだよな? いいってことだよな?」
    「あ?」
     凛が混乱して二の句を告げずにいるうちに、潔は凛のシャツの裾から手を突っ込み、ゆるゆると捲り上げていく。
    「おい潔」
    「凛、ほら、バンザイして」
    「やめろ! 何がしたいんだよお前!」
    「何って、ナニだけど」
    「何?」
    「えっちなこと。いいでしょ」
    「いいわけねぇだろ!!」
     渾身の力で潔を押し退けると、凛はヘッドボードまでずり上がり、毛布を引っ張り上げ自分に巻きつける。潔はそんな凛を眺めながら、こないだこういうAV見たな、その時は全然たたなかったけど、凛だとこんなにグッとくるもんなんだな、と最低なことを考えていた。
    「なぁ聞いて、凛」
    「近寄ってくるな変態!!」
    「たとえば、芸能人の男女二人がホテルで一晩一緒に過ごしたとする。普通のホテル。ラブホとかじゃなくて。どちらかの家でもいいや」
    「なんの話だ」
    「翌朝出てきた二人を捕まえて記者は聞く、二人で、密室で何をしていたんですか? 男は女を自分の背後に隠しながら言うんだ。彼女の相談に乗っていたんだ、ってね。お互い服を脱いでないし、お互い肌に指一本触れていないと。凛ならどう思う?」
    「無理があるだろ」
    「そう、でもね、もし万が一、こういう場合ありえないだろうなと思うけれど、本当にお話していただけだとする。言い訳を考えながら男にはこんな考えがよぎるんだ。どうせ疑われるなら、昨日の夜本当にやっちゃえばよかったなって」
    「……思うか? 好きでもない相手」
    「一晩二人っきりで過ごすくらいだもん。そんだけの長い時間おしゃべりできる二人だもん。お互いを憎からず思っているに決まってるじゃん。ゆっくり関係を進展させたいなって考えていたのに、こんなふうに突撃された時点で今後密会は難しいな。だったら、やっておけばよかったなって、思うんじゃないかな」
    「俺はそいつじゃないから、わからない」
    「いいや、これはお前の話だよ。よく考えてみろよ。今夜俺の部屋に来たお前。これまで俺たちは何百時間、いやそれ以上かも、お話ししている。今日俺は帰すつもりないから、一晩お前はここで過ごすことになる。この部屋で何が行われていたかは俺たちしか知らない。でも俺たち以外の人間は一晩一緒に何をしていたか勝手に想像するだろう。実際に何をしていても、していなくても。だとしたらさ、やっちゃったほうがお得じゃない? よくなくなくない?」
    「よくなく? なくなく? ない? いいのかわるいのか」
    「いいんだよ」
    「何がだ? 何がいいんだ?」
    「いいことしようよ、ってお話だよ」
     潔が何を言っているのか分からなくて、凛は途方にくれた。混乱しているうちに、凛のすぐ近くまで来る潔。また肌をさわさわと撫で始めた潔を止めたいのに、だんだん息が上がって、思考は鈍くなっていく。ただでさえ練習の後で疲れているのに、潔がわけのわからないことばかり言っているせいだ。
    「凛、きもちいい? どこか触ってほしい所ある?」
    「……さむい」
    「え?」
    「さむいし、まだ何も食べてない」
    「あ、え?」
    「お礼に、うまいもん作ってくれるっていったくせに。うそつき」
    「そ、そうだな! それもそうだ?!」
    「お前ばっか好き勝手言ったりやったりして、なんなんだ。なんなんだよ。何が気に食わないんだよお前。お前が兄貴の本とかもみたいっていうから、大事な俺のやつ、お前にだから貸してやろうと思ったのに」
    「たしかに! ごめんね、持ってきてくれてありがとうね、凛」
    「嫌い」
    「?! やだ! やだよ! 嫌いにならないで凛!! でも俺、嫌なことしかしてないよな、嫌われて当然だよな! ごめん凛ー! もうすぐお米炊けるからー!!」
    「違う、お前が嫌いなんだろ? 俺のこと。こんな変なことばっかして」
    「ごめんね凛。どうしよう。どうしよっか、今日はお開きにする?」
    「終電、帰れない」
    「もちろん送っていくよ、いや、タクシー呼ぼうか」
    「夕飯」
    「急いで準備する。お腹いっぱい食べて帰って」
    「やだ、泊まっていく」
    「泊まってくれるんだ。とりあえず服着ようか。俺の理性がやばいし」
    「お前が脱がせたくせに」
    「そうですね?! はいバンザーイ! よく着れましたー!」
     その後潔は過去最高の早さでご飯を用意し、凛と両思いになれたら記念に開けようと取っておいたワインの栓も抜いた。
    「凛、あーん」
    「自分で食える」
    「いやいや、お詫びだから。ほら口開けて。いい子だな凛は」
    「そう言うのはお前に言われても嬉しくない」
    「……誰に言われたら嬉しいんだ? なぁ? いいや。それよりほんとに今夜泊まってくれるの?」
    「お前の恋人より先にあのベッドを使ってやる。初めて一緒に寝るのは好きな奴と、とか思ってたんだろ。ザマァみろ。俺が一番だ」
    「その願いは今夜お前で叶っちゃうんだけど。ま、いいか、おいおい、分からせれば」
     だって絶対凛も俺のこと好きだし。とは口に出さず、「明日の朝、お散歩とか行こうか」と言い潔は凛の頬に触れた。
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    Replies from the creator

    kimitsu

    DOODLE大人isrn
    日本在住
    同棲
    弱っている(フリ)rnちゃん
    世話をやくisgさん (isg さんも少しネガ)
    rnちゃんが下戸
    某人物容姿捏造
    うっすらモブの存在

    視点 凛→潔→凛
    甘やかしてもらいたくて仮病使う凛ちゃんの話(いさりん)「大丈夫かー凛」

    潔が部屋に入ってきた。よく見えないが、きっとすごく心配した顔をしているんだと思う。声が優しい。今日の潔は、めちゃくちゃ優しくしてくれる。

    「顔真っ赤だなー。あとで冷えピタ買ってくるからな」

    水を置いて立ちあがろうとする潔の服の裾を弱い力で掴む。

    「いさぎ、行くな、どこにも」

    ここにいろ。最後は声が小さすぎて聞けていなかったかも。潔は一瞬止まったあと、ガバッと覆い被さってきた。

    「行かないよー!こんな弱ってる凛置いて、どこにも行くわけないだろー!?」

    布団の上からだけど、ぎゅうぎゅう抱きしめてくれる。やばい。今日やばいぞ。ぶりっ子攻撃が潔にまともに通っている。なんと潔は今日、仕事を一件キャンセルして今ここにいる。土曜日だけど、サッカー教室のコーチだか、サッカー番組だかの仕事が午後入っていたはずだ。サッカーに関することならば、自身が不調だろうとなんだろうと遂行しようとするあの潔が。俺のために。
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