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    ichi

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    人間🍁×妖怪❄
    番外編
    迷走しまくってる

    #腐ロセカ
    BL prsk
    #彰冬
    akitoya

    永遠ノ愛ヲこれは、とある九尾の狐が見た、遠い昔の時の夢である。

    「っ…ここ、は」

    パチリ、と目を開くと先程まで彼といた神社…の筈なのだが。
    どこか、いつもとは違う気がする。
    確かにいつもの神社であることは確かなのだが、なんというか、少しばかり新しい気がする。

    「あ……」

    視線を動かした先には、橙色の髪と着物の青年が立っていた。
    そこで確信する。これは、夢なのだと。
    随分と、懐かしい夢だ。

    「お、一!こっち来いよ」
    「嗚呼、アキト今向かう。」

    これは、アキトと初めて出逢った頃の夢だ。


    遠い昔、まだこの神社ができて間もない頃。
    できたばかりだというのに妖が出るとすぐさま噂され、人ひとり来ないような神社に、一人の少年が訪れた。

    「……何をしに来た」

    姿を見られれば石を投げられ、刀で切りつけられ、手助けをしてもすぐさま逃げ出される。
    心も身体もボロボロで、初対面の印象は最悪だったはずだ。
    自覚するくらいには悪い態度で接したのに…それなのに、

    「…これ、使え」

    そうぶっきらぼうに言い放つとポイ、と何かをこちらに投げる。
    これは……

    「ほう、たい…?」
    「お前、傷だらけじゃねーか」
    「あ…嗚呼、だがしかし…」
    「うるせーな、黙って使え」

    口は悪くとも、優しさに満ち溢れている発言に、照れからきているのか赤くなっている耳。
    その不器用な優しさにぐっ、と目頭が熱くなる。

    「なっ…わ、悪い、強く言いすぎたか…?」
    「あ…ちがっ…」

    違うと言いたくても、しゃっくりが邪魔して喋れない。
    彼からの膨大な優しさを抱えきれず、涙に変わって溢れ出てくる。

    「あー…泣きやめよ…」
    「す、まな…嬉しぐ、てグス」
    「…あっそ」

    ぐい、と彼の指が目元を拭う。
    いつの間にこんなに近くに来ていたのか。

    そこで初めて気が付く。
    彼が、自分に、触れていると。

    「っ…!離れろ!!」
    「なっ…!?」
    「あ…あ…また、また俺は…!」

    俺は、また一人のヒトを不幸にしてしまった。

    俺は天狐といって、人間に憑依できる妖怪。
    そのせいで、今まで誰にも憑依したことがないのに恐れられ、嫌悪されている。
    そんな俺に触れた人間には「印」が現れる。
    なぜ印が現れるのかは俺自身よく分かっていないのだが…
    集落の言い伝えにこの印が載っているため、印があるやつはみな、他の者から恐れられ、俺と同じような末路を辿ってしまう。
    そして、彼もまた、俺と、同じように…

    「おい!!」

    ぐんっと顔を彼の方向に向かされて、ハッとする。
    どうやら俺は混乱してしまったらしい。

    「あ、す、まな…」
    「ったく、ビビらせんな」

    彼に、このことを伝えなければ。
    けれど、伝えてどうする?この先不幸になると伝えてなんになる?
    どうしよう、今までこんなに焦ったことはない。なぜこんなに焦って、悔やんで、悲しんでいるのか。
    分からない、分からないことだらけだ。

    「なぁ、この印って…お前がつけたのか?」

    ヒュッと喉が変な音をたてる。
    気付かれた。もう話すしかない。
    嗚呼、せっかく優しくしてくれた人がいたのに。また、離れて行って、俺は一人に…

    「っ……」

    嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ!
    もう、一人にはなりたくない。
    けれど言わなければ、言わなければっ…!
    そう思うほど、声が出なくなる。
    掠れて、音にもならず、喉の奥へと消えていく。
    もう、ダメだ、俺は、本当にまた一人になってしまう…と思っていたのに、

    「綺麗だな、この印」
    「え…」

    今、彼は、何と言った…?

    「…実は、俺、前にお前に会ったことあってさ。すっげー小さい時だったけど。」
    「…あ」

    そうだ。そういえば昔、同じような橙色の髪をした少年が、迷い込んできた気がする。
    その時にも印が付いてしまった筈だが…

    「あの後、村でお祓い?みたいなのやらされて、印が消されたんだよな。俺、結構お気に入りだったんだけど。」

    だから、また付けてもらえて嬉しい。
    そう顔に出ているのを見て、胸がザワつく。
    だって、これは不幸にするものの筈だ。
    それなのに、嬉しいだなんて、そんな…
    嬉しいのは、こちらの方だ。

    ポタポタと、地面へと水が垂れる。
    おかしいな、今日は雨なんて降っていないのに。

    彼は先程と同じように優しく目元を拭う。
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    たまぞう

    DONE先にポイピクに載せます。
    日曜になったら支部に載せます。
    将参のお話。この間のとはセカイは別になります。
    ちょっと痛いシーンがありますがそこまで酷くないです。
    寧々ちゃんが森の民として出ますが友情出演です。
    最初と最後に出ます。
    何でもいい人向けです。
    将校は参謀と同じ痛みを感じて(物理的)生きたいというよく分からないお話ですね。
    誤字脱字は見逃してください。それではどうぞ。
    将参(友情出演寧々)「ねぇ、その首の傷痕どうしたの?」
    「っ、っっ!?」

    仕事の休憩中に紅茶を飲んでいた時のこと。
    正面の窓から現れた少女に私は驚き、口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

    「っ、ごほ…っ、げほっ、ぅ………。来ていたのですか…?」
    「うん。将校に用事があって……というか呼ばれて」
    「将校殿に?」

    森の民である緑髪の少女ーーー寧々は眉を顰めながら、私の首をじっと見つめている。そこには何かに噛み千切られたような痕があった。

    あの日のことを話そうか、少し迷っている自分がいて。
    どうしようかと目線を泳がせていると、寧々が強い力で机を叩く。

    「ほら!話して!」
    「………わっ…!わかり、ました」








    あまりの気迫に押された私はぽつりと語り始めた。
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