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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    twst夢/イデア・シュラウド
    ド深夜の中庭でエンカウントしたはなし

    ##twst夢_SS

    センチメンタル・ブレイクの夜 学園の中庭。人目につくところの代名詞みたいな場所だけれど、とっぷり更けた夜では一転して静寂だけが占める。たまにゴーストが出たりするが、それを差し引いても一人になりたい日にはうってつけの場所なのだ。
     そんな宵闇に紛れる中庭の中でも一際暗い場所にひっそりとベンチがある。背の高い木の下にあるので影が濃く、人によっては不気味という印象を抱くだろう。すっかりに慣れた私だってちょっと怖いなという気持ちが湧くことはある。
     それでもぽっかりと口を開けたように佇む闇に心安らぐ夜がある。事実、少しの不安が心を舐めたけれど、それ以上に安堵が広がっていた。誰にも干渉されない、私だけの世界。
     ベンチに身を預け、ぼんやりと空を見上げる。今や闇色に染まった葉の隙間からうっすら見えた薄墨色の上でチラチラと屑星が淡く瞬いている。丁度木が覆い隠しているのか、月は見えなかった。
    「ヒイィッ!? だ、だだだ誰!?」
     目を伏せて身を預けていた静謐の帳が引き裂かれ、のっそりと身を起こす。うすぼんやり発光している面積の広いサファイアブルーなどこの学園には一人しかいない。
    「こんばんは、イデア先輩。いい夜ですね」
    「いやこんな時間に何してんの!? びっくりしすぎて口から心臓が飛び出すかと思ったんですけど!」
    「イデア先輩、スマホのインカメ使います?」
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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