当主×高専♀ 7「オマエ今日どうした?」
「え?」と夏油が顔を横に向けるが、視界に映るのは真白い袴と履物だけだ。
夏油は久しぶりに五条に呼ばれ、また体術の稽古をつけてもらい、何度目かわからないが、地面に転がされたところだった。
「何か私、変なところある?」
夏油が尋ねると五条は、
「なんつーか…うーん……」
後頭部を掻きながら口ごもった。
そのまま問いには応えず五条は、夏油に尋ね返した。
「何かあったのか?」
「何かって、何が?」
なかなか要領を得ないやり取りが続く。
「高専とかで、何かあったのか?」
「別に何も無いけど…」
まるで父親が娘に「学校はどうだ?」と聞いているみたいだ。
夏油がそう考えていると、五条がムスッとした。
「なにニヤニヤしてんだよ」
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