一生を祝わせて 結局、会うことができたのは12月の末だった。
高校時代は毎日の事のように会っていて、グレていたときなんて親の顔より見たと思ったのに、まったく社会人というのは多忙な生き物だ。その多忙な合間を縫って、三井の応援に駆けつけ、変わらずあの旗を持ち上げているのだから嬉しいやら心配やら、気恥ずかしいやらである。
「よ、徳男」
「三ッちゃん!」
だから会うのは決して久しぶりというわけではない。けれど、こうしてサシで飲むのはしばらく振りだった。
先についていた堀田に習って座敷に乗り上げると、目の前の親友がわかりやすくソワソワとしだしたのがわかる。まあまあ、落ち着けよ徳男。今日はお前にとっても特別な日にしてやるからさ。
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