進パパを説得(やや力業)する人先生父である進太郎がわざとらしいタメ息を大袈裟に吐く。
「K先生からも言ってやってください。出会いなんぞ無いんじゃからとっとと見合いして身を固めろと」
「………………………は?」
岐路で自然消滅かなと思っている富と遠距離になったと思っている人が無駄なきで再会して収まるところに収まる話
「私はこの先、富永研恵以外の女性を愛することはありません。………お嬢さんを私以外と結婚させると仰るのなら、Kの系譜が一つ消えますね」
明らかな脅しに進太郎の方が息を飲んだ。神のごとき技術を持つ『スーパードクターK』の伝説は進太郎世代の方がよく知っている。まさかそれが現実にいようとは思わなかったが。ましてや神代は当代のKである。その血筋を絶やすのも絶やさないのも富永に血を繋ぐことを強要してきた進太郎の言葉一つという脅しがのし掛かる。
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