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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    i7/SS100本ノック11本目
    楽と天とモンの生態

    ##i7_SS

    トラベリング・モン てちてちてち。目の前を通り過ぎるモン楽を見る。もこもこまるまるした体を後ろからそっと持ち上げれば、気づいているのかいないのかモン楽は短い足を前後させている。そのままそっと下ろせば再びてちてちと歩き出した。
    「………楽、何してるの?」
     呆れたような声音が振ってきて顔を上げれば天の顔と鉢合わせた。その声を形にしてような呆れ顔だった。
    「四葉に教えてもらったこと試してたんだよ」
    「四葉環に?」
     ああ、と楽が首肯する。
    「歩いてるモンを後ろからそっと持ち上げるとそのまま歩き続けるってな。本当だったぜ」
     やや興奮した様子の楽にまたしょうもないことを、と言わんばかりに天が半目を向けた。傍から見ていてかなり奇怪でシュールな行動をしていて自覚がないのだろうか、この男は。口には出さず天は心中で呟いた。
    「それに付き合わされるモン楽が可哀想だと思わないの?」
    「そりゃモン楽が嫌がったら俺だって反省する。もちろん謝る。でもあいつなんも気にしてねぇぞ」
     そう言って指し示したモン楽は窓際で豪快なヘソ天を晒していた。すぴすぴと平和なおかおで気持ちよさそうに爆睡している。モン楽は納得がいかないことについてはその場で猛抗議してくるので、確かに楽の言う通り本当に気にしていないのだろう。それならいいか、と天は溜息一つで納得した。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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