脱衣麻雀で服を脱がされている狛枝か日向「さあ、日向くん、脱いで?」
くそ、なんでこんなことになったんだ?
最初はうまくいったはずのに…...
事の始まりは、狛枝って奴が当たった麻雀セットを手に入れたことからだ。届いたのは麻雀の本体だけでなく、すべての必需品が揃っている。付属のテーブルと椅子は一般的に使う分には問題ないけど、社員寮の狭い個室には明らかに不適切なサイズだ。
「エンタメルームに寄付する前に、一戦しない?日向くん、ボクと勝負してくれるよね?」
一緒に開封している日向に、狛枝はにこやかに誘う。
「どうせ、絶対おまえの勝つだろう。」
勝敗はもう決まってると思うので、日向は興味なしの様子で答える。
「日向くん、君はまだ幸運の才能残ってるって言ってたよね? ちょうど試す機会じゃない。そうだな、ただの麻雀じゃつまらないから、負けたら脱ぐ......どう?」
自分のネクタイを軽く引きながら、狛枝は楽しげに笑顔を浮かべる。
「はぁ……」
相手がどうしてこの追加ルールで自分が納得すると考えたのか全く理解できなかった日向は、大きくため息をついた。
「ねえ、日向くん?」
今日は平日だから、二人とも同じようにシャツを着ている。狛枝はまずネクタイを外し、家にいるためベルトはすでに外しており、残ったのはシャツとズボンだけだった。
「……わかったよ。」
自分の方が多く服を着ていることを確認し、理論的に自分が有利だとわかると、日向は仕方なく承諾した。
決して狛枝がネクタイを外している姿が少し色っぽくて、ドキッとしまったからじゃないからだ。
最初、日向は何度か連続して勝ち、シャツと靴下を素早く脱いだ狛枝は、すぐにズボン一枚だけになった。
日向が「これで勝てる!」と思っている間に、狛枝は立て続けに逆転し、日向は一枚一枚ゆっくりと服を脱いでいき、ネクタイ、腕時計、ベルトを脱いだ後、最終的にシャツと下着も脱いで、二人ともズボン一枚だけになった。
「これで終わりだな?」
ズボンだけ残ったので、これ以上脱ぐとパンツしか残らない。
狛枝の上半身がずっと裸のままだったと考えると、上着を脱ぐ日向は思わずストップをかけた。
「日向君、何を言ってるんだ?まだ二着残ってるじゃない?」
狛枝はまだ履いているズボンを軽く叩きながら、拒絶を許さない微笑みを浮かべて反問した。
「はあ……」
放銃の点数が少なすぎて、なかなか決着がつかない日向は、未完の牌局を続けるしかなかった。そして、最小の点数でまた振り込んでしまった。
「これでいいだろ?」
立ち上がり、ズボンを脱いだ日向は、不満そうに下着だけを身につけて、狛枝の前に立っていた。
「うんんんんー!まだ終わってないよ!日向君!まだ最後のチャンス残ってるじゃないの?!」
目の前でほぼ裸になった相手を見つめながら、狛枝は口を押さえ、相手が引き下がるような無駄な言葉と唾液を一緒に飲み込み、興奮のままで抗議した。
「はぁ?」
「パンツだよ!日向くん、まだパンツが残ってるじゃない?勝負はまだ決まってないよ!」
日向の体を隠して最後の布を指さしながら、狛枝は興奮気味に説明した。
「変態かお前は!? もうパンツしかないから負けだろ!」
最終防衛まで脱ぐ気はない日向は、不満そうに答える。
「最後まで希望を捨ててはいけないよ!日向くん、君の希望を見せてよ!」
「はぁ、面倒くさいな……さっさと終わらせろ!」
狛枝の面倒くさい希望モードに突入したのは理解していた日向は、仕方なく未完成の勝負を続けた。
「頑張ってね、日向くん。」
日向が素直に座るのを見て、狛枝は微笑みながら相手を応援した。
洗牌、配牌。前とは違うのは、天和の上に、国士無双、日向が始まる前に最後の局が終了した。
「これで満足だろ?」
この無駄な遊びを早く終わらせたいと思っている日向は、負けた後、何の未練もなく、ただ不満を言いながらテーブルの片付けを始めた。
「うん!だから、早く脱いで?」
興奮した狛枝は、日向の身に残っている最後の布を指差して説明した。
「はあ?!」
「最後の一枚。」
日向の驚いた顔に変わらず、狛枝は相手のパンツを指さして再度言い直した。
「もう勝負は決まったんじゃないか?!」
まだ脱ぐ必要があるのか?!もう服を着るべきだろう!
「でも、罰ゲームはまだ終わってないよ。」
狛枝は当たり前のように言う。
だって、彼らは脱衣麻雀をしているんだ、最後には全裸になることが目的だから。
「俺の裸体を見て、何が楽しいんだよ!」
「日向君、往生際が悪いよね?」
狛枝は日向の質問に直接答えず、ニヤリと邪悪に笑って反問する。
「うう……」
「それに、さっきの局で、日向くんの点数がマイナスになったよね? 罰ゲーム追加しないのでいいじゃない?」
点数がマイナスなったら罰ゲームを追加するなんて聞いたことない!
日向はそう抗議したいが、すでに逆転されている現実を認めざるを得なかった。
「さあ、日向くん、脱いで?」
狛枝の言葉に従って、日向はゆっくりと自分の腰へと手を移動させ、体にぴったりとくっついたパンツを引き下ろし、不本意ながら最後の下着を脱ぎ、地面に投げ捨てた後、顔を上げた。
「これで満足……って、狛枝、鼻血出てる。」
まだ言い終わらないうちに、日向は狛枝の異常に気づいて驚き、動きを止めた。
「あ、本当だ。」
鼻血だけではなく、口からは唾液がこぼれ落ちていた。狛枝は赤く染まった手を見て、すぐまた日向の体に視線を移した。
この時、日向は衛生紙を探すために、背を向けてお尻をさらけ出しながら彼に背を向けていた。
前後を一巡した狛枝は、思わず両手を合わせた。
ああ、こんな幸運……
この刺激的な光景を頭に焼き付けようとしたいけど、鼻血が多くなり、意識がぼんやりと暗くなった。
「うん……」
意識が戻った時、狛枝はすぐに目を開けることはせず、ただ自分が横たわっているソファの上にいることを感じた。昏倒する前と同じく、下着一枚だけの状態で。
「起きた? 大丈夫か?」
「日向くん……?」
聞き慣れた声が耳に入ると、狛枝はゆっくりと目を開け、ぼんやりと天井を見上げ、日向の心配そうな顔が見えた。
「お前さっき急に倒れちゃった、ぶつけたところない?」
「大丈夫よ、そんなことより……服……」
視線を下ろすと、日向がすでにシャツを着て、下半身にもちゃんと装備している。狛枝はそれを見て、再び目を閉じ、貴重な絶景を逃した現実に直面したくなかった。
「さっき倒れた後、助けを呼ぶために、全部着た。」
でも助けを呼ぶ前に目が覚めたから、罪木や救急車にはまだ連絡していない、と日向が説明した。それを聞いて、狛枝は安心した。
「ほんの少し見ただけなのに……」
両手で目を覆いながら、狛枝は信じられないように呟いた。日向の肉体を見られる時間があまりにも短かったこともそうだが、自分の不甲斐なさが原因でこの状況になったことが悔しかった。
「早く服を着なよ、風邪ひいちゃう。」
狛枝の後悔の言葉を聞かず、日向は床に散らばった服を拾い上げ、狛枝の体にかけた。
「うん……」
ゆっくりと起き上がり、狛枝は目をぱちぱちと瞬きながら、自分の服の中にそうじゃない布料があることに気づいた。
これは、日向くんのパンツ?
「狛枝?」
「ん! 何でもないよ!」
日向のパンツを背後に隠し、狛枝の顔には不自然なくらいに輝かしい笑顔が浮かんでいた。
幸運すぎる!
「今日は体調が悪いんだろう? 明日でエンタメルームに移動しようか?」
さっき使った麻雀セットを片付けながら、狛枝は服を着ていた。楽しげな様子で日向は困惑しながら尋ねた。
「うん、今日は本当にありがとう、日向くん。」
さっき突然倒れたばかりなのに、今では顔が赤く、体調が悪いとは思えないほど元気そうな狛枝が、日向がさっき負けて脱いだアクセサリーを一つ一つ身につけていくのを嬉しそうに見ていた。
「気にしないで、体を大切にしろう。」
手を振って別れを告げ、狛枝は日向が家に入るのを見届けてから、ようやくさっきずっと無視していた大事な事実に気づいた。
......さっき慌てて服とズボンを適当に着たけど、落ち着いて考えたら、俺のパンツは?