二人、初め「あけましておめでとうございます!」
「今年もよろしくお願いします」
大晦日、暖かい炬燵の中。
互いの手をギュッと握って、見つめ合いながら年を越した。
最高に幸せな心地のまま、気づいたら零時は過ぎている。
「もうお正月かぁ……あれ、今日見る夢が初夢?」
「いえ、元日からその翌日にかけての睡眠で見る夢が初夢です」
「そっかぁ」
未だ握ったままの手を擦り合わせ、セーター越しの厚い胸板にこてんとおでこを乗せた。
自然と互いの身体に腕を回し、テーブルの上で乾いているおつまみのことを忘れて身を寄せた。
そっと顔を上げ、萌葱色の瞳に映り込む。
「じゃあ、今からぐっすり寝て、二日に目が覚めたらその時に見たのは初夢?」
「それは……どうなのでしょう」
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