Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    suno_kabeuchi

    twst夢とi7の作品投下垢

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 78

    suno_kabeuchi

    ☆quiet follow

    twst夢/イデア
    唇にだけキスをする理由

    ##twst夢_SS

    リップ・ディップはひとつだけ 目を伏せて唇の温度に感じ入る。寒々しい色をした唇は見た目に反してあたたかい。てっきりリップなのばかり思っていたけど自前らしい。じゃあ血も青いのかと言えばそんなことはないので実に不思議だ。
     互いにベッドの上に座ってただただ唇を重ね合う。貪るような激しさも奪うような苛烈さもない、ただ触れるだけの優しいそれ。たまには乱暴にしてくれていいのになんて思うけど、イデア先輩が絶対にそうしないのがわかってるから体を委ねているのも事実なので言えるわけがなかった。
    「イデア先輩、唇以外でキスしないですよね」
     やめ時すら溶けていきそうになった頃、なんとなく呟けば「えっ」なんて言ってイデア先輩が止まる。至近距離の顔にドキリと胸が跳ねて顔が熱くなるのを誤魔化すように「頰とか首とか、他のとこにされたことないなって」と急いで言葉を重ねた。
    「いやだってキスだし……他のとこは……うっかり痕ついちゃったら嫌だし………」
    「えっ………」
    「な、なんでそんな傷ついた顔を!? 普通に嫌でしょ、キスマークって要は内出血なんだから!」
     瞳孔を開いて力説するイデア先輩はぽかんとする私を見ると気まずそうに「僕だって君の体をわざわざ傷つけたくないし……痛い思いも嫌な思いもさせたくないし……」とごにょごにょ言い始めた。なるほど?
    「だからキスするのは唇だけって決めてるというか……うわっ!」
     爆発した愛しさを推進力に抱きついたら勢い余って押し倒してしまったけど、許して欲しい。ああどうしよう。私、好きすぎて頭がおかしくなってしまいそうだ!
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
    678

    recommended works