惚れ薬と君の本能 それは映画の撮影が終わり、帰宅する道中のことだった。
「(ん…なんか、身体が熱いような…?)」
疲れてるのかなぁ、なんて考えながら覚束無い足取りで1031を目指す。
「(あ…あれ…?な、なに、これ…く、くるし、)」
視界が歪む。
身体がすごく、熱い。
足を引き摺り、何とか1031号室のドアを開ける。
しかし、既にルイスは限界を迎えかけていた。
もうこんな時間だ、皆寝てしまっているだろう。
ルイスはリビングの床にばったりと倒れ込む。
「(は、ぁ…あつい…息くる、し…)」
何か悪いものでも食べたっけ、と火照った頭で思い返す。
そういえば、帰り道に声をかけられたような。
────そこのお兄さん、お疲れですか?
1915