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    Happy New Year! 2024→2025
    水棲生物獣医ヌヴィレット×宅配のおにーさんリオセスリ
    ♡めっちゃ飛びますがギャグです。IQ低い低いしてゆる~く読んでください。
    ぬさんがお勤めする水族館に配達へやってきたリと、ラッキースケベな展開になってデートの約束までこぎ着けるお話

    水棲生物のお医者さん フォンテーヌ国立水族館。水の都と呼ばれ観光大国としても名高いフォンテーヌには、多種多様な生物が生息している。そんな国立水族館で生活をする生物達の健康を守る男がいた。
     水棲生物専門医、通称『水の王』ヌヴィレットである。

    「ヌヴィレット様! 浮流ペンギンの餌やり終わりました~」
     プクプク獣の予防接種をしていたヌヴィレットの元へぴょこぴょこと特徴的な足音を立てながら、空のバケツを持ったメリュジーヌが二人やって来た。
     今日は十二月三十一日、午後九時を回ろうとしている時刻。今年最後の営業を終えた閉館後の水族館では、いつもと変わらない穏やかな時間が流れていた。二人の姿を見てヌヴィレットは優しく微笑み、ゆっくりと腰を上げる。
    「ああ、ご苦労。ありがとうリアス、セドナ」
    「ペンギンさん達はみんな元気でした」
    「そうか、それは良かった。もうこんな時間だ。新しい年は家族で迎えたいだろう。君たちはもう帰りなさい」
    「ふふ、はーい! ありがとうございます」
     この水族館で働いている者の八割はメリュジーヌ、と呼ばれる水に愛されし種族だ。愛らしいメリュジーヌ達をヌヴィレットはこよなく愛しており、彼女達が望む人間との共生を全面的にバックアップしている。
     水に生きる生物達の健康と安全に人生の殆どを費やしてきた。この歳まで恋人の一人もおらず、世間一般の遊びにも興じた事が殆どない。だが、それを後悔したことは一度もなかった。ヌヴィレットにとっての幸福は生物達の健康とメリュジーヌ達の平穏なのだ。
     そして敬愛する相手の幸福を願っているのは、なにもヌヴィレットに限った話ではない。
    「ヌヴィレット様は、まだお帰りにならないのですか」
    「いつも遅くまで働いていますし、今日くらいはゆっくりしてください」
     父と慕うヌヴィレットを労る気持ちは、メリュジーヌ達も同じなのだ。その心遣いが嬉しくて、ヌヴィレットは優しく微笑みながら二人の頭を交互に撫でた。
    「ありがとう。私も待っている荷物を受け取ったら帰るつもりだ」
    「あ、年明けに配るタイダルガのキーホルダーでしたっけ?」
    「ああ、そうだ。そろそろ到着する予定だからな」
     年明けは子連れの来館者が多い。その子供達へお年玉代わりとしてタイダルガのキーホルダーを配るのだ。交通事情で配送が遅れているらしいが、今日中には到着しますと先ほど通知が来ていた。
    「そっか。タイダルガのキーホルダー、去年も人気でしたもんね」
    「子供達が喜んでくれると良いですね。じゃあヌヴィレット様すみません、お先に」
    「ああ、良い年を」
    「良いお年を~!」
     リアスとセドナが退勤し、この水族館に残る従業員はもうヌヴィレットだけになってしまった。フォンテーヌ国立水族館の名物は、上下左右全てがガラス張りで作られている、巨大な海中水槽だ。本物の海中に強化ガラス製の巨大な建物を沈めており、その中を歩いて海中散歩気分を味わえる。
     海に囲まれたその空間はとても静かで、夜の深い蒼に包まれ、どこまでも沈んで行けそうな気分になれる。この空間がヌヴィレットはとても好きだった。
     頭の上を魚群が通り過ぎ、遠くからプクプク獣が求愛する声が微かに聞こえる。もうすぐ繁殖期を迎えるプクプク獣が、恋する相手を求め切ない声を上げているのだ。
     その声に気を取られていたせいだろう。人の気配に気が付いたヌヴィレットがふと目を向けると、そこには青い制服に身を包んだ青年がいつの間にか立っていた。
    「お、いた。どーも、遅くなりましてすみません。メロピデ・エクスプレスですー」
     来たよ。待ってた。ようやく来てくれたね。
     そう言いたげなノンビリラッコの群れを率いるように、その青年は爽やかな営業スマイルを浮かべている。それはタイダルガのキーホルダーを配達しにきた、宅配業者の青年だった。
    「大晦日なのにすみませんね。ここにサインをお願いします」
    「ん? ああ……ご苦労」
     笑顔の青年がそう伝票を差し出してきたので、ヌヴィレットは慌てて現実へ意識を引き戻しサインをした。サインをし終えた伝票を青年はにっこりと受け取り、台車に乗せた荷物を指で示す。
    「お荷物はどうしましょう? 事務所へ運んでおけば良いですかね」
    「ああ、そうしてくれ。事務所の鍵を開けよう」
    「すいませんね。お願いしますー」
     ガラガラと台車を引く青年の隣に立ち、ヌヴィレットも事務所へと向かった。そんな二人の周囲をノンビリラッコ達は祝福するようにスイスイと泳ぎ回っている。ノンビリラッコは好奇心が強く人懐っこいが、これだけ懐いているのは非常に珍しい。よほどこの青年が気に入っているのだろう。
    「高速の途中で事故があったみたいで、なんとか下道で来たんですよ」
    「そうか。その、君は……」
    「はい?」
    「君は、動物の飼育に慣れているのだろうか?」
     おかしな質問をしてしまった自覚はある。その自省の通り、青年はヌヴィレットの唐突な問いに目を丸くし、小さく吹き出した。
    「いや、犬や猫を飼いたいなとは思った事はありますが。自分はアパート住まいなんで」
    「そうか、いや……すまない。ノンビリラッコ達が随分と君に懐いているので、気になってしまった」
    「ノンビリラッコ? ああ、可愛いですよね。好きなんですよ、ホラ」
     ほら、と青年は制服のポケットからボールペンを取り出し、ヌヴィレットへと見せてくれた。ボールペンには可愛らしいノンビリラッコが印刷されており、それは水族館の売店で販売しているグッズだった。
    「なるほど。ここへ足を運んでくれた事があるのか」
    「ええ、たまに。ここでボーッとするのが好きで。だから今日の配達先がここだと知って、ちょっと嬉しくなりましたよ」
     自分が好きな場所を褒められて嬉しくならない訳がない。青年の素直な言葉にヌヴィレットは思わず頬を緩め、小さく頷いた。
    「そうか。私もこの場所が好きだ」
    「海のお医者さんでしたよね。売店の所にあるパネルで見た……ええと、確か……」
    「ヌヴィレットだ」
    「ああ、そうだ。ヌヴィレットさん。あんたがプクプク獣の診察をしている所を遠目で見た事もありますよ」
     あの時はたしか、プクプク獣に水をかけられていて──そこまで話して思い出してしまったのか、青年はまた笑顔を浮かべてくれた。その笑顔を見ていると何故だか足下がふわふわとしてきてしまい、ヌヴィレットは小さく深呼吸をする。
    「繁殖期が近いプクプク獣は気が高ぶる。近付くのは注意が必要だ」
    「へえ、そうなのか。子供の頃にプクプク獣に海藻を投げつけられた事があるんだが、それだったんですね」
    「おそらくそうだろうな。思わぬ怪我を負うこともある。注意したまえ」
    「はい、ドクター。お気遣いどーも、優しい先生だ」
     おかしい。心拍数が異常に早い。妙に身体が熱くて、足と手の動きもぎこちない。風邪でも引いてしまったのだろうか。
     そうこうしているうちに事務所へ到着し、どこかぎこちない手つきで鍵を開ける。事務所は既に暗くなっており、ヌヴィレットは手探りで電気のスイッチを探した。
    「……ん?」
     灯りが点かない。どうやら最悪なタイミングで電球が切れてしまったらしい。
    「すまない。灯りが切れてしまったようだ」
    「お? マジすか」
    「メンテナンスルームへ行けば新しい電球がある。少し待ってもらえるだろうか」
    「いや、大丈夫ですよ。扉を開けておいてもらえればなんとなく見えますから。荷物だけなら下ろせます」
     青年はそう言うと、丁寧に荷物を下ろし始めてくれた。ヌヴィレットは青年に言われた通り扉を押さえ続けていると、テキパキと機敏な動きで荷下ろしは無事に完了した。見事な仕事ぷりだ。
    「流石だな。とても手際が良い」
    「ハハ、慣れてますから。扉を押さえてくれてありがとう、先生」
    「先生……ヌヴィレットで構わない。そう言えば君の名前を聞いていなかったな」
    「俺の? ああ、リオセスリです。覚えにくいでしょう?」
     ほら、と名前が刻印された胸のバッジをリオセスリが示す。確かに覚えにくい名前ではあるが、逆を言えば一度覚えたら忘れにくい名前だ。りおせすり、と口の中で小さく反芻してみると、名前を呼ばれた本人はキャップを被り直しつつ小さく笑っていた。
    「じゃあ俺はそろそろ失礼します。ヌヴィレットさん、今日は遅れてすみませんね」
    「ああ、いや……かまわない」
    「またご用命ください。良いお年を」
    「うむ……」
     ご苦労だった、君も良いお年を。
     そう労うべきなのは頭で分かっているのだが、不思議なことに言葉が出てこない。キャップを被り直したリオセスリはくるりと背を向け、空になった台車へ手を掛けた。
    「……んっ……?」
     どうして自分はいま、先ほど出逢ったばかりの青年を引き止めているのだろう。気が付けばリオセスリの手を掴んでしまっていた。引き止められたリオセスリは驚いて目を丸くしていたが、それも当然だ。どうして引き止めてしまったのか、自分でも驚いているのだから。
    「……どう、しました? なにか……」
    「いや……その……リオセスリ、殿」
    「えっ……? あ、ぅわっ……」
    「おっ、と……?」
    「わ、わ、ワーッ あぶっ……!」
     ガシャン! ドタガタバターン!
     夜の静寂を切り裂くように、何かが倒れる轟音が事務所内へ響き渡る。ヌヴィレットが足を引っ掛けてしまった空台車がガラガラと音を立てて廊下へ移動し、そのはずみでバタンと事務所の扉が閉じてしまった。
    「い、た……あいたた……」
    「す、すまないリオセスリ殿……大丈夫だろうか?」
    「ん? あ、この重みヌヴィレットさんか……」
     真っ暗になってしまった事務所の中で、ヌヴィレットとリオセスリは狭い所に倒れ込んでしまっていた。すぐ近くには互いの目だけがぱちくりと輝いているが、何処かに引っ掛かっているのだろうか。身動きが取れない。
    「俺は大丈夫だが……どうやらここは何かの隙間みたいだな」
    「位置的に書類棚と、先ほど君に運んでもらった荷物の隙間らしいな」
     コツン、とヌヴィレットの頭の上へ何か小さな物が落ちてきた。手に取って感触を確かめてみると、ふにふにとしたそれはどうやら例のタイダルガのキーホルダーらしい。一番上へ積んでいた箱を壊してしまったのだろう。ぽろぽろとタイダルガが零れ落ちてきている。
    「荷物を動かせば……なんとか抜け出せそうだな。ヌヴィレットさん、動けるかい?」
     リオセスリへ覆い被さるように倒れ込んでしまったので、ここはヌヴィレットがなんとかするしかない。手探りで箱の位置を確認しつつ、ヌヴィレットは頷いた。
    「ああ、やってみよう」
    「頼む。箱は壊さないように気をつけろよ?」
    「うむ」
     ゴソゴソ、ガサガサ。
    「随分と柔らかい箱だな。壊さないよう慎重に探ろう」
    「あー……すまないが、それは俺の胸だ。あまり揉まないでもらえるかい?」
    「む…… す、すまない……失礼をした」
    「はは、俺がレディじゃなくて幸いしたな」
    「おや……? ここにもタイダルガが落ちてしまっていたか。避けておこう」
    「ァ、んっ♡ ぁ、ば……ッ……そこ、はっ、ち……、び……っ♡」
    「なんだか固くなってきたな……このような仕様にした覚えは……」
    「ふァ♡ ば、か……ッ……こりこり、すん……ッ……♡ ふァ、ん…ン……ッ♡♡♡」
    「ビニール袋越しだと分かりにくいな。どれ……」
    「ひ……、ッ! ぁ、ゃ、ちょくせつ、さわ……ッ……!♡ ァ、あん♡ ゃ、う゛」
    「爪を食い込ませてみるか……どれ」
    「あ、あのなぁ、っ……! あん、た……わざとじゃないだろう、なっ……  ぁ、ん♡」
     このタイダルガは随分と触り心地が良い。確認の為とはいえ揉みまくってしまったので、責任を持ってこのタイダルガはヌヴィレットが引き取ろう。
    「ァ♡ ん、ひゃ……、っ♡ ゃ、ぬびっ……レット、さん……ッ……とうとつ、すぎ……ッ♡」
    「ああ、唐突にすまなかった。私の責任だ」
     ところで。どうしてリオセスリは、こんなに可愛らしい声で息を荒げているのだろうか。あまり可愛い声を出されると、なんだか自分までおかしな気分になってきてしまう。
     タイダルガ(仮定)をふにふにしながら、ヌヴィレットはそんな暢気な事を考えていた。無意識のうちに自分の股間が反応していたのに気が付いたのは、もう少し後になってからだ。
     もう片方の手で暗闇の空間を探り箱の位置を確認すると、ここを押せばいけそうな所を発見した。
    「リオセスリ殿、朗報だ」
    「ふ、ぁ……? ろうほー……」
    「ああ、箱が動きそうだ。出られるぞ」
     うんせ、うんせ、とヌヴィレットが慎重に箱を動かすと、なんとか空間が広がった。良かった、これならば非常灯の明かりだけで事務所を出られそうだ。何故だか息の荒いリオセスリもゆっくりと身体を起こし、乱れた制服を整えながら深い溜め息を零す。
    「……そうか。そりゃ助かった……」
    「だ、大丈夫だろうか……すまない。君を巻き込んでしまった」
    「いや、もうい……かまいませんよ……ハハ。それよりも早く出ましょう。乳首が浮い……、いや。年が明けちまう」
    「うむ。そうだな」
     そうだった、今日は大晦日なのだ。こんなことで時間を奪ってしまっては申し訳ない。ヌヴィレットはそう慌てて怠そうなリオセスリへ手を貸そうと、百パーセント善意で手を差し伸べる。
    「…………えっ?」
    「……、……っ」
     本日二度目の、驚愕。手を差し伸べた途端、ふいにリオセスリが顔を上げたのだ。間近にあるスカイブルーと、唇へ感じる他人の吐息。ふにっ、と。唇へなにか柔らかい物が一瞬触れた。
    「…………」
    「…………」
    「…………」
    「……えーっ、と……」
    「…………」
    「……帰るか」
    「……うむ」

     水棲生物に関しては右に出る者がいない、名医。医学書を丸暗記するのも得意だし、どんな水棲生物でも治療をしてやれる自信がある。
     水の王、そんな異名を持つ名医ヌヴィレットでも、今日一日の出来事が咀嚼しきれなかった。

    「リオセスリ殿!」
     トラックの扉を閉め、運転席へ乗り込もうとしたリオセスリを駐車場で見つけ、慌てて駆け寄った。
    「ヌヴィレットさん? どうした」
    「ああ、何度もすまない。これを」
    「これ?」
     そうリオセスリへ手渡したのは、タイダルガのキーホルダーとノンビリラッコのポストカード。それと、関係者用の入場パスポートだ。
    「これって……」
    「今日の詫びと、礼だ。三日までは閉館しているが、これがあれば関係者口からいつでも入れる」
     いつでも遊びに来てくれ。いや、また君に来て欲しい。そうなかば祈る気持ちで、リオセスリへそれを渡した。今日のハプニングを水に流してくれと都合の良い事は言えないが、この場所を嫌いにならないでほしい。
     君に嫌われてしまうと、ノンビリラッコも──私も悲しい。
    「休館日でも私は毎日ここに居る。館内をゆっくり案内しよう」
    「休館日でも入れるのかい?」
    「ああ。君の都合が良い時に、いつでも。ああでも、正月はご家族と……」
    「はは、正月はひとり吉野家で特盛でも食べるかー、と思っていたところさ」
    「……! では……」
    「ん、明日にでも顔を出させてもらおう。ありがとな」
     ニッと、営業用ではない笑顔を浮かべながら、リオセスリはプレゼントを受け取ってくれた。ニューイヤーにはまだ少し早いと言うのに、ヌヴィレットの脳内ではポンポンと花火が打ち上がっている。
     慌てて飛び出したヌヴィレットに着いてきてしまった浮流ペンギン達も、喜びを感じ取ったのだろう。丸くなってコロコロと足下で転がってくれている。可愛らしいその光景を見たリオセスリは、近寄ってきた浮流ペンギン達をヨシヨシと愛おしげに撫でていた。動物が好きだと言うのは本当のようだ。
     ほんの少し羨ましい。私も撫でて貰えないだろうか。
    「あんたも好きかい?」
    「す、好き……」
    「……? ああ、好きかなって。吉野家」
    「……好き……、」
     ああ、そうだ。好き、なのかもしれない。
     リオセスリからの大胆な質問にヌヴィレットは心をかき乱されてしまい、吉野家、の部分は聞き逃してしまった。じんわりと手に汗をかくのを自覚しつつ、ヌヴィレットは慎重に言葉を紡ぐ。
    「好き、なのかもしれないな……私は」
    「そりゃ良かった。じゃあ、明日は一緒に行こう」
    「一緒に、イク……」
    「ああ。明日はお礼に俺が奢るさ」
     奢る、何をだ。ホテル代を、だろうか。ならば私のマンションでと口から出そうになってしまったが、駄目だ。それじゃあまるで『私はやる気満々だ』と自己申告しているみたいじゃないか。実際やる気は満々なのだが。
     落ち着け、がっつく男って嫌だよね~と、メリュジーヌ達がお茶の時間に話していたではないか。童貞だと悟られないようヌヴィレットは小さく咳払いをして心を鎮め、しゃんと背を伸ばした。
    「ああ、楽しみにしている。また明日会おう。リオセスリ殿」
    「ああ、良いお年を。また明日な、せんせ♡」
    「……む……ヌヴィレット、だ」
    「はは、了解。ヌヴィレットさん」
     リオセスリはそう軽やかに笑いつつ、トラックを走らせ駐車場を出た。浮流ペンギンたちがバイバーイと手を振ってトラックを見送り、ヌヴィレットはその中央で瞳孔をハートにして突っ立っている。
    「……ハァ……」
     ──気持ち、よかった。
     どさくさに紛れて触れてしまった唇の感触を思い出し、一方はペンギンに囲まれながら、もう一方は少し紅潮した顔をハンドルで隠しつつ、同じ言葉を呟いていた。

     時刻は二十三時三十分。年明けまであと少し。
     原海リヴァイアサン座と獄守犬座の来年の運勢は、恋愛運が絶好調。運命を生涯共にする相手と出逢えることでしょう。

    Happy new year ♡2024→2025♡
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