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    梨那★

    @aroma9lapis

    blst★シンさんと大牙くん多め…原典絵ちまちま描いてます❄雪花の吉良派で狂いました(´;ω;`)ウッ…

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    梨那★

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    [それでも好きとは言わねぇんすね/シン大✽1]
    シン誕生日後「ご褒美たい焼き」の後日談です

    #ブラスタ
    Blackstar
    #大牙
    bigTeeth
    #マイカ
    mica
    #メノウ
    agate
    #シン大
    universityOfShin.

    それでも好きとは言わねぇんすね/シン大+メノ✽1 エントランス、ロビー、フロア、舞台にホール。掃除当番を任されてるところは勿論今日は任されてないところまでもが頭を巡った。何故なら俺を疑い不審な目でマイカが見てるから。ソムリエエプロンを着けてこうも疑いの目で見られると反射的にサボってる気持ちになってくるのが不思議だ。

    「なんすか?サボってはねぇすよ、アンタさんと一緒なんすからあからさまにサボれねぇすわ」

     あからさまにとそこは潔白でもない事を言っておく。隙あらばと言う気持ちが無くもないからだ。しかし、顔を見るなり失礼だとは思うがマイカの事だ理由は必ずある。あってくれても困るが。
    「お前メノウになに飲ませたんだよ」

    ✽✽✽

     とある早番の日。その日の掃除当番はメノウと一緒だったが休憩所で横たわる彼は起きる気配がなかった。常習犯同士ではあるが誰かに押し付けるだとか居なくなるといったメノウのようなことは一度もない。手を抜くとかペナルティでの掃除を任されるパターンの自分とは理由が異なる常習犯だ。
    「あーあー気持ち良さげに寝てますなぁ」
     叩き起こすとか引っ張って連れて行くなんて暴力行為を毎度目にはするが自分が出来るかと言えば。抵抗しない相手にそれは出来ない性分だ。
    「とりあえず」
     仕事前の日課。1日はこれが無くちゃ始まらない。
    「珈琲を淹れてくるか」
    「大牙…僕のも」
     ナニ?起きてたのかよ。つか狸寝入りって噂も耳にしたことはあったがマジか。スクッと立ち上がっては厨房に向かう俺の後ろにピタリとメノウはくっついて来た。しかし狸寝入りなんだと皆は言うし演技と思うことは容易いがなんだかそう思ってしまうのも心が歪んでるのではと正直思う。この姿を見て素直に寝ていたのだと思いたい。厨房に入ってドリップの用意を手早くしながらメノウを見ると見事に襟足の部分が外巻きに跳ねている。
    「寝癖ついてやすよ」
     気付いてしまったからには一旦道具を調理台に置くしかない。寝癖を直してやろうだなんて軽い気持ちだったが思いの外メノウの癖は素直だった。こうしてると自分は年上で高くない身長もメノウと比べればちょっぴりだけど高いことに気付かされる。
    「そーゆー大牙も寝癖、ついてるよ」
     もう慣れてるわ、その言葉には。素直なメノウの寝癖にほんのり嫉妬しながら言葉を返した。
    「寝癖じゃねぇすわ、これは天然すわ」
     長く垂れた前髪の端をメノウがくるくると指に絡めて遊んでいる。
    「ははははっ」
     なんかメノウってホントメノウで無邪気だよなと思う。
    「笑うところじゃねぇし」
     こんな言われても、やっぱり寝ていたのだとは思いたいのよ。俺もまあ捻くれ者だよな、こーゆーとこな。
    「笑わないから眠気覚ましの一杯お願いしまぁーす」
     そう言われちゃあ仕方がない。それに願ったり叶ったりのお願いだしな。

    ✽✽✽

    「で珈琲飲ませたんだね、缶じゃないヤツ」
     缶じゃないヤツに引っかかったけど缶コーヒーだって立派なコーヒーだし手っ取り早い相棒ではある。
    「缶じゃないヤツ…そーすよメノウに飲ませたやしたけど?缶じゃないヤツ」
     にーさんの仁王立ちは見慣れてる、ドヤされるの確定フラグ。しかし、メノウに珈琲ご馳走したのは確かだが別にとっておきでも特別に用意したわけじゃない偶然の産物だった。一仕事を迎える前の朝の日課、モーニングコーヒーを淹れようとしたらメノウが床に転がっていただけの話。
    「困るんだよね勝手なことされちゃあ」
     仁王立ちしたままなら兎も角マイカの拳が飛んできやしないかと腕ばかりに目がいく。聞いた話だと打ちっぱなしの壁がヘコんだだとか相手の歯を折っただとかフィクションにしては詳細すぎるからノンフィクションだと思わざるを得ない。
    「ゔーん言われ損だわ、床に落ちてたポンコツが目覚めて真っ当にシフト入れたのってその珈琲のお陰すよ」
     マイカの片眉が上がって口元が歪む。ポンコツのままでいられたらメノウの分まで俺が掃除をまともにしないといけなくなってた。そんな器用さ持ち合わせてはいないし隅々まで掃除が行き届かない場合に一番納得いかないのはマイカだっただろうに。
    「悪かったよ…その一方的に言って。でもねあの日を境にシフトには入ってくれてるんだけどアレ真っ当とは言えないんだよね」
    「ちょっ、ちょっ!!マイ…」
     引き下がるどころかマイカは俺の二の腕を掻っ攫ってついて来いと言う。この腕力ならやはりあの噂はノンフィクションなのだろうと確信した。
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