Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    suno_kabeuchi

    twst夢とi7の作品投下垢

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 78

    suno_kabeuchi

    ☆quiet follow

    i7/SS100本ノック 12本目
    モン天とポシェット

    ##i7_SS

    ぷれぜんと・ふぉー・ゆー!「うん。見てるよ。素敵なポシェットだね」
     天が微笑むとモン天は一際表情を華やがせ、くるくるとその場で回り出した。その肩から下げられているスモーキーピンクのポシェットが動きに合わせてぱたぱた揺れる。
     先日ちょうど似合いそうだとモン天に他ならぬ天がプレゼントしたものだが、いたくお気に召したらしく、どこに行くにしても必ず下げるようになった。それが家の中であってもである。
    「……? モン天?」
     それまで機嫌良くくるくる回っていたモン天がぴたりと動きを止める。そのまま静止すること数秒。
     まさか自らの回転で酔ったのかと天が身を乗り出そうとしたところでモン天がいそいそとポシェットの中身を漁り出した。どうやら酔ったわけではないらしい。小さく安堵の息を吐いて天は浮かしかけた腰を下ろした。
     じゃん!
     そんな効果音が聞こえてきそうな勢いで短い手で何かを掲げている。
    「………飴?」
     まごうことなく飴玉である。いわゆるキャンディと言われたら多くの人が連想するであろう、包み紙がリボンの形をしたそれ。
     それは天の記憶の限り、モン天が一番大好きな飴玉の筈だった。包装紙がきらきらしていて可愛いのと、何より美味しい。
     天が不思議に思っているとモン天が両手で持ち直す。ずい、と天に差し出しているようだった。
    「もしかしてボクにくれるの?」
     確認すればニコーッと満面の笑みを向けられた。どうやら数日遅れのお礼の品らしい。したくてしたことだから気にしなくていいのに、と思う一方で、モン天にとってこのお礼がやりたくてやってることなのだったら素直に受け取るのが筋だろうとも思う。
    「ありがとう。今度一緒にこの飴玉買いに行こうね」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
    678