Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    つーさん

    @minatose_t

    辺境で自分の好きな推しカプをマイペースに自給自足している民。
    カプは固定派だが、ジャンルは雑食。常に色んなジャンルが弱火で煮込まれてるタイプ。
    SS名刺のまとめとか、小咄とか、思いついたものをぽいぽいします。

    感想やリクエストありましたら、メッセージ機能かこちらのマシュマロまでどうぞ!
    https://marshmallow-qa.com/minatose_t?utm_medium=url_text&utm_source=promotion

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 💯
    POIPOI 76

    つーさん

    ☆quiet follow

    オウィちゃんの誕生日ネタ。
    騒々しい仲間達からのお祝いで疲れたオウィちゃんに、ゆっくり出来る時間をくれるドルフさんの話。

    #ドルオウ
    dollarAuctions

    祝福の代わりに、静かな時間を(ドルオウ) オウィちゃんの誕生日だー!と騒ぐミツキを中心とした仲間達に盛大にお祝いをされまくった当人は、そろりと騒ぐ皆の輪から抜け出していた。食堂を貸し切っての大騒ぎは、いつの間にか主賓をそっちのけで盛り上がりを見せている。
     皆の好意はありがたかったが、元来騒ぎ立てるのが得意では無いオウィとしては、気疲れを起こしてしまったのだ。祝いの品も、祝いの言葉も、祝いの料理も、もう十分に堪能した。これ以上は腹一杯だった。
     さっさと自室に引き上げてしまおうと思ったオウィは、目の前の人影に顔を歪めた。また掴まるのかと言いたげに。

    「おいおい、人の顔を見た瞬間に嫌そうな顔をするんじゃねぇよ、軍師殿」
    「てっきり貴方は酒を飲んでいると思っていたんですが」
    「飲んでたさ」
    「なら、どうして」
    「お前が出て行くのが見えたからな」
    「…………」

     それで何で貴方まで出てくるんですかと言いたげな顔だ。そんなオウィに、ドルフはにぃっと唇を持ち上げて笑った。
     一歩距離を詰め、ドルフはオウィを見下ろす。かつて共に死線を潜り抜けた相棒とも呼べる相手に見下ろされ、オウィはじっとその瞳を見上げた。何を考えているのかと言うように。
     次の瞬間、ドルフは破顔した。次いで、悪戯を思いついた子供のような顔でオウィに耳打ちをする。

    「騒がしい奴らに邪魔されない静かな時間が欲しくはないか?」
    「……は?」
    「部屋に戻ったところで、引っ張り出されて終わりだぞ」
    「……」

     否定出来なかったので、オウィはそっと目を閉じた。何で自分の誕生日で疲れなければいけないんだと言いたげだ。
     そして、ふと、ドルフの言葉に気づいたように顔を上げる。不思議そうに、きょとんとした顔をするオウィに、ドルフは楽しげに笑った。

    「来るか?」
    「……良いんですか?」
    「今のお前に一番必要なのは、ゆっくりする時間だろ」
    「……助かります」

     その誘いに、オウィは乗った。ドルフが、オウィが疲れていることを見越して申し出てくれたことがわかっているからだ。また、親しい者達の誘いを断り切れないオウィを知っていもいるからだろう。
     並んで歩きながら、オウィはほんの少しだけ表情を緩めた。ドルフと過ごす時間は嫌いではない。オウィと二人きりの時、この男は不思議なほどに静かな時間を提供してくれる。
     部下達と共に騒ぎ立てる面も持っているというのに、不思議な話だ。けれど、あの頃と変わらず自分を気遣ってくれる姿に、心が温かな何かで満たされるのを感じるオウィだった。

     二人きりで過ごすその時間は、数多くの贈り物の中でオウィの心を一番満たしたのだった。

    FIN
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    つーさん

    DONEいつかちゃんと全部書いて本にしたいなって思ってる、種自由前に相棒から恋人になるディアイザのお話のプロローグ。WEBイベントの賑やかしにとりあえずこれだけでも、みたいな感じで持ってきた。全文完成日は未定←
    ※ミリアリアがいますが、別にディアミリ要素はありません。うちの二人は友人。
    ディアイザ続き物プロローグ。 世界平和を目的とした武力組織を作る。他の誰かがそんなことを発案したならば、私兵を手にしたいだけだろうと一笑に付されただろう。だが、その声を上げたのは、オーブ首長国連邦の現代表であるカガリ・ユラ・アスハだった。二度も国土を焼かれる経験をし、父を失い、自らも戦場にてモビルスーツを操った女傑の言葉であったからこそ、その発案は受け入れられることとなった。
     オーブを発案者とし、他陣営も協力して一つの組織を作り上げる。各々の思惑は絡めども、あくまでも独立した武力組織としての設立を目指すというのがカガリの主張であった。
     その、世界平和監視機構コンパスという組織には、オーブ軍とザフトから戦闘員が派遣されることとなった。ナチュラルとコーディネーターの混成部隊となるが、そもそもオーブはナチュラルが主体とはいえコーディネーターと共存する国である。そこの軍人達も、味方となったコーディネーターへの悪感情は抱かないだろう。
    2469

    related works

    recommended works