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    sekiner_xx

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    sekiner_xx

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    原稿の息抜きに書いてみた
    (誤字脱字は許してください)

    焦燥と慕情目が覚めたらいつも隣にいるスザクがいなかった。
    おかしい。
    行為の次の日はうざいくらいに絡みついてきて優しくしてくるはずなのに、今日に限っていないのはどうしてだろう。
    もしかして、実家の誰かが急病になった?
    もしかして、突然誰かに呼び出された?
    もしかして、もしかして。
    あれやこれや、あるかもしれない、ないかもしれないことを勝手に想像しては青褪めたりしていると時間が気になった。
    今の時間は何時だ。
    時計を見ると午前十一時。
    行為のあった次の日としては普段通りで、特別遅いというわけではない。
    朝という時間ではないが、まだ昼にはなっていない。
    どうして、どこに行ったんだ。
    いつもだったら体が痛いと文句を言える相手もいなくて、心細くて、肌寒い。
    肌寒いのは単に裸だからだということもあるので、急いでその辺に放っておいた服を着ると、玄関へと向かった。
    スザクの靴はない。
    やはりどこかへ行ったのだ。
    スザクが、俺よりも他の何かを優先した。
    その事実に打ちのめされる。
    心のどこかで、スザクの一番は自分だという思いがあった。
    そんな自信はいとも簡単に崩れ去る。
    スザクは今ここにいないのだ。
    どうしたらいいのかわからず、それでもスザクがいない家にはいたくなくて、慌てて鍵を持ち玄関のドアを開けようとした。
    その時。
    カチャンという鍵を開ける音がしたすぐ後、ドアを開けて入ってきたのはスザクだった。
    「あれ? ルルーシュ、どうしたの? お腹すいた?」
    のほほんとしたトーンでそんなことを言うから、あれ、自分は寝ぼけていたのだろうかと思ってしまう。
    「……スザク? 本物か?」
    「え? 何言ってるの、僕だよ。まだ寝てたほうがいいんじゃないの」
    そんなことを言いながら部屋に入っていくのを、とぼとぼとついていく。
    「……どこに行ってたんだ?」
    行動を詮索するような格好悪いことはしたくなかったのに、ついつい口から言葉が出てしまった。
    「どこだと思う〜?」
    テヘヘといった感じで緊張感のカケラもなく言うから普段の寝起きの三倍は苛ついて声を荒げてしまう。
    「心配したんだぞ! それを、お前は、何もわかっていない!」
    「え……。心配かけちゃったか、それはごめんね」
    しゅんとして謝るスザクに言い過ぎたことを自覚しても今更謝ることもできなかった。
    シーンとした部屋も気まずくリモコンに手を伸ばし適当にテレビをつけると、適当な番組が流れ出す。
    少し冷静になって自分の格好を見ればスザクの服と自分の服をチグハグに着ていて、こんな格好をしていたのでは寝ぼけていたのだと思われても仕方がないなと思った。
    それでも、そのくらい焦っていたのだ。
    そういう焦りを、スザクは全然わかっていない。
    だからスザクが悪いのだ。
    というのは全くの責任転嫁だとわかっているのだけれど、あの焦り、心配からまだ心が復帰できていないのだった。
    「……ごめんね、ルルーシュのこと、喜ばせようと思ったんだけど」
    よく見るとスザクは紙袋を手にしていて、そこから箱を取り出した。
    「これ。すごく可愛いと思ったから。プレゼントしたくてさ」
    じっと見ていると箱から出てきたのはスタバの黒猫マグカップだった。
    「昨日ツイッターで見てたでしょ? 欲しいのかな、と思ったから、急いで買いに行ったんだ。驚かせようと思ったんだけど、心配かけちゃって、ごめんね」
    そうだったのか。
    スザクが、俺を喜ばせようとして。
    それなのに俺はスザクの気持ちなんかこれっぽっちも考えずに、自分勝手に心配して心細くなってこんな八つ当たりをした。
    申し訳なくて今度はこちらがしゅんとしていると、嬉しくないと勘違いしたスザクもしゅんとしてしまうから、慌ててしまう。
    「スザク、すまない。勝手に思い違いをしていた。マグカップ、とても嬉しい。その、ありがとう」
    照れてしまってもごもごと言ってしまったけれど、スザクには伝わったらしい。
    「本当? よかったぁ」
    ホッとした様子のスザクに、こちらもホッとする。
    よかった、スザクを失ったわけではなかった。
    「僕のも買ってきたから、この冬はこのマグカップ使おうね!」
    にっこり笑顔のスザクに、食器棚がお揃いのマグカップだらけだからもう買ってくるなとは言えなかった。
    よかった。
    スザクに捨てられたわけではなかったのだ。
    もうこんな思いはしたくない。
    だからスザクに言っておく。
    「スザク、愛しているよ」
    真っ赤になったスザクが可愛くて、俺は満足してコーヒーを淹れることにした。
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