整備士🏛とレーサー⛅️の青春譚 青い空、輝く太陽。その下で行われるカーレース。風を切るマシンのエンジン音、ヒートアップする実況、黄色い歓声……そして、サーキット内で舞い上がった風に乗り鼻の奥を擽るオイルのニオイ。ここが僕の居場所だった。
「カーヴェ!君、また専属契約自分から打ち切ったんだって?!」
「……耳に入るのが早いな」
幼馴染のティナリが怒鳴りながら僕の工場にやって来た。正直、今の僕にその話題は耳が痛いのだが彼は僕を心配して言ってきてくれているのだから邪険には出来ない。
「このままじゃ君、本当ーに!一文無しになっちゃうよ?!」
「……わかっているッ!でも、僕はこの仕事に誇りを持っているんだ!僕のポリシーに反する輩とは一緒にバディを組む事は出来ない!」
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