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    last_of_QED

    @last_of_QED

    ディスガイアを好むしがない愛マニア。執事閣下、閣下執事、ヴァルアルやCP無しの地獄話まで節操なく執筆します。デ初代〜7までプレイ済。
    最近ハマったコーヒートーク(ガラハイ)のお話しもちょびっと載せてます。

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    last_of_QED

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    世の中に執事閣下 フェンヴァル ディスガイアの二次創作が増えて欲しい。できればえっちなやつが増えて欲しい。よろしくお願いします。

    #執事閣下
    deacon
    #フェンヴァル
    fenval
    #ディスガイア4
    disgaea4

    【それは躾か嗜みか】



    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽい反応が返ってくるのがいじらしい。何かを訴えようと口付けされたままの顔が左右に振られたが、こちらはその薄い唇を離すつもりは毛頭ない。

    揶揄うよう、舌を差し込んで口内をまさぐる。吸ってやると静かな部屋に水音が響いた。抵抗とばかりに眉をひそめもごもごと何かを言っている主人には御構い無しに舌を絡ませていく。くちゅ、という卑猥な音に反応してか、彼の控えめなそれが再び兆し始める。
    幾万の悪魔を葬り去って来たこの手が、今は主人の快楽のためにと慎重に柔肌に触れる。そのあまりのアンバランスに違和感を覚えた途端、くつくつと可笑しさが込み上げた。……誤って大切なこの人を壊してしまうのではないかと不安になることも、無くはない。

    此処は地獄、ヴァルバトーゼ閣下のシモベ、俺フェンリッヒの部屋。更に言うとベッドの上だ。ただの執事と主人であったはずが、何処でどうもつれたのだったか。そんなことが一瞬頭をよぎったが最早どうでも良いことで、今は目の前のものを喰らい尽くし、吸い尽くしたい、それだけだ。

    骨張った白い肩を撫でる。先ほど達したばかりで敏感になっているのだろう、主人は逃げ腰の姿勢でシーツを握り締めている。腰をなぞるとビクリと身体が波打った。
    長いキスを堪能し、口を離すと主人は壁際へとそっぽを向いて呼吸を整える。いつもそうだ、俺ばかりが貴方を見て、貴方はいつも何処か別の方を向いている。
    構って貰いたくて、閣下を背中側から抱き締める。胸の突起へそのまま手を伸ばし、捏ね繰り回したり、爪で弾いたりと都度返される小さな反応を楽しんだ。その様はまるで好きな子に意地悪をする子どものようで、心の中で苦笑する。無論、裸でじゃれ合う子どもなどあってたまるかという話ではあるのだが。

    「あ……嫌だ、触るな……っ」
    「今やめると苦しいのは閣下ですよ。本当によろしいのですか?」
    「もう良い! やめろ……!」

    訴えかけるその目にはうっすら涙が滲んでいる。暴君と呼ばれ畏れられたお方が性的な戯れを前に「やめろ」と乞う姿は、命令口調とは言え何かくすぐられるものがある。

    「そうですか、残念です」

    まさぐる手を止め、閣下を見つめるとほっとしたような表情を見せた。悪魔らしからぬ、初心な方だ。しかし、俺はというと名実共に悪魔らしい悪魔であって、可愛い者は虐めてしまいたくなる訳で。そういう欲が今日はどうにも収まらなかった。

    「ですが、私はやめたくありません」

    閣下、悪魔にものを頼む態度を覚えなければなりませんね。そう囁いて閣下の先端の良いところをくちゅくちゅと攻めたてる。身体は素直で、触れれば粘液が指にまとわりつく。緩急をつけて上下にしごいてやると主人は再び顔をしかめた。気持ち良さを我慢しているのか、苦しいのか、険しい表情からは判断できない。しかし、表情に反して揺れる腰つきを見れば、前者であることは明確で、こちらまで顔が火照った。

    常であれば俺は閣下の従順なシモベ。執務室では主君の命令は絶対で、このようなことは誓って起こり得ない。
    しかし今此処はベッドの上。主従が床を共にしている異常事態下ではなんだって起こり得るのだろう。

    「ん……ぅ……やめろと、言っている! もう寝るぞ!」

    閣下の自尊心を損なわぬよう、あくまで従順なシモベとして、夜の帳にもあの手この手で尽くし接してきた。やめろと二度言われた今、いつもなら素直に手を引いているところだろう。しかしどうにも今日はやめてやる気にならず、歯止めがきかない。愛する我が主人をいじめ倒してしまいたい。

    「では、一足先に眠っていてください」

    上から覆い被さり、羽交い締めにする。華奢な身体に無理をさせないよう、体重の掛かり方に気を配る。白い首筋へキスを落とすと、ビクッと反応を見せた。そこから胸へ、臍へ、腰へ……と口付けは順に降りて行く。
    どれ程だったか、胸焼けするような甘い時間が流れたが、甘いだけでは終わらない。俺と閣下がしているのは大人の恋愛なのだから。

    時は満ち、遂に細腰を掴み無理矢理脚を開かせる。露わになった入口に何度も自らを擦り付けて存在を主張した。物欲しそうなそこへローションを纏わせた中指を這わせると、つぷ、とこともなげに飲み込んでいった。前戯で中が十分に拡がっていることがわかり、閣下を虐める指をもう1本増やす。出したり挿れたりを繰り返す内、穴から溢れ出る液体がじゅぶじゅぶと泡立って、今している行為の生々しさを物語る。
    閣下はというと、散々やめろと言った手前なのか枕に顔を押し当てて声を我慢しているようだった。何も言わない主人をぐずぐずに犯して行く図が悪魔(われ)ながら背徳的で高揚した。

    「受け入れてくれますか、閣下」
    「……あ……奥に当たっ……〜〜!」

    十分に湿ったそこへ自身を押し当て閣下の中へと挿入っていく。温かく、心地良い。
    このまま蕩けて互いの境界が分からなくなり、一緒になってしまうような、そんな気持ち良さを堪能したのも束の間、昂ぶっていた身体に電流が走る。閣下の中がひくついて、ぎゅうと締め付けられる。お互い、果てが近いと悟り、閣下の細い腰へいきり勃つ己をこれでもかと打ち付けた。ぱちゅぱちゅと響く音が思考を麻痺させて行く。

    「ヴァル様……っ」
    「ハァッ アッ やっ……激し、も、イく……」

    激しいピストンに吸血鬼は声にならない声で啼いた。腹の上にどちらのものともつかぬ体液が飛び散り、喘ぐ主人が酷く淫乱に映った。吸血鬼とは元々、身のこなし軽く人間と関係を持つこともある好色な種族なのだ。その吸血鬼がこういった戯れに積極的ではないどころか奥手なのは不思議だった。
    しかし、それはつまり開発のしがいがあるということ。主人との更なるあれやこれを想像してニヤリ笑みが溢れる。
    幾度目かの絶頂を迎え、ぐったりとしている主人の背中を抱きかかえる。耳を甘噛みしてやり優しく囁いた。

    「閣下、夜はまだまだ長いですよ」





    「フェンリッヒ、お前はどうして俺に固執する?」
    「閣下」

    瞬きし、驚きの目で主人を見つめる。暗にもっと他に良い相手がいるだろうと、閣下はそう言っているのだ。毛布にくるまる悪意のないその顔が、俺の心をチクリと刺した。幼子に話しかけるよう、口を開く。

    「閣下は、この情事の相手は誰でも良いとお考えですか」
    「馬鹿者、お前でなければシャツのボタンに手を掛けることすら許さん」
    「それと同じです。恐れ多くもヴァル様が私を相手に心と体を開いてくださったように、私も相手が唯一無二のあなただから、に他ならないのです」

    閣下の手を取り自分の手と重ね合わせる。

    「ですから、先ほどのようなことはもう仰らないでいただきたいのです。私には貴方以外、考えられないのですから」
    「そ、そうか」

    白い頬を少し染めてたじろぐ我が主人のなんと愛おしいことか。柄にもなく嬉しくなって閣下の腰を抱き寄せると、その人から悩ましい声が漏れ出る。ああ、この方は本当にたちが悪い……これが吸血鬼という種族の持ち合わせる魅了の力なのか。それともヴァル様に特有の天然なのか……つい手が臀部へと伸び、揉みしだくと閣下から平手打ちを喰らった。

    「……もう一度抱いてもよろしいですか」
    「涼しい顔してとんでもない変態だな、お前は」
    「あれ程乱れる主人を前にすれば嫌でも昂ぶるというものです」

    フフ、と笑うとバツの悪そうな閣下の目がこちらを睨む。

    「お前は俺の従順なるシモベだろう、躾が足りんようだな」
    「では今から駄犬に躾を、閣下」
    「そうだな」

    今度は閣下がニヤリ笑った。唐突に頭を抑えつけられて面喰らう。

    「では先ず『待て』を教えてやろう。お前が望むものは俺が良しと言うまでお預けだ」

    そう言って犬にするように、俺の頭を撫でた。いつもなら俺の誘導に上手く乗せられるくせに、今日は閣下にしてやられた。当分お預けを喰らう羽目になってしまった。
    けれど主人が「赦す」という眼差しを向けてくれた、そのことが柄にもなく嬉しくなって、穏やかな充足感の中、閣下の手の甲へ口付けた。静かに目を閉じ、微睡みながら想いを馳せる。

    閣下が暴君と言われていた頃、転がり込んだ魔界の果て、地獄。思えば二人でとんでもないところまで来てしまったものだ。
    天界にいたって不幸せな奴は不幸せだし、地獄にだって幸せを感じる術はある。
    貴方の低めの体温に満たされてそんなことを今密かに想うのは、此処が貴方と共に堕ちた先だからだと、従者の私は思うのです。


    fin.
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    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

    last_of_QED

    DOODLE主人に危機感を持って貰うべく様々なお願いを仕掛けていくフェンリッヒ。けれど徐々にその「お願い」はエスカレートしていって……?!という誰もが妄想した執事閣下のアホエロギャグ話を書き散らしました。【信心、イワシの頭へ】



    「ヴァルバトーゼ閣下〜 魔界上層区で暴動ッス! 俺たちの力じゃ止められないッス!」
    「そうか、俺が出よう」

    「ヴァルっち! こないだの赤いプリニーの皮の件だけど……」
    「フム、仕方あるまいな」

    何でもない昼下がり、地獄の執務室には次々と使い魔たちが訪れては部屋の主へ相談をしていく。主人はそれに耳を傾け指示を出し、あるいは言い分を認め、帰らせていく。
    地獄の教育係、ヴァルバトーゼ。自由気ままな悪魔たちを良く統率し、魔界最果ての秩序を保っている。それは一重に彼の人柄、彼の在り方あってのものだろう。通常悪魔には持ち得ない人徳のようなものがこの悪魔(ひと)にはあった。

    これが人間界ならば立派なもので、一目置かれる対象となっただろう。しかし此処は魔界、主人は悪魔なのだ。少々横暴であるぐらいでも良いと言うのにこの人は逆を征っている。プリニーや地獄の物好きな住人たちからの信頼はすこぶる厚いが、閣下のことを深く知らない悪魔たちは奇異の目で見ているようだった。

    そう、歯に衣着せぬ言い方をしてしまえば、我が主人ヴァルバトーゼ様は聞き分けが良過ぎた。あくまでも悪魔なので 7025

    last_of_QED

    BLANK【5/24 キスを超える日】ほんのり執事閣下【524】



     かつてキスをせがまれたことがあった。驚くべきことに、吸血対象の人間の女からだ。勿論、そんなものに応えてやる義理はなかったが、その時の俺は気まぐれに問うたのだ。悪魔にそれを求めるにあたり、対価にお前は何を差し出すのだと。
     女は恍惚の表情で、「この身を」だの「あなたに快楽を」だのと宣った。この人間には畏れが足りぬと、胸元に下がる宝石の飾りで首を絞めたが尚も女は欲に滲んだ瞳で俺を見、苦しそうに笑っていた。女が気を失ったのを確認すると、今しがた吸った血を吐き出して、別の人間の血を求め街の闇夜に身を隠したのを良く覚えている。
     気持ちが悪い。そう、思っていたのだが。
     ──今ならあの濡れた瞳の意味がほんの少しは分かるような気がする。

    「閣下、私とのキスはそんなに退屈ですか」
    「すまん、少しばかり昔のことを思い出していた」
    「……そうですか」

     それ以上は聞きたくないと言うようにフェンリッヒの手が俺の口を塞ぐ。存外にごつく、大きい手だと思う。その指で確かめるよう唇をなぞり、そして再び俺に口付けた。ただ触れるだけのキスは不思議と心地が良かった。体液を交わすような魔力供給をし 749