オトナの特権「うわ、悠仁マジで赤ちゃんになってるじゃーん!」
ピンク色の髪をした赤ちゃんが七海に抱かれていた。
「硝子には見せたの?」
「それが今ほかの術師の治療中のようで。かなりの大怪我で、しばらく手が空かないそうです。」
目の前でくるくる指を動かすと赤ちゃん悠仁はくりくりの目で追いかけて、指を掴もうと腕を伸ばしてくる。あと少しで捕まるというところで小さな手からすり抜けると、大きな目がうるうるし始めた。
「赤ちゃん相手になにしてるんですか。」
七海はぐずりはじめてしまった悠仁を宥めながら横抱きにしていたのを縦抱きに抱えなおすと、背中をトントンたたきながら左右にゆっくり体ごと揺らしている。
「よしよし、泣かないで。五条さんが大人気ないからムカついちゃったんですよね。よくわかります。虎杖くんは悪くないんですよ。」
2015