消されても尚、夢に見る ふと、思い浮かぶ光景がある。なんだっけ…疲れて眠くて床に転がっている俺を抱き上げて運んでくれる力強い腕。暖かい温もり、きっとあれはー。
「…!…ゆっ!…穹!!」
はっと脳が覚醒する。丹恒となのが心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
「アンタ、最近ぼーっとしてない?大丈夫?」
寝れてないの?となのが聞いてくる。人工呼吸でもしてもらう?
「いや、ちゃんと寝てるんだけど。何だか夢見が良くないみたいで」
それは大丈夫。と断りながら穹は苦笑する。
今は3人でパムが作ってくれた朝食を囲んでいた。サンドイッチには、ベーコン、卵、レタス、トマトが挟まっている。美味しい。
「夢見が悪い?」
なのがコップに飲み物を注いで渡してくれる。
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