祝福の代わりに、静かな時間を(ドルオウ) オウィちゃんの誕生日だー!と騒ぐミツキを中心とした仲間達に盛大にお祝いをされまくった当人は、そろりと騒ぐ皆の輪から抜け出していた。食堂を貸し切っての大騒ぎは、いつの間にか主賓をそっちのけで盛り上がりを見せている。
皆の好意はありがたかったが、元来騒ぎ立てるのが得意では無いオウィとしては、気疲れを起こしてしまったのだ。祝いの品も、祝いの言葉も、祝いの料理も、もう十分に堪能した。これ以上は腹一杯だった。
さっさと自室に引き上げてしまおうと思ったオウィは、目の前の人影に顔を歪めた。また掴まるのかと言いたげに。
「おいおい、人の顔を見た瞬間に嫌そうな顔をするんじゃねぇよ、軍師殿」
「てっきり貴方は酒を飲んでいると思っていたんですが」
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