どうにも振るわない試合が続き、日が経つごとにため息が増えていく。
「なんか…今日も調子が悪い気がするな…」
人気のない廊下で一人考え込む。
いつもだったらこんな考え、すぐに振り払えるはずなのに…また一つ、ため息。
そんな時、前方から足音が聞こえてきた。
自身のキャラクターというものはそれなりに理解しているつもりだった。
だからここ数日間も、気持ちが下がる感覚の時は人の輪から外れるようにしていたのに…この距離だと今のため息は見られたかもしれない。
悩みなんてないように、取り繕った顔を上げた…つもりだった。
表情なんて分からないだろう勢いで横髪をぐいっと掴まれ、続いて唇に少しかさついているが柔らかい感触。
突然のことで目を白黒させていると、
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