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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    i7/SS100本ノック
    モン天vsたまねぎ

    ##i7_SS

    きみのかたきをうってやる! モン天は脳天に雷さながら衝撃を受けた。
     自分が見ているものが信じられず、もしかして夢でも見ているのかと頬を力いっぱい引っ張れば痛みが衝撃を上書きした。どうやら夢じゃないらしい。
     ひりひりする頬を抑えながら、キッチンでタオルを目に押し当てている天に駆け寄る。料理している時は危ないからあまり近づかないようにね、と龍之介にも言われているが今は緊急事態の非常事態。きっと許してくれるだろう。いや、怒られたとしても構わない。モン天に天を放っておく選択肢などないのだ。
    「今日の玉葱、すっごい目にくる…………」
     ワークトップの上に乗ったモン天に気づいた様子もなく、目元をタオルで押さえたまま天は呻くように呟いた。モン天の視線がまな板へと向く。包丁と何やら半円の物体が鎮座していた。包丁はとても危ない便利なものであると教えられているため、それからは距離を取りつつ、天を泣かせた元凶を睨む。こいつめこいつめと玉葱とやらをぺしぺし叩く。愛情たっぷりに可愛がってくれる天になんて酷いことを!
    「ちょ、ちょっとモン天、落ち着いて。玉葱を叩かないの」
     ぺしぺししている音に気付いたらしい天が慌ててモン天を掬い上げる。桃色の毛並みを逆立てて膨らんでいるモン天は「おこ!」という顔で尻尾を激しく揺らしていた。やや困惑した面差しをしていた天は、それでもモン天が何に怒っているのかを察したらしい。ふ、と表情を和らげた。
    「ボクが玉葱に泣かされたと思ったの?」
     まさにその通りである。ぷんぷんしながらモン天が力強く頷けば、天は堪え切れないというようにくすくす笑みを零した。その目は赤い。
    「怒ってくれてありがとう。でもこれは泣かされたわけじゃないから大丈夫だよ」
     本当に? と首を捻れば「本当だよ」と天が笑った。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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