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    ni12_nnii12

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    ni12_nnii12

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    メイドさんのぽんりおはやくはやく!と元気なぽんちゃんと一緒に外にでる。
    外に出ると清々しい早朝の空気。
    最近は天気がすっきりしない日が続いていたから、久しぶりに気持ちの良い天気の中散歩ができて、ぽんちゃんも嬉しそうだ。

    屋敷から出てすぐの緩やかな坂道を軽く走りながら登っていると、上の方からやってくる知った顔が目にはいった。
    黒色のワンピースの裾をバサバサとなびかせて自転車に乗っているのは、

    「白石」
    「凛生くん!ぽんちゃん!おはよう!」

    片手をあげると万浬も片手をひらとあげて応える。
    凛生含む、屋敷で働いているメイドたちは住み込みの者が多いが、万浬はアルバイトという形で勤務しており家から通っている。
    自転車であっという間に近付いてきた白石は凛生たちとすれ違うとまた後でね~とそのまま坂道を下っていった。
    いつもよりずいぶん出勤がはやい。
    今日は……何かあっただろうか?と考えているとぐいと握っているリードが引っ張られる感覚。
    もっと走りたいようだ。

    「…よし、」

    ぽんちゃんの期待に応えて、凛生は走るスピードを上げた。



    散歩から戻り、散歩用に着ていた動きやすい服から制服に着替える。黒のワンピースに白いエプロンをつけ身だしなみを整えているとぽんちゃんが足もとに寄ってきた。
    ぽんちゃんも一緒に支度をしたいのだろう。
    毛並みを整えて、ぽんちゃん用に特注で作られた服を着せる。
    ヘッドドレスものせ、完璧だ。

    「あ、おはよう」
    「おはよう」

    仕事場に向かうと航海が先に来ていて、朝の仕事を初めているようだ。

    「ぽんちゃんも、おはよう。毎日桔梗と一緒に仕事しに来て、えらいね」

    しっかりメイド服を着てやる気満々な様子のぽんちゃんに笑いかける。

    「そういえば、白石は?散歩中にすれ違って、もう来てるかと思ったんだが」
    「あぁ、今日新しい子が入ってくるらしくて、その子の支度を手伝いにいってる……もうこんな時間か。そろそろユウ……と、さまを起こしにいかないと、どうせ起きてないだろうから」
    「俺たちがいこう」
    「そう?じゃあ、お願い。ぽんちゃんも、よろしくね」



    「うぅ……ん……すぅ……」

    案の定寝ている結人の体をゆすりながら何回か呼びかけたが起きる気配がない。

    「ぽんちゃん、頼む」

    凛生に頼まれきりっとした顔になったぽんちゃんはキャン!と一鳴きすると結人の上に飛び乗った。
    結人の上に乗ったぽんちゃんがキャンキャンと足踏みしながら顔を舐めると、
    凛生が呼び掛けても手応えがなかった結人がバタバタと動きはじめる。

    「っ!?……ぽんちゃん!?……ちょ、起きる、もう起きるから!ぽんちゃん…!」
    「さすが、ご主人様を起こすのはぽんちゃんが一番うまいな」

    感心しながらぽんちゃんの技を眺めていると、
    トントンと軽いノックの音が聞こえ、結人く~ん居る?と万浬が入ってきた。

    「あ、凛生くん、さっきぶり。結人くんは……ちょっと、またぽんちゃんに起こしてもらってるの?いい加減自分で起きなよ……って初対面が寝起きでパジャマか……」

    う~んと一瞬何か考えたようだったがまぁいっかと入ってきた扉のほうを向き、入って!と声をかける。
    すると扉がゆっくりと開き凛生たちと同じメイド服を来たはじめてみる顔が入ってきた。

    「今日からここで働くことになった七星蓮くん」
    「あの、えっと…よ、よろしくお願いしわぁ!?」
    「キャン!」

    挨拶を言いきるまえに結人に乗っかっていたぽんちゃんが勢いよく蓮に飛びついた。
    いきなりで支えきれなかったようでバランスをくずし後ろに倒れてしまう。

    「ちょっとぽんちゃん!?」

    ぽんちゃんは誰にでも人懐こいが初めて会う相手にこんな勢いでじゃれつくのは珍しい。
    万浬も驚いているようだ。

    「こら、ぽんちゃん、驚ろかせてはだめだろう……大丈夫か?」
    「は、はい」

    座りこんでいる蓮の手をひいて立ち上がらせる。

    「俺は桔梗凛生、メイドとしてここで働いている。こちらは同じくメイドのぽんちゃん、そしてあそこにいるまだパジャマなのが俺たちのご主人様……結人様だ」
    「よ、よろしくお願いします……!」
    「あぁ、こちらこそよろしく頼む」

    深くお辞儀をする蓮にそう声をかけ、
    凛生の足もとで、先ほどより落ち着いているが蓮を見つめしっぽをぶんぶんとふっているぽんちゃんの頭をなでる。 

    「今日から先輩だな、ぽんちゃん」

    はじめて出会った時は片手で包み込めそうだと思ったがいつの間にかずいぶんと大きくなった。
    ぽんちゃんの瞳はきらきらと輝いていてまかせてくれと言っているようだ。
    いつも通り愛らしくも逞しさを感じるぽんちゃんに凛生は目を細めた。
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