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    かがり

    @aiirokagari の絵文置き場
    司レオがメイン

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    かがり

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    ぷらいべったー引っ越し(2019.10.18)
    司くんソロ曲与太話(とてもみじかい)。
    2人ともKnightsなので本番ではちゃんと騎士になる。

    (2023.6.25再録集発行に伴い微修正)

    #司レオ
    ministerOfJustice,Leo.
    #小説
    novel

    with my…… : 司レオ【Knightsのスタジオ・ソロ曲の歌詞を各々作詞しながら】

     スタジオの炬燵の上には、それぞれの歌詞の草案が何枚も重なっていて、普段のレオをとやかく言えないような状態だ。互いに持ち寄ったソロ楽曲用の歌詞を確認し、かつ意見を交換する……つまるところ、それぞれが考えてきた歌詞の読み合わせをすることが、本日のユニットとしての活動内容だった。

    「かさくんさあ……」

     泉の手元――B罫のルーズリーフには、整った文字が整然と並んでいる。
     それは、司自身が作詞した、彼のソロ曲となる楽曲の歌詞だった。

    「はい、瀬名先輩、何か問題がありましたか?」
    「問題、っていうか……」

     自覚がないだけなのか、はたまた泉自身の考えすぎなのか。きょとりとした丸い瞳に、どう伝えようか考えあぐねていると、目の端から勢いよくオレンジ色が飛び込んできた。

    「どうしたどうした、歯切れ悪いなセナ! スオ〜って作詞初めてなんだろ? おれはけっこういい感じだと思うけどっ?」

     歌詞を読んでは『霊感』を刺激され、しばらく作曲をしてはまた歌詞を読み……という忙しない往還を繰り返しているレオは、どうやら今は読む方に徹しているらしい。「よちよちよくできましたね〜」なんて絡んでは、「子ども扱いはやめて下さいと言っているでしょう!」と怒られる。目の前で繰り広げられる、そんな普段のやり取りを横目で眺めながら。

    「……いや、別に良いんだけどさぁ、あんたらがそんな感じなら」





    【レコーディング現場・泉の収録直後】

     朱桜司は立ち尽くしていた。
     収録を終え、スタジオを一歩出た泉は、廊下のど真ん中でそんな光景に遭遇した。
     どこかぼんやりとした様子でぽつんと立っている後輩は、普段は背筋を伸ばしてきびきびと動いているためか、別人のようにすら見える。
     あっ。
     そんな小さな声を上げて、ようやく司はこちらに気付いたようだった。

    「お疲れさまでした、瀬名先輩」
    「なに? 随分と殊勝じゃん」

     どこか取り繕うような雰囲気を感じつつも、そんな態度を取られれば少しばかり気分が良い。

    「そう言えば、そっちは普段よりちょっと時間かかってたんじゃない? まあ、ソロ初めてだし仕方ないけど、何かあったの?」

     純粋に、気がかりなことがあるのならばアドバイスでも、と思っての問いかけだった。しかし、ぎくりと音が聞こえるようなぎこちなさで硬直する姿を見て、泉は意識的に鋭く目を細めた。

    「……かさくん?」

     詰問モード、とでも言うべき彼の変貌に、司の肩は反射的に跳ねる。

    「あっ、いえ、えーーーと、その」

     話しますちゃんと話しますから、と頬に伸ばされた指を避けながら彼が言うことには。

    「作ったときは必死で、考えてもみなかったんですが、その、なんだか、ちゃんと歌うと、Leaderに向けた歌詞になってしまっている、ように、思えて……」

     鮮やかな髪にも負けない真っ赤な頬を見て、泉は呆然と呟くしかなかった。

    「えっ、今? 今なの」





    【ライブ会場: リハーサル直後】

     月永レオは立ち尽くしていた。
     作曲をすることもなく、『霊感』を求めて徘徊することもなく。
     それだけでもなかなかの異常事態だというのに、ステージを見上げて一人ぽつんと立つ彼の頬は、すでにライブの熱狂の中にいるような鮮やかな色をまとっている。

    「どうしたの『王さま』、体調悪いならスタッフに……」
    「あっいや! 違うちがう! 違うんだセナ!」

     レオはバッと両腕を勢いよく突き出したかと思うと、赤い顔のままじたばたと腕を振った。

    「違うんだけど! 違うんだけど……!」

     そのまま覚束ない言葉を続けることには。

    「その、なんか……ライブに向けてしごいてる時はぜんぜん気にならなかったんだけど」

     瞬間、泉の頭に、しばらく前に見た後輩の姿が鮮明に思い起こされた。

    「リハでちゃんとスオ〜の歌聞いたら、なんか、なんか……おれに向けた歌みたいな気がして……?」
    「もーーーっ、だから言ったじゃぁん‼」



    【終】










    自信満々にレオくんに跪きながらWMH歌う司くんを見てみたい気持ちもあります。
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    かがり

    DONE(2025.6.23)
    ラブコレクター・ミニトーク「射止める心」より
    弓道部モブ後輩視点(モブ→司くんは心を寄せているけど恋愛感情ではない)
    司くんが弓道部部長だと捏造しています
    弓道関連用語については薄目で見てください
    正射必中!:司レオ「……朱桜先輩! お疲れ様です!」

     一礼して敷居を跨いだ弓道場で、真っ赤な髪色の人影を見つけた瞬間、反射的に弾んだ声が出た。
     私立夢ノ咲学院の中でも独特の雰囲気を持つ弓道場は、校舎の端に位置しているせいか、その場に相応しい静けさが支配している。思いのほか反響してしまった声を咎めることもなく、その人物は鷹揚に振り返った。スローモーションのように癖のない髪が揺れる。
     ぴしりと背筋を伸ばし、いつも保たれている綺麗な姿勢は弓道着姿がこの上なく似合う。そうして、夢ノ咲学院弓道部の部長たる朱桜司先輩は、悠然と微笑んでこちらに視線を向けた。

    「はい、精が出ますね」

     部で指定している活動日ながら、朱桜先輩以外の人影は見えない。校内ライブが近いから、きっとレッスンを優先している人が多いのだろう。元よりアイドル活動以外にはそれほど力を入れていない校風だし、弓道部も例外でなくそういった雰囲気を持つ部活だ。
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    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。七夕を楽しむ二人と、夏の風物詩たちを詰め込んだお話です。神頼みができない人にも人事を超えた願いがあるのは良いですね。
    >前作:昔の話
    https://poipiku.com/271957/11735878.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    星渡 折からの長雨は梅雨を経て、尚も止まぬようであった。蒸し暑さが冷えて一安心、と思ったが、いよいよ寒いと慌てて質屋に冬布団を取り戻そうと人が押しかけたほどである。さては今年は凶作になりはすまいか、と一部が心配したのも無理からぬことだろう。てるてる坊主をいくつも吊るして、さながら大獄後のようだと背筋が凍るような狂歌が高札に掲げられたのは人心の荒廃を憂えずにはいられない。
     しかし夏至を越え、流石に日が伸びた後はいくらか空も笑顔を見せるようになった。夜が必ず明けるように、悩み苦しみというのはいつしか晴れるものだ。人の心はうつろいやすく、お役御免となったてるてる坊主を片付け、軒先に笹飾りを並べるなどする。揺らめく色とりどりの短冊に目を引かれ、福沢諭吉はついこの前までは同じ場所に菖蒲を飾っていたことを思い出した。つくづく時間が経つ早さは増水時の川の流れとは比べるまでもなく早い。寧ろ、歳を重ねるごとに勢いを増しているかのように感じられる。
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