UFOの日「零くん、今日は何の日か知っているか」
「ん〜?」
数秒間、考えた。わからない。組織壊滅記念日? 赤井の誕生日? 同居記念日? 犯罪史上忘れてはならない大事件が起こった日? どれも違う。窓の外をワクワクして眺めていた赤井は、笑って僕に向き直った。
「そう難しく考えないでくれないか」
「……もしかして初めて、」
抱いた日。それに違いない! こいつ何てかわいいんだっと抱きしめようとしたら、おとなしく腕に収まりながら「違う」と言った。
「あれは日付が変わっていたから、記念日としては明日なんだよ」
「……じゃあ、何だよ」
鼻がくっつくくらいの距離で、幸せそうに笑ってる。赤井、こんな顔できるようになったんだ。
「UFOの日だ」
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