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    しっぷ

    @sir0_r0

    skdy:
    CPは主にngss

    他は🎲🔨⚙️/ナツキ/🐯/gk周辺がいずれ増えるかもしれない

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 🎲 🔨 🐈
    POIPOI 9

    しっぷ

    ☆quiet follow

    色々円満に片付いた後、🔨とヨツに🎲が巻き込まれてるだけの平和軸(CP要素なし)
    ※🎲🔨⚙️はお互いの私服姿を見たことがあるという設定で話を進めてます。
    ※貴重なツッコミ要員の🔨はいません。

    *
    「あんたの私服やばない?何やねんあの帽子。キノコ思い出すわ〜。玉ねぎやったらそれこそ殺してんで」
    「そういうお前さんだって見るからにガラの悪い格好してたじゃねぇか。ゴロツキはみんなああいうの着てんのかい」
    (え?突然何の話?)
    殺連本部の薄暗い会議室に長々と詰め込まれてから数時間、やっと解放され明るい日差しの下に出てきた僕らは駐車場に向かっているところだ。
    (お互い気にしてるな〜とは思ってたけど、会話の内容が…子供だなぁ…)
    「おい南雲、何か言ってやって」
    「え?あー…昔は知りませんけど、僕が知ってる神々廻の私服は意外と普通ですよ」
    突然話を振られ困惑しながらも当たり障りないフォローをしてみたけど、神々廻は納得してない様子でこっちを睨んできた。
    「意外とは余計や。そこは普通だけでエエねん」
    言わなかったら当然だけど、言っても文句言うんだもんな〜という思いを胸の内に秘めたまま「ごめんね〜」と笑顔を取り繕う。
    「まぁ服装なんて好みだし、どっちがやばいとかは…あっダメだ話聞いてない」
    改めて京都での四ツ村さんの服装を思い出してるんだろうなぁという表情をした神々廻と、改めて神々廻と初対面した時の服装を思い出してるんだろうなぁという表情をした四ツ村さん。
    「この人やろ」
    「神々廻だろ」
    同時にお互いを指差した二人が横目で睨み合っている。
    「…そこの嬢ちゃんに聞いてみな」
    「いやもう多数決で決まりやろ」
    (あれ?僕参加してたっけ?)
    「おいおい、南雲を当然のように自分側に引き込むんじゃねぇよ。なァ?」
    (そんな顔したって四ツ村さん側にもつきませんからね)
    「あーもーラチがあかんわ…大佛ィ、やばいのこの人やんな?」
    神々廻が声を掛けた、さっきまで隣にいたはずの大佛は石を蹴って大分向こうの方にいた。彼女の我関せずを見習って僕も隅の方でアリの行列でも眺めてたら良かったな。二人の間に挟まれた僕は適当な相槌とフォローを繰り返しながらその場に立っているしかなかった。

    今まで興味を示さず、ただただ石を蹴って駐車場を往復していた大佛が僕らの所まで戻って来てぴたりと足を止める。
    「神々廻さん…お腹すいた…」
    神々廻がよく大佛のことを「飯にがめつい」って言ってるけど、今回ばかりはそのがめつさに助けられたかもしれない。人を挟んで不毛な争いをしていた男達は顔を見合せた後、大きく息を吐き出す。
    「そういや飯時か…何食いたいん?」
    「えっと…お寿司…」
    「僕も行く〜」
    真っ先に大佛が助手席へ乗り込むと必然的にハンドルを握るしかなくなった神々廻が運転席へ、そして僕が後部座席へと身を沈めたところで反対側の扉が開いて誰かが乗り込んできた。
    「仕方ねぇな…俺の奢りだ。好きなモン食え」

    いやあんたも来るんかい。
    思わず神々廻の言葉が移った。


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    しっぷ

    DONE5648展後の🔨と⚙。okiさんから招集掛かるまでの、あったかもしれない・あったらいいなというお話。
    全然痛がらないので痛がってもらったり、一人で色々忙ししばさん。
    ※CP要素なし
    The apple of my eye*
     ピロンッ

     静かな室内に軽快な電子音が響いた。
     病室のベッドの上で何の面白みもない真っ白な天井を退屈そうに見上げていた神々廻は、その音に反応して勢いよく立ち上がった大佛へと視線を移す。
     ナイフ握ったまま立つのやめぇ。これから人刺しにでも行くんか。そんな言葉がつい喉元まで上がってきていたが、対象が「ちょっと待っててね」と小走りで病室を出て行ってしまったため発せられることはなかった。
     ベッド備え付けの簡易テーブルには剥きかけのりんごが二切れほどと、きちんと鞘に収められたフルーツナイフ。もしナイフを持ったまま出て行かれたら這ってでも止めなければならないところだったと安堵の息を吐き出す。
     いちいち失礼で、ぼーっとしていて何を考えているのか分からない部下の言動に振り回されるのは日常茶飯事だ。今だって「お見舞いといえばりんご」と言って剥いてくれたのはいいのだが剥きながら自分で食べていて四分の三は大佛の胃袋に収まったし、黙々とお菓子を食べていたかと思えば喉が渇いたと人の水を横取りする始末。一番厄介だったのは、病院に担ぎ込まれる際「おばけがいた」と青い顔で人の服を掴んだまま離さなかったことだ。処置の邪魔になるのはもちろんのこと、傷口に近い箇所を掴んで引っ張るものだから衣服が擦れ、その度に痛いからいい加減離せと叱ったのだった。
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