夢じゃないよ「よし、宮城。宣言しとくわ」
面と向かって声高に、でも、オレだけに注ぐみたいに三井サンは言った。
「お前はきょう、オレの恋人になりたいと言う!」
「はぁ、きょうもいい天気ですねぇ」
現実逃避は上手くいかなかった。
※
激動のインターハイ後、より一層やる気になって練習を開始した新生湘北バスケ部。闘志みなぎる部員たちを前に、鬼キャプ運営を心に決めたオレは精一杯のハッタリをかましつつ日々を過ごす。夏休みなんてオレらにはあってないようなもの、というか、絶好の練習チャンス。
内心あぷあぷしつつ懸命にキャプテン業に勤しむオレと、それを横からやいのやいの言いつつ助けてくれる三井サン。ありがたい助言なのは分かってるけど、なんとなくまだ素直に言うことを聞けないでいる。
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