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    suno_kabeuchi

    twst夢とi7の作品投下垢

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    suno_kabeuchi

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    i7/SS100本ノック
    まげちょん・ミーツ・モンtrg

    ##i7_SS

    わりとあり 作曲のことで相談したいと八乙女楽よりラビチャが来た。
     それだけでも飛び上がるほどの衝撃だというのに、その場所指定がまさかの自宅であわや飛び立つ魂の尻尾を引っ掴んだのが数日前。お呼ばれしてしまった歓びと興奮とそれ以上の恐れ多さに荒ぶる数日を過ごし、父親が持たせてくれた店自慢のコーヒー豆を手土産に震える身体を叱咤してどうにか知らされたお住まいにやってきたのが数十分前。本当に立ち入って許されるのか葛藤しているうちに「迷子になってるなら迎えに行くぞ?」と八乙女楽から電話が来て引っ繰り返りそうになったのが数分前。そうして人生で一番深呼吸を繰り返し、清水の舞台から飛び降りる気持ちでチャイムを鳴らしたのが今である。
     インターフォンから『いらっしゃい、まげちょん。今開けるから待ってて』と十龍之介の穏やかな海を思わせる声に腰が砕けそうになりながら待つこと数秒。TRIGGERが三人一緒に暮らしているという話は聞いていたが、実際に目の当たりにするとその威力たるや超新星爆発もかくやだった。彼方に飛ばしそうになる意識を繋ぎ止めていると目の前の扉からロックの外れる音が聞こえた。がちゃり。扉が開く。
    「お、おおおお邪魔しまっ………………え?」
     予想していた目線には誰もいなかった。それまであった心臓が爆散しそうな程の緊張も一瞬で吹き飛び、困惑を露に間下高良は辺りを見回した。
    「ん? なんか聞こえ…………えっ!?」
     足元から何か聞こえた気がして視線を落とせば、まんまるおみみの天(手乗りサイズ)が高良を見上げていた。ごしごしと力強く目を擦る。やっぱりいる。
    「て……天くんがこんなに可愛らしく……!? あっいや天くんは元々ハイパーミラクル最高な天使で小悪魔で超絶格好いいセンターなんだけど……!」
     誰にともなく言葉を連ねながら高良はその場で膝をつく。目線が近づいたまんまるおみみの天(仮)は小首をかしげて高良を見上げている。あどけなく無垢な様に高良は胸を抑えて呻いた。あまりにも可愛すぎる。
     ときめくに痛む胸を宥め賺す高良はふと天(仮)の隣にいる龍之介によく似た面立ちのちいさきいのちに気づいて仰天した。
    「龍之介さんがこんなにプリティーに!? いや確かに実際の人柄は優しくておおらかで可愛いところがある人だけど……!」
     あわあわおろおろしながら、高良はぴこぴこと耳を動かす龍之介によく似たちいさきいのちをガン見する。取り乱す不審者を前に動じることなくにこやかな表情でいる大物具合は確かに十龍之介その人なのかもしれない。
     ぴょろりと高良の視界の端で何かが揺れる。これまでの流れからしてまさか、と勢いよくそちらを見れば、果たして八乙女楽によく似たちいさきいのちがやはりじっと高良を見上げていた。
    「八乙女楽がこんなにキュートに!? えっなにどういうこと!?」
     わらわらと玄関に集ってきたちいさきいのちたちに高良は思わず仰け反った。バランスを崩して尻餅を着いた。驚いた拍子に閉じた目を開ければ何やらちいさきいのちたちに囲まれていて「うわあっ!?」と悲鳴が出た。混乱の最中にいる高良のことなどお構いなしにちいさきいのちたちは顔を高良の体にくっつけた。高良から再び素っ頓狂な声が上がった。ふんふん。すんすん。何やら匂いを嗅がれているらしい。何が始まったというのだろうか。
    「わわっ、よ、よじ登ってくる……!」
     ちいさきいのちたちは思い思いに高良の体でクライミングを始めた。程なくして楽(仮)が高良の頭を、龍之介(仮)が肩を、腹の上を天(仮)が各々陣取った。ぱぱーん! というファンファーレの音が聞こえてきそうな勢いだった。下手に動いたら彼らが危ないと身動き一つ取れなくなった高良は途方に暮れた。うーんすっごくかわいい。知能指数が溶けた感想だけが脳内をだるだると横切った。
    「こら、キミたち。まげちょんがビックリしちゃってるでしょう」
     現実逃避を始めた高良の前にスイートボイスで窘めながら九条天その人が姿を現した。紛れもなく自分の記憶の中にいる九条天であり、テレビで見る九条天であり、グッズ類にプリントされている九条天である。
    「えっ、天くん!? ……じゃなくて九条さん!? えっ、じゃあこっちの九条さんは……!?」
    「その子はモン天。頭の上にいるグレーの子がモン楽で、肩にいる青い子がモンつな。ボクたちによく似てるよね」
    「は、はいっ! すっごく可愛くて魅力的なところとかそっくりです!!」
     悠然と微笑む天に全ての衝撃を吸い取られて脊髄反射で叫んだ高良に「やった。ありがとう」と天は笑みを向ける。俺、百回くらい死んでもいい。あまりにも美しく可愛らしく気品のある天の振る舞いに高良は瞳を潤ませた。肩にいるモンつなが短い手で焦ったようにぽんぽんと高良の目元を拭った。可愛さのあまりに気が触れそうになった。
     それでもバランスは崩すまいと全身を固くする高良に頭の上にいるモン楽が全身でわしゃわしゃと高良を撫でる。「うわわっ」と声が出てしまったが、挙動から慰めようとしてくれているらしいことを察し、そのいじらしさに高良の心臓は万力で締め付けられたような痛みを訴えた。思わず胸を押さえれば腹の上にいるモン天が心配そうな顔で高良を見上げている。心なしか耳がしんなりしている。なんだこの子たち可愛いの権化か?
    「随分と気に入られたみたいだね。楽が見たら妬いちゃうかも」
     楽は懐かれるまでちょっと時間が掛かったから、と悪戯っぽく天が笑う。天くんは今日もファビュラスだなあ、と錆び付いた思考回路を本筋とはずれた内容が走った。

     そして程なくしてやってきた楽と龍之介はモンたちに集られている高良を見て目を丸くし、楽は天の想像通り少し拗ねたような顔をしたし龍之介はにこにこと笑っていた。
     玄関と言う比較的省スペースエリアに集った可愛いと格好いいのマリアージュに高良はうっかり気絶しそうになった。俺、死ぬのかな。割と真面目に間下高良は思った。モンたちは高良の上で思い思いに寛いでいた。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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