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    飛鳥(Gemini 10)

    @asuka11289

    安赤ハピエン小説。関係性が好き。

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    飛鳥(Gemini 10)

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    6月24日「UFOの日」に合わせて書きました。高層階で同居中の安赤が、超常現象に遭遇します。

    ##安赤
    ##AMAK

    UFOの日「零くん、今日は何の日か知っているか」
    「ん〜?」
     数秒間、考えた。わからない。組織壊滅記念日? 赤井の誕生日? 同居記念日? 犯罪史上忘れてはならない大事件が起こった日? どれも違う。窓の外をワクワクして眺めていた赤井は、笑って僕に向き直った。
    「そう難しく考えないでくれないか」
    「……もしかして初めて、」
     抱いた日。それに違いない! こいつ何てかわいいんだっと抱きしめようとしたら、おとなしく腕に収まりながら「違う」と言った。
    「あれは日付が変わっていたから、記念日としては明日なんだよ」
    「……じゃあ、何だよ」
     鼻がくっつくくらいの距離で、幸せそうに笑ってる。赤井、こんな顔できるようになったんだ。
    「UFOの日だ」
    「へっ」
    「1947年のこの日、ステイツで空飛ぶ円盤が目撃された」
    「それで外を?」
    「ああ」
     時差もあるし、まだ昼間なのに。
    「ひょっとして、部屋を選ぶ時ここにしたのは……」
    「空が一番近いと思ったからだ。……零くん?」
     僕は赤井の肩に頭を埋めて笑った。
    「ハハッ……あー、もう。かわいいなあ」
     UFOを見たいから、見られるかもしれないから。それで部屋を決める赤井秀一なんて、かわいいと言うしかないだろう。ぐしゃぐしゃと髪をかき回すと、僕のも同じようにしてきた。平日の昼間から、何やってるんだろう。でもいいよな、こういう時間があったって。平和を手に入れたんだから。
    「君が賛成した理由もなかなかだったぞ」
    「何だっけ?」
     次に来る言葉を予想して、かぷっと首筋にかみついた。
    「『防音がしっかりしている』」
    「誰のためだと?」
    「……このまま、日付をまたいで祝杯をあげるか?」
    「どうしようかなあ。UFO見逃したらかわいそうだし……」
     口だけだ。途中でやめるつもりはない。行為を続け、レースのカーテンの隙間から外を覗かせた。

     二人とも時を忘れた頃、それは起こった。
    「「あ」」
     一番星の近くを、スーッと何かが通った。見えなくなるかと思ったら、宙返りなんかして、ジグザグ運転もしてから……パッと消えた。
    「あかい、今のって……」
    「ああ……紛れもなく」
    「「UFOだ」」
    「あ、写真っ」
     消えてしまったけど、残像くらいは……怪光線か何かが、写るかもしれない!
    「いいさ。君と見られた、それで俺は満足しているよ」
    「でも」
    「大丈夫だよ、ありがとう。まるで俺たちを祝福してくれているようだったな」
    「うん……」
     僕たちに見てほしくて、ダンスをしているようでもあった。
    「あ……まさか、見られた!?」
     普段はそんな心配いらないのに、宇宙から来た生命体に覗かれるなんてっ!
    「落ち着くんだ。奴が消えているうちに、二人の時間を満喫しようじゃないか」
    「お前がそんなに落ち着いていられるわけがわからない……」
     僕はぼやきながら行為を再開した。
     大好きな人といると、不思議なことが起きるものなのかもしれない。

















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