ぼくはめいたんてい! 眼鏡にポシェット、ヘアピン代わりにリボンを付けてモンてんが胸を張っている。とりあえず写真を撮ってから協力者であろう龍之介に問えば。
「『オオカミ少年と少年探偵』のドラマを見て影響されたんだって」
可愛いよね、とニコニコ顔でふんすふんすしているモンてんを見つめている。陸を選択するとはわかっている、と天はしたり顔で頷いた。
そんなキュートな探偵は虫眼鏡を片手にあちこち覗き見ている。TRIGGERの面々は比較的綺麗好きなのもあって汚れらしい汚れもなく、物が散乱しているなんてこともないから退屈なんじゃないかと天がこっそり観察していると、何かに気づいたようにモン天がテレビ横の隙間に潜り込んだ。数十秒後、ぴょっこり出てきた。何やら得意気な顔をしている。
「何か見つけたの?」
天の問いかけに勿体ぶるように「ふふん……」といった顔を見せつけると、ばばーん! と効果音が聞こえてくる勢いで何かを掲げた。きらきら光る透明なビー玉だった。
「ああ! それこの間のラムネのビー玉? いつの間にか無くなっちゃってたけど、テレビの隙間に入りこんじゃってたんだね」
そんなものがなんであるのかと首を捻る天の上から掛けられた答えになるほどと手を打った。ところでそれはそれとして。
「モンてん、埃がすごく付いてるから先にお風呂しようか」
「もこもこだから埃がいっぱい取れちゃうんだね……」