もこもこにまどろむ からりとよく晴れた、もとい晴れすぎた今日は洗濯物が一瞬で乾く。どうせならと全員分のシーツもタオルケットも午前中に洗って干したが、午後一番には既に乾いていた。いくらなんでも早すぎだろ、と楽が呟く。広々としたベランダにずらりと並ぶシーツとタオルケットの海に手を差し入れる。慣れた手付きで回収すると鼻腔に柔軟剤の香りが滑り込む。心地良いそれに顔を寄せて思い切り肺いっぱいに流し込む。天が「絶対にこれ」とセレクトしたものだが、楽も龍之介も気に入ったので珍しく異論なく決まったブランドのものだ。
カンカン照りの今日は少し外に出るだけで汗ばむ。風は多少出ているが、それでも暑いことに変わりはない。あまり外にいるのもよくないと楽は物干し竿掛けを下ろし、早々に空調の効いた室内に戻った。
「………ん?」
ベランダの鍵を掛けて取り込んだシーツとタオルケットを見れば、一部が不自然に膨らんでいた。何かと思ってめくってみれば、すやすやと気持ちよさそうに眠っているモンたちの姿があった。互いに身を寄せ合っている。楽の脳内に三色団子が浮かんだ。
できれば早いところ回収してそれぞれベッドに敷きたいのだが、こうも爆睡されては起こすのもどうかと思ってしまう。
「ったく。モン天の奴、涎垂らしてるじゃねぇか。本当に食い意地張ってんな」
口をもごもごさせるモン天を見て吹き出した。
二人が帰ってくるまで時間があるし、夕食の準備をするにも早い。それならばもう暫く期間限定の寝床として提供してやろうと思ったのだ。