タイムスリップ乳首品評会 沢北はそもそも部屋で先輩方に話をするつもりであった。しかし、深津の一言により風呂場に移動することになってしまった。
寮の入浴時間は、三年から先に入り、学年順に時間が定められており、一年の入浴時間後は少しの間解放されていて、その後清掃当番が清掃に入る。元々この日は遅くまで部活をしていた様で、今は丁度解放時間であった。
「深津さん達と風呂だなんて、最後の合宿以来かな」
更衣室でTシャツを脱ぎながら、沢北がふと呟く。隣でジャージパンツを脱いでいた松本が、こちらに顔を向け反応した。
「この前の合宿以降でも、たまにこういう事あっただろ?」
松本の方に顔を向けると、松本は何かあったのかとやはり心配している様で、感情が顔に出ている。あぁ、松本さんってこういう時、割と本気で心配するタイプの人だよな。ほんと優しい人。
そのやり取りを聞いていた一之倉が、松本の隣奥からひょこっと顔を覗かせる。
「なんか変な沢北。あ、いつもの事か」
「酷くない?というか、イチノさん当たりきつくないですか?」
くすくす笑う一之倉に、沢北はつられて笑う。あの頃は特に何とも思っていなかった、たわいもない会話。今はそれさえ心地よかった。
「早くするピョン」
先に全裸になり、薄くて長い、粗品で貰うような縦長のタオルを何故か胸元に当てている深津が、三人を急かす。
「なんで胸元隠してんの?深津さん」
続いて全裸になった沢北が、笑いながら深津に近づく。深津はだめだめ、事務所通してくださいピョンとかなんとか言いながら、そのまま風呂場に向かった。事務所通してくださいって……この感じもなんか久しぶり。ほんと面白いなこの人。
風呂場の引き戸を開けると、湯気が目の前を包み込む。湯気の霧が晴れると懐かしい大浴場が目に入ってくる。あぁ懐かしいな、掃除当番の時洗うの地味に大変だったよなぁ、コレ。
沢北は洗い場に向かい、椅子に座った。スタンダードな石鹸の香り、あまり香料のついていないシャンプー。香りとともに、学生時代の様々な記憶が蘇ってくるようだった。
全身洗い終えて湯船の方向を向くと、タオルを外して掛け湯をし、湯船に浸かろうとする深津の、ある部分が目に入った。
「え……」
沢北の立つ位置からすこし距離があるが、それでも分かる。鮮やかに、そして柔っこそうなそれに。
「沢北、どうした突っ立って……やっぱりなんか」
そう言いかけた松本の声は、沢北の耳にはあまり入っていないようだった。松本が沢北の目線を辿ると深津にたどり着く。沢北は深津にゆらゆらと近づいていった。
「深っさんのこんなピンクだったっけ!?」
沢北の大きな声が大浴場に響く。身体についた泡を備え付けのシャワーで洗い流そうとした一之倉が、声に驚きビクッと身体を震わせ、振り返った。
「うるっさ!何が」
「深っさんの、ち、乳首めっちゃピンク色じゃん……!え、こんな色してかな」
なんの話だよ、とツボに入った一之倉がケラケラ笑う。それに対して松本は、そんなこと言うもんじゃない、と何故か顔を赤くして戸惑っている。そして当の本人は、お構い無しといった感じで湯船に入って行った。
沢北は追いかけるように、湯船に浸かりに行く。その様子を見ていた一之倉は、沢北が浸かる前にきちんと掛け湯をした事に、少し驚いた。
沢北はというと、深津の乳首の予想外の鮮やかさに、本題など頭からすっかり飛んでしまっていた。脳内が胸の果実のことで埋め尽くされていく。
「深っさんの乳首こんなピンクだったかな、すっごいね」
「さっきから乳首乳首うるさいピョン」
近づいてじっと見る沢北に、深津は怪訝そうな顔をする。
深津の乳輪は、綺麗な少し濃いめの、桜の花弁のような色をしていた。それでいて、本来突起がある部分が少し内側に陥没している。お湯に濡れて、ぷるっとしているように見えた。
「ちょっと並んで、松本さん」
沢北は、湯船に浸かりにきた松本の腕を引っ張って、深津の隣に松本を座らせる。
「なるほど、松本さんのは深津さんのより、ちょっと大きくて色が濃いんスね」
顎に指を添え、じっくり観察するような目付きの沢北に、松本は恥ずかしくて居ても立っても居られなくなって、そっぽを向いた。
セクハラピョン、と唇を尖らせて不貞腐れる深津の声に、湯船に浸かりに来た一之倉が、そうだそうだと同調する。この状況が、なんだか余計に面白くて調子に乗った沢北は、今度は一之倉の胸元に目をやった。
「イチノさんは……小ぶりでなんかツンってしてて可愛いですね」
「ちょっ」
一之倉はバッと両手でガードする。まるで手ブラをしているかの様な、そんなポーズになっていた。湯に浸かっているからなのか、はたまた羞恥からなのか、一之倉の耳先がじわっと紅く染まっていく。
こんな風にじっくり先輩の胸元を見る機会なんて無かったから、この状況は正直言って面白かった。深津さんの乳首、出てきたらどんな感じなんだろう。どうせ夢の中な気もするし、多少無茶な事をしてもアリだよな……?沢北はそんな都合の良い解釈をして、ワクワクする気持ちを抑えようとはしなかった。
「まずは、深っさんからね」
そう言って沢北は悪戯っぽく笑い、手を伸ばした。深津の左胸の陥没した割れ目に触れる。ビクッと反応する深津の様子を見ながら、親指の腹でくりくりとこじ開けようと試みる。
「んっ、やめろピョンッ」
深津は止めろと言いつつも、本気で嫌がっている感じでは無さそうだ。本気で嫌だったら手が出るし、何せすっごい真顔になって目が怖くなるはずだから。
深津の右手で口元を押さえて声を押し殺す。松本はその様子が気になるようで、目を時々逸らしながらもチラチラ見ている。松本の左隣に座る一之倉は、驚きと気恥ずかしさが混じった表情で、しかし目が離せないようでじっと見ていた。
風呂場には、なんとも言えない空気が漂う。そんな中、親指の腹で押すのみでは出てこない深津の胸の先っぽに対して、どうしても出したくなった沢北は、深津に更に近づいて左胸に口を寄せた。
「沢北何してるピョッ」
深津が言い終わる前に沢北は、ジュッと音を立てて吸う。深津はビクンと揺れ、沢北がそっと口を離すと、深津の左胸の突起がぴょこっと顔を出していた。乳輪は右に比べて紅く染まっている。
「わ、先っぽ出てきた、かわいい~♡」
「ーーッ!」
さすがの深津も、沢北の行動に驚きを隠せない。そんな深津の表情を見て楽しくなってきた沢北は、今度は右胸を人差し指でピンッと弾く。
「んっ、ばか」
窘めるような、でもなんだか少し展開を期待しているような、そんな反応をする深津。深津さん何その反応、かわいいな。
左だけ出てるのは不格好だと、今度は右胸に口を寄せる。ジュッと吸うとより先程より一層ビクリと深津の身体が揺れた。口を離して見ると、右胸の突起は半分しか出ていない。
「あれ、こっちの方が出にくいっすね」
親指と人差し指で周りを挟んで、むにむにと動かす。
「もういいピョン、さわきたっ」
思わず身をよじる深津をよそに、沢北はぐっと指先に力を込める。力を込めたことで、残りの突起部分がピンッと顔を出した。深津は松本の居る方と反対側に身体を傾け丸まる。首元が一段と紅くなっている気がした。
両方の突起が出たことに満足した沢北は、次は松本の方に顔を向ける。松本は、後輩の手によって感じてる友人を見ていて、恥ずかしくなんとも言えない表情になっていた。
「次は松本さんの番ッスよ」
「お、俺はいい!そんな……っ」
頬を赤らめながら否定する松本の胸元は、ノーガードになっていた。沢北は少し横にずれて、松本の正面に座る。両手で松本の脇下を掴み、そっと親指の腹を当て、上下に動かし転がした。
「っ……くすぐったいからやめろよっ」
ぱしゃりと水音が空間に響き渡る。どうやら深津より松本はそういう感度は低めなのかもしれない。
「ならこれはどうっスか!」
そう言って沢北は、松本の両方の胸の突起をつまんだ。初めはゆっくりと、そして徐々にスピードを上げて、くりくりとツマミを回すようにこねる。ピクリと跳ねた松本の反応に手応えを感じ、間にカリカリと爪を立てる。
「ぐっ……ん」
「松本さーん?」
パッと沢北が手を離すと、自分もまた感じてしまった恥ずかしさで、松本は右手で顔を覆った。
さて、残るは一之倉だけとなった。俺しか残ってないのか、と一之倉はちらりと横目で二人を見る。己の我慢力を発揮する時が来たようだ。
「最後はイチノさんですね……」
沢北は横にずれて正面に座る。どうしようか、と少し考えた沢北は、一之倉の肩を持ってくるっと回そうとする。だが、ぐっと力を込めた一之倉は不動だった。
「イチノさーん、回ってください」
「やだ」
一之倉に否定され、背面に回り込むのを断念した沢北は、一之倉の両胸をぐっと寄せる。口を右胸に寄せて、ぺろりと舐める。
「良くそんなことできるな……っ」
思ったよりも感度が良かったようで、一之倉の少し息が漏れる。沢北はこの変化を逃さなかった。チロチロと舌先で、ツンと上向きな小ぶりの突起を丁寧に撫でていく。合間にちゅっと軽く吸いながら、舌を上下に動かしたり、回すように動かしたりして変化をつけていった。
しばらくして、そっと口を離す。ふーっと息を吹きかけると、耳先が完全に真っ赤になった一之倉が、堪えるように目を細めた。
力が抜け、少しトロンとした三人を見て、沢北は満足そうに舌なめずりをする。
「さあ先輩方、これからッスよ」
この状況を存分に楽しむ事にした沢北は、三人まとめてクレバーに抱いた。