似て非なるもの/臣大内「にひゃぁぁぁ…可愛いっっ」
資料採取報告書などまとめているはずだが
「可愛い…?」
似つかわしくない言葉だが
大内は死体と会話をする
採取の資料に見とれているのか…全く
「報告書はまとまりそうか?」
「あっ…は、ぃ…です、ます」
そうかといい大内の手元をみる
「クリアファイル?を見ていたのか」
「ぇ、……ハッぁ……これ、は…まぁで…す」
可愛いとは
「可愛い…か」
「かっ…にひゃぁぁっっ!!そーなんです!可愛いでしょっっわかりますかっ!」
急に早口でまくし立てる
「聞いたんだお前に」
「あっ!……くま、この子はシンくまちゃんって言って」
「しっ!?……しん、く、まちゃ…ん……」
大内の説明が続く
「シンはシンギングのシンでいつも唇を尖らせてるんです……で音符が出てる時は口笛吹いててですね」
「うむ…」
「とってもご機嫌がよい時に音符でるんです」
「……」
「シンくまちゃん…煙草吸ってる時の臣さんに似て、……ハッ!?ぃぇ今のはナシで…ポショポショ」
ファイルで軽く頭を叩いた
「俺はそんなにご機嫌そうか」
苦虫を噛み潰したような顔をしてみせる
「ぃえ、あの…あっシンくまちゃんがです!!」
「ぷっ!……フハハハハハッ」
「臣さん?」
「仕事中は可愛いなんてあまり口にするな」
「気をつけます」
「他の奴に見せたくはないからな」
と、もう一度ファイルでポンッと叩いた