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    村人A

    @villager_fenval

    只今、ディスガイア4の執事閣下にどハマり中。
    小説やら色々流します。

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    村人A

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    両想いだと分かるふたりの話が見たくて書きました。多分、心の奥の気持ちを言えるのは閣下の方だと思う。

    #執事閣下
    deacon

    仕舞い込んだ、この想いは暴君ヴァルバトーゼと月光の牙フェンリッヒ。
    そのふたりがいつの間にか手を組み、更には主従関係までも結んでいた。
    魔界でも震撼されたその出来事は、いつしか過去のことにされていった。
    主のヴァルバトーゼが魔力を失ったという噂が流れたからだ。

    最初は血眼になってその首を獲ってやろうと、捜していた悪魔たちも、姿が見えなければ次から次へと興味をなくしていく。

    ふたりの結んだ覚悟の下、共に地獄へ堕ちたことなど誰も知らぬまま。


    そんな魔界での栄光も、すでに数百年前になった頃。
    現在、ふたりは閑職でもあるプリニー教育係となって暮らしていた。
    多忙ながらも日々確実に邁進している。そう思っていたのは、どうやら主の方だけだったようで。

    「─俺から、離れたい?」
    「………はい」

    深刻そうな顔で立つシモベは、復唱された質問に頷いた。
    ふたりは、月が輝き続ける限り仕え、仕えられるという約束を結んだ関係でもある。
    約束はまだ、果たされていない。と言っても、今や自分勝手によって魔力を失ってしまったヴァルバトーゼに、強く言える理由もない。

    「理由はなんだ」
    「言えません」
    「俺相手でも言えぬと言うのか」
    「はい。…いかなる罰も受ける所存でございます」

    そう言って頭を下げたフェンリッヒの表情は見えない。
    だが、言葉を取り下げる様子にも見えない。
    こうなったシモベは頑固だ、とヴァルバトーゼは小さくため息をついた。

    「…フェンリッヒ。いかなる罰も受けると言ったな」
    「はい」
    「約束出来るか」
    「…何をお考えですか、閣下」
    「質問に質問で返すな。俺の質問に答えろ。約束が出来るか、と聞いている」

    真っ直ぐ射抜かれる目に一瞬萎縮する。
    フェンリッヒは分からぬまま、ゆっくり頷いた。

    「…かしこまりました。お約束致します」
    「言ったな?─なら、理由を話せ」
    「…っ!!」
    「普段のお前なら、こんなこと予測出来ただろうに。動揺したか?」

    ククッ、と満足気に笑うヴァルバトーゼ。
    やられた、とフェンリッヒは軽く息を吐いた。

    「今お前は、俺と結んだひとつの約束を反故にしようとしている。俺に、これ以上約束を破らせるつもりか?」
    「……いえ。どの道、どうせ最後になるのなら、話しておいた方が楽ですね」

    姿勢を正すと、フェンリッヒが今度はヴァルバトーゼの目を真っ直ぐ見据える。

    「─わたくしは、シモベとして…悪魔として、あるまじき気持ちを覚えてしまったのです」
    「あるまじき…?」

    「わたくしは─貴方様を、お慕いしております」

    「……!」
    「……お慕いしている、なんて随分綺麗な言葉ですが」
    「なるほど、つまりお前は俺に対して邪な気持ちがあると?」
    「…少し、違うような気もしますが」

    邪な気持ちだけではないが、好きだの恋だのは悪魔には綺麗すぎる言葉だ。
    居心地悪そうに目線を背けるシモベを見て、主は顎に手を当てて考える仕草をする。

    「そういうことですので─」
    「そういうことなら─」

    一緒に言葉を発した直後、シモベが言葉の続きを言えず、主の言葉が続く。

    「─何も問題は無いな」
    「………は?」

    聞き間違いか、と呆けた顔を返す。
    驚くフェンリッヒに、さらに言葉を続ける。

    「俺も同じだから問題は無いな、と言っている」
    「同じ…?すみません、ちょっと意味が…」
    「だから、俺も同じ気持ちだと言っている」

    同じ気持ち、という言葉に更に困惑するフェンリッヒ。
    ヴァルバトーゼは立ち上がると、彼の前へと立つ。

    「…ヴァル様、ご冗談はお止め下さい」

    ようやく意味を理解したフェンリッヒがそう言うと、「ほう?」と少し不服そうな声を出す。

    「冗談?俺がそんな冗談を言う悪魔だと思っていたのか?確かにお前を失うのは惜しいが、それだけでこんなタチの悪いことは言わん」
    「ですが、急に言われても信じられませんよ」
    「…その言葉をそっくりそのまま返したいがな。…どうすれば信じる?お前を組み敷けば信じるか?それとも─」

    フェンリッヒの手を掬い上げたヴァルバトーゼは、己の腹へその手を誘導し、さするように当てる。

    「─ここに、お前を受け入れれば信じるか?」

    「……ッ!!」


    相手が主だということを一瞬忘れ、手を振り払ってしまう。
    顔が真っ赤のその様子を見て、ヴァルバトーゼは喉奥を鳴らして笑った。

    「…揶揄っておいでですか、ヴァル様」
    「確かに面白いが、揶揄ってなどおらんぞ。俺は本気だ」

    あまり人を揶揄うようなことは言わず、冗談も好まず素直で実直。
    悪魔らしくない主の性格を考えるのならば、これも確かに冗談などではないのだろう。
    まさかの返答に返す言葉に迷うフェンリッヒを見上げ、ヴァルバトーゼは不敵に笑う。

    「…それで?俺から離れたいという理由はそれで終わりか?」
    「は?え、あ…はぁ」
    「して、お前はどうするのだ?」
    「どうする、とは?」
    「…混乱しているのか?この場合、どうするという問いなどひとつしかなかろう」

    混乱していても、何を言いたいかは分かる。だが、フェンリッヒにはその先を言うことが中々憚られた。
    いつもハッキリと物を言うシモベに痺れを切らし、ヴァルバトーゼが先に言う。

    「─お前はどうしたい?お前が欲しいものは、なんなのだ?」

    「…わた、くしは─
    ……わたくしは、貴方が欲しい」

    「それが答えであろう。…全く、主にここまで膳立てしてもらわぬと言えんとは…困ったシモベだ」
    「…返す言葉もございません」
    「ククッ、お前がこういう時にポンコツだというのは初めて知ったな。面白い発見に免じて許してやるとしよう」
    「有り難き幸せにございます」

    ゆっくりと、ヴァルバトーゼがフェンリッヒの首に手を回し、引き寄せる。
    そのまま唇が重なり、離れて額を合わせる。

    「覚悟し、共に地獄に堕ちた者同士。最期まで共に狂うのも良かろう」
    「ええ。あの誓いがありますからね。離れたくとももう離れませんよ、ヴァル様」
    「俺は最初からそのつもりだ。お前こそ、怖気付いて逃げぬことだな」
    「はい。もう二度と。フェンリッヒは、死ぬまで貴方と共に在ります」
    「そうだな。俺もだ。“約束”しよう」
    「良いのですか?そのように簡単にお約束をして」
    「今回は構わんだろう。どうせ、俺もお前も逃がす気などないのだからな」
    「フフ、そうですね」

    想い慕い、執着する。
    最期に眼に映るのはお互いの姿なのだと、悪魔らしいようで悪魔らしくない、ふたりの誓い。
    ここまで共に堕ちたふたりの、固い絆から生まれた約束が今、交わされたのであった。
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    BLANK【5/24 キスを超える日】ほんのり執事閣下【524】



     かつてキスをせがまれたことがあった。驚くべきことに、吸血対象の人間の女からだ。勿論、そんなものに応えてやる義理はなかったが、その時の俺は気まぐれに問うたのだ。悪魔にそれを求めるにあたり、対価にお前は何を差し出すのだと。
     女は恍惚の表情で、「この身を」だの「あなたに快楽を」だのと宣った。この人間には畏れが足りぬと、胸元に下がる宝石の飾りで首を絞めたが尚も女は欲に滲んだ瞳で俺を見、苦しそうに笑っていた。女が気を失ったのを確認すると、今しがた吸った血を吐き出して、別の人間の血を求め街の闇夜に身を隠したのを良く覚えている。
     気持ちが悪い。そう、思っていたのだが。
     ──今ならあの濡れた瞳の意味がほんの少しは分かるような気がする。

    「閣下、私とのキスはそんなに退屈ですか」
    「すまん、少しばかり昔のことを思い出していた」
    「……そうですか」

     それ以上は聞きたくないと言うようにフェンリッヒの手が俺の口を塞ぐ。存外にごつく、大きい手だと思う。その指で確かめるよう唇をなぞり、そして再び俺に口付けた。ただ触れるだけのキスは不思議と心地が良かった。体液を交わすような魔力供給をし 749

    last_of_QED

    MOURNING世の中に執事閣下 フェンヴァル ディスガイアの二次創作が増えて欲しい。できればえっちなやつが増えて欲しい。よろしくお願いします。【それは躾か嗜みか】



    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

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    DOODLEディスガイア4に今更ハマりました。フェンリッヒとヴァルバトーゼ閣下(フェンヴァル?執事閣下?界隈ではどう呼称しているのでしょうか)に気持ちが爆発したため、書き散らしました。【悪魔に愛はあるのか】


    口の中、歯の一本一本を舌でなぞる。舌と舌とを絡ませ、音を立てて吸ってやる。主人を、犯している?まさか。丁寧に、陶器に触れるようぬるり舌を這わせてゆく。舌先が鋭い犬歯にあたり、吸血鬼たる証に触れたようにも思えたが、この牙が人間の血を吸うことはもうないのだろう。その悲しいまでに頑なな意思が自分には変えようのないものだと思うと、歯痒く、虚しかった。

    律儀に瞼を閉じ口付けを受け入れているのは、我が主人、ヴァルバトーゼ様。暴君の名を魔界中に轟かせたそのお方だ。400年前の出来事をきっかけに魔力を失い姿形は少々退行してしまわれたが、誇り高い魂はあの頃のまま、その胸の杭のうちに秘められている。
    そんな主人と、執事として忠誠を誓った俺はいつからか、就寝前に「戯れ」るようになっていた。
    最初は眠る前の挨拶と称して手の甲に口付けを落とす程度のものであったはずだが、なし崩し的に唇と唇が触れ合うところまで漕ぎ着けた。そこまでは、我ながら惚れ惚れするほどのスピード感だったのだが。
    ……その「戯れ」がかれこれ幾月進展しないことには苦笑する他ない。月光の牙とまで呼ばれたこの俺が一体何を 3613

    last_of_QED

    Deep Desire【悪魔に愛はあるのか】の後日談として書きました。当社比アダルティーかもしれません。煩悩まみれの内容で上げるかどうか悩むレベルの書き散らしですが、今なら除夜の鐘の音に搔き消えるかなと駆け込みで年末に上げました。お許しください…【後日談】


    「やめ……フェンリッヒ……!」

    閣下との「戯れ」はようやくキスからもう一歩踏み込んだ。

    「腰が揺れていますよ、閣下」
    「そんなことな……いっ」
    胸の頂きを優しく爪で弾いてやると、我慢するような悩ましげな吐息でシーツが握りしめられる。与えられる快感から逃れようと身を捩る姿はいじらしく、つい加虐心が湧き上がってしまう。

    主人と従者。ただそれだけであったはずの俺たちが、少しずつほつれ、結ばれる先を探して今、ベッドの上にいる。地獄に蜘蛛の糸が垂れる、そんな奇跡は起こり得るのだ。
    俺がどれだけこの時を待ち望んでいたことか。恐れながら、閣下、目の前に垂れたこの細糸、掴ませていただきます。

    「閣下は服の上から、がお好きですよね。着ている方がいけない感じがしますか?それとも擦れ方が良いのでしょうか」
    衣服の上から触れると肌と衣服の摩擦が響くらしい。これまで幾度か軽く触れ合ってきたが素肌に直接、よりも着衣のまま身体に触れる方が反応が良い。胸の杭だけはじかに指でなぞって触れて、恍惚に浸る。

    いつも気丈に振る舞うこの人が夜の帳に腰を揺らして快感を逃がそうとしている。その姿はあまりに 2129

    last_of_QED

    DONEディスガイア4で悪魔一行が祈りに対して抵抗感を露わにしたのが好きでした。そんな彼らがもし次に祈るとしたら?を煮詰めた書き散らしです。【地獄の祈り子たち】



    人間界には祈る習慣があるという。どうしようもない時、どうすれば良いか分からぬ時。人は祈り、神に助けを乞うそうだ。実に愚かしいことだと思う。頭を垂れれば、手を伸ばせば、きっと苦しみから助け出してくれる、そんな甘い考えが人間共にはお似合いだ。
    此処は、魔界。魔神や邪神はいても救いの手を差し伸べる神はいない。そもそも祈る等という行為が悪魔には馴染まない。この暗く澱んだ場所で信じられるのは自分自身だけだと、長らくそう思ってきた。

    「お前には祈りと願いの違いが分かるか?」

    魔界全土でも最も過酷な環境を指す場所、地獄──罪を犯した人間たちがプリニーとして生まれ変わり、その罪を濯ぐために堕とされる地の底。魔の者すら好んで近付くことはないこのどん底で、吸血鬼は気まぐれに問うた。

    「お言葉ですが、閣下、突然いかがされましたか」

    また始まってしまった。そう思った。かすかに胃痛の予感がし、憂う。
    我が主人、ヴァルバトーゼ閣下は悪魔らしからぬ発言で事あるごとに俺を驚かせてきた。思えば、信頼、絆、仲間……悪魔の常識を逸した言葉の数々をこの人は進んで発してきたものだ。 5897

    last_of_QED

    CAN’T MAKE十字架、聖水、日の光……挙げればきりのない吸血鬼の弱点の話。おまけ程度のヴァルアル要素があります。【吸血鬼様の弱点】



    「吸血鬼って弱点多過ぎない?」
    「ぶち殺すぞ小娘」

    爽やかな朝。こともなげに物騒な会話が繰り広げられる、此処は地獄。魔界の地の底、一画だ。灼熱の溶岩に埋めつくされたこの場所にも朝は降るもので、時空ゲートからはささやかに朝の日が射し込んでいる。

    「十字架、聖水、日の光辺りは定番よね。っていうか聖水って何なのかしら」
    「デスコも、ラスボスとして弱点対策は怠れないのデス!」
    「聞こえなかったか。もう一度言う、ぶち殺すぞアホ共」

    吸血鬼の主人を敬愛する狼男、フェンリッヒがすごみ、指の関節を鳴らしてようやくフーカ、デスコの両名は静かになった。デスコは怯え、涙目で姉の後ろに隠れている。あやしい触手はしなしなと元気がない。ラスボスを名乗るにはまだ修行が足りていないようだ。

    「プリニーもどきの分際で何様だお前は。ヴァル様への不敬罪で追放するぞ」

    地獄にすら居られないとなると、一体何処を彷徨うことになるんだろうなあ?ニタリ笑う狼男の顔には苛立ちの色が滲んでいる。しかし最早馴れたものと、少女は臆せず言い返した。

    「違うってば!むしろ逆よ、逆!私ですら知ってる吸血鬼の弱 3923