Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    かほる(輝海)

    @kahoru1010

    テキストは個人的に作られた非公式のものです。
    原作者様・出版社様・版権元様とは一切関係ありません。
    無断転載・複製・複写・インターネット上への掲載(SNS・ネットオークション・フリマアプリ含む)は禁止します。

    (えろメインの)字書きです。
    絵はアイコンレベル。
    小説画像メイン。
    時々趣味のアイロンビーズやハンクラ作品を投稿。
    18歳未満はフォロー非推奨。

    シティーハンター(獠香)
    逆転裁判(ナルマヨ)

    いつもリアクションありがとうございます(*´ω`*) 
    単純な人間なので、反応があると嬉しくて、また次の作品を書く励みになります。

    ここの使い方→https://poipiku.com/76184/1140783.html
    まとめとか→https://www.pixiv.net/member.php?id=24705905
    ここでは投稿できない長さの話→https://galleria.emotionflow.com/79737/
    通頒とか→https://zr-7blue.booth.pm/

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🍌 🍑 🍮 ❤
    POIPOI 399

    かほる(輝海)

    ☆quiet follow

    シティーハンター
    冴羽獠×槇村香
    原作以上の関係

    新聞でとある記事を読んだら、急に滾ってきた(*´ω`*)

    いくつになっても手をつなげる人がいるってのは幸せだよね。

    #シティーハンター
    cityHunter
    #cityhunter
    #冴羽獠
    saeha
    #槇村香
    makiMurakami
    #小説
    novel
    #掌編
    conte
    ##CH

    冬の足音が聞こえ始めた、新宿の街。街路樹の銀杏も黄色く色づき始め、冬支度を始めていた。
     朝もめっきりと寒くなり、いつもは早起きの相棒も、俺の懐へ潜り込んでは束の間の二度寝を楽しむようになっていた。うっかりそのまま香が寝入っていたら、遠慮なく俺が「朝の運動」へ誘っていたのだが、最近は少し学習したらしい。ウトウトした後に慌てて飛び起き、慌ただしくベッドから逃げ出していくことがほとんどだった。
     午前中はダラダラと過ごし、午後の伝言板チェックへ出かけた香から少し遅れて、俺は家を出た。吹き付ける北風は、頬を切るような冷たさだ。つい俺も、両手をポケットへ入れたまま、背を丸めて歩いちまう。顔を上げようにも、街を行くもっこりちゃんは、あからさまに露出度も下がり、ちっとも目の保養にならねぇ。ここは温かな飲み物でも飲みながら、ついでに冷えた身体を温め合うのが一番いい。……となれば、まずは相手を探さなければ!
     俺はもっこりが立ち上がるかの如く顔を上げ、辺りの女を物色し始めた。
    『あっ! りょぉーっ!』
     遠くから名前を呼ばれたような気がするが、あえて聞こえないフリをする。早くもっこりちゃんを見つけて、身を隠さねば……!
    「やっぱり獠だ!」
     息を弾ませ俺のもとへ駆け寄ってきた女――香が、ポケットに突っ込んでいた左腕を、ぐいと引っ張った。
    「ぁんだよ。ボキちゃんは今、忙しいの」
    「どうせナンパが忙しいんでしょ? ちょうどいいわ! 付き合って!」
     香は俺の引き、駅とは反対方向にある繁華街の方へ向かって歩き始めた。
    「ひょっとして香ちゃんがボキちゃんのお相手をしてくれるのかなぁ……? ぐふふ♪」
    「ちょっと、勘違いしないでよ! 買い物の荷物持ちよ!」
    「へ……?」
     そんなのはまっぴらゴメンだと、俺は香の手を振り払った。
    「ちょっと待った! どうして俺が……!」
    「今日は醤油と味噌とお米とトイレットペーパーを買いに行くの! もうこれで三ヶ月も依頼がないのよ! 毎日だらだらしてないで、少しは家のために働いてもらいますからね!」
     香は俺が話しているのに遮り、なおかつ早口で捲し立てる。その勢いに押され、俺は反論を飲み込んだ。俺が黙り込んでいたら、香は俺が納得したと思ったのか、腰に手を当てニンマリと笑ってみせた。
    「わかればよろしい」
     ここで逃げ出そうもんなら、さらにハンマーが飛んでくるに決まっている。無駄な抵抗はしないほうが得か……。諦めた俺は、再びポケットへ手を突っ込み、目的地へ向かって歩き出した。
     あぁ。行き先はわかってたさ。いつもの香の行きつけの店だ。繁華街にある飲食店向けの業務用スーパーに行くところだったのだろう。あそこは駐車場が無いから、車では行けない。親切な店のオーナーは、香一人では大変だろうからと配達を申し出てくれている。だが、俺たちの家に出入りすることで、俺たちの命を狙う輩に目をつけられては大変だと、香が断ってるのだ。『だから、獠ちゃんも来てくれよ! あれだけの荷物、香ちゃん一人じゃ大変だぞ!』おせっかいなオーナーは、俺に釘を刺してもいた。まったく、この街の奴らはどうしてこうも香に甘いのかねぇ……。
     歩いていた俺の左腕へ、香が腕を絡ませてくる。腕に触れる胸の感触が、コート越しに伝わる。柔らかくて温かな、その肉の塊。反射的に腹の底がもぞもぞとして、落ち着かなくなった。
    「おい……」
    「いいじゃない、たまには。どうせ帰りは繋げないんだし」
     何も知らない香は、さらに俺へ身体を寄せてきた。女豹のようにしなやかな女の身体が、俺に触れている。ぐぐっと頭を擡げ始めたもっこりを、鋼鉄の理性で押さえ込み、俺は何食わぬ表情を顔へ貼り付けた。だが、このままじゃ、埒が明かねぇ……!
    「チッ……」
     俺は舌打ちとともに、組まれていた香の腕を解いた。一瞬、香は呆然としていたが、その右手を左手で掴むと、香の手ごとポケットへねじ込んだ。
    「邪魔だ……」
    「そう」
     香は素直に、俺のポケットから手を抜こうとした。だが、逃げようとする香の手を、俺はポケットの中で握り締めて離さなかった。
    「素直じゃないのね」
    「うるせぇよ」
     素直になっちまったら、この先の二つ目の角を曲がった「だーれも入って来ない袋小路」か、一本向こうの通りにある「なぜかベッドとシャワールームがある非合法の個室の喫茶店」に行くしかねぇんだよ。それを言っちまったら、確実に天誅が下されるだろうな。
     香と歩調を合わせて歩いていると、自然と顔が上がってくる。あれだけ丸めていた背中も、いつの間にか伸びていた。見上げた空は、青かった。あぁ、今日はいい天気だったんだな。
    「邪魔?」
     香はまだ、俺の一言を引きずっていたらしい。その証拠に、香は俺の手を握り返しては来なかった。
    「んにゃ」
     俺が前を向いたまま短く答えると、やっと香が俺の手を握ってくれた。ポケットの中が、急にサウナのように暑くなる。

     つい気っ恥ずかしくて「邪魔」なんて言っちまったが、そんなことはねぇよ。これが俺の利き腕でもある右腕へ絡んできていたなら話は別だが、お前は最初っから俺の左腕へ来てくれていたじゃねぇか。何かあったら、俺がすぐ対処できるように、な。意識的にそうしたのか、無意識なのかは、俺も知らん。だが、左手なら、お前にだけなら、許してもいい。
     生きるためとはいえ、いくらこの手で人を殺めようと、どれだけの人を傷つけようと、香は俺と手を繋いで歩いてくれる。きっと、これからも。そして、今際の際も。香は俺の手をとり続けてくれるのだろう。こうして手を繋いで歩いてくれる人がいる幸せを噛み締めながら、俺は慌ただしく人が行き交う雑踏を歩き続けた。


       了
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    かほる(輝海)

    DONEシティーハンター
    冴羽獠×槇村香
    原作以上の関係

    獠と香ちゃんが好きなかほるさんには「ほら、目を閉じて」で始まり、「ここが私の帰る場所」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字)以内でお願いします。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/801664

    だって、好きなんだもん(*´艸`*)
    しょうがないよね😂😂
    「ほら、目ぇ閉じろよ」
     いくらキスをするときは目を閉じるのが礼儀でも、それはできない。真っ昼間の明るい獠の部屋で、なぜか獠に押し倒されているあたしは、獠を睨みつけていた。今、この状況で目を閉じてしまったら、それは同意として取られてしまうに違いない。それだけは嫌だ。まだ、昼から伝言板を見に行かなきゃいけないし、ビラ配りもしたい。あんたとここでもっこりが始まっちゃったら、それが全部できなくなる。
    「つまんねぇ意地張ってると、襲っちまうぞ?」
    「最初からそのつもりのくせに!」
     両手で押し退けたって、獠の身体はびくともしない。首筋にキスをされたら、力が入らなくなる。
     どうしてこの男は、いつもこうなんだろう。そんなに心配しなくても、あたしはもう、他に行く場所なんてないのに。あたしが愛しているのは、獠だけ。毎夜毎夜、そう言ってるじゃない。あたしはずっと、獠のそばにいる。夜になれば、あたしは必ずここへ帰ってくるわ。だって、ここがあたしの帰る場所だもん。

       了 434

    かほる(輝海)

    DONEシティーハンター
    冴羽獠×槇村香
    原作レベルでも原作以上でも。

    例のマフラーについての捏造話。
    『……これ、お前にやるよ』
     遡ること数週間前、あたしはリビングで突然、獠に紙袋を押し付けられた。中を覗くと、黄色いマフラーが入っていた。これってまさか、獠からのプレゼント……? でも、その日はあたしの誕生日でもなければ、クリスマスでもなかった。
    『どうしたの、これ……』
    『キャバレーの福引で当たったんだ。どうせ俺は使わねぇしな。気に入らないなら捨ててくれ』
     獠はそう言い残して、リビングを出ていった。

     あたしのために選んでくれたわけでもなく、邪魔なものを押し付けられただけ。ほんの数十秒前までは、喜びで満ちていたあたしの心が、急激に冷えていった。それでも、獠がくれたものだし、捨てるのも忍びなく……。なんだかんだ言って、獠があたしへ初めてくれたプレゼントでもあったし、あたしはそのマフラーを大切に使うことにした。

     しばらくして、あたしはそのマフラーを身に着け、キャバレーへツケを払いに行った。ママへ直接マフラーのお礼を伝えたら、怪訝な顔をされた。
    『そんな福引、うちの店ではやってないわよ。よその店の間違いじゃない……?』
     いや、聞き間違いは無いはずで、獠は確かにここの店だと言ってい 1560