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    投げつけるSS5個目
    読切ロナドラ
    怪我する人とお見舞いする吸血鬼と第三者と。

    そんなの知らないよ、 今日も一日頑張ったはずだ。ロナルドは目の前の暗い星空を見上げ、深い深いため息をついた。
     昼から雑誌のコラムの執筆。データを送ってスタジオに赴き今度出る退治人特集表紙のスチル撮影。慣れぬ『サワヤカナエガオ』とやらを頑張って作り上げメイクもヘアセットも爽やかなそのまま退出。面白いからこのまま埼玉に行くかなと思っていたらギルドから緊急出動協力依頼の電話である。大掛かりな下等吸血鬼の巣の駆除とのことに、作業事務所に戻り着替えて装備を携え現場へ赴き
     それから
     ――それから、
    「……あー、だっせぇ」
     依頼内容とは異なる大型吸血鬼が三体。
     出動していた退治人らで対応したが力不足で、若手にギルドへの報告と救援要請を依頼。素早さが売りの彼は頷いて走り去った。
     遠距離攻撃特化の同期には遠方からのサポートを依頼。スリングと銀のスプレーで周囲を固め向こうが迂闊に近寄れないようにした。
     そして近距離特化のロナルドは銀弾と銀の両手剣を持ち突撃した。後方からの攻撃で弱る個体を剣で一撃。
     銀で編んだ網を投げつけ足を取られた吸血鬼に弾丸を二発。
    「ロナルド!」
     背中からかけられた声に振り返るととりわけ巨体の敵性体が爪を振り上げているところだった。


     結論から言うと助かった。咄嗟に打った銀の弾が相手の急所を貫通し砂となったが、今際の際に振るいあげられた大爪がロナルドの脇を削り取った。
     仲間が駆け寄り応急処置を施してくれる間脇腹はまったく痛みがなかったが、落ち着いてくると熱い激痛となりともすれば意識を奪おうとじりじり焼き付いてくる。地面に仰向けになりうめくロナルドに同僚が心配そうに問いかける。
    「VRCいくか?護送車呼ぶか?」
    「……あー」
     行かねばならないだろう。あの吸血鬼の出てきた経緯も分析、報告しなければならない。抉られた傷から吸血鬼の残り香を嗅ぎ取り、大型化した原因を突き止める検体ともならねばならないだろう。
     しかしロナルドはいまだ寝転がったままのアスファルトで比較的大きめの声で「あ゙――――――」と呻いた。不満タラタラの声に同僚は苦笑する。
    「いい約束でもあったか?」
    「あったな」
     約束破るとすげーめんどくせぇ顔すんのよあいつ、と愚痴れば惚気んなよと脇の傷を指で弾かれる。走る痛みにふざけんなよと睨んでスマホから目的の連絡先を探し出す。探し出すまでもなく1番上にある名前
     『クソザコ』
     ロナルドはしばらく考えてからトーク画面を開いた。昨晩交した会話がつらつらと並んでいる。大半がロナルドからの夕食のリクエストだ。やれ肉がいい辛めがいいスープが欲しいパンはお前が焼いたのがいい、わがままなそれらにドラルクは『任せてくれたまえ!すべてご用意してみせよう!』と返事している。たぶんスマホの前でマントをんばっと翻してみたりしている。観客ゼロなら虚しくてしょうがないがドラルク強火担アルマジロのジョンがいるのでその辺は安泰だ。
     そんな楽しげな主従の顔をくもらせるのは本意では無いのだが、と申し訳ない気持ちになりながらスマホに指を置く。トトトトト、と軽やかに文を打って送信。
    「あー、VRC行くか」
    「もう連絡しといたぞ」
     言っている間にエンジンの音が聞こえてきた。救援要請を頼んだ若手が車窓から手を振っている。おかげで早めに到着できたらしい。ロナルドは「やるじゃねぇの」と口の端をニッと持ち上げた。


    「仕事でヘマしてVRC行くから今夜行けなくなった、悪い」
     そんな簡素なRINEが来てから1週間である。ドラルクとジョンは顔を見合せて今日も開かない城のドアを見つめていた。
    「ヌヌヌヌヌン、ヌヌイヌヌヌェ」
    「そうだねえ」
     来ないですねぇと心配する使い魔にドラルクは肩をすくめる。
    「来ないのも連絡が無いのもいいんだけど、ヘマしたってのが気になるよね」
     ドラルクからも何度かメッセージを送っているのだが、終ぞそれが既読になることは無かった。最後に送られてきたメッセージがあまり重大そうではなかったのでそこまでは気にしないようにしていたのだが。
     ふむ、と唇に指を当て思案し……たフリをして既に決定していた思いつきを口に出す。
    「行っちゃおっか、新横浜!」
    「ヌーイ!」
     思い立ったが吉日である。フットワークが羽より軽い主と従はその足で扉を開け夜の世界へ飛び出した。


     埼玉の城から新横浜までは乗り継ぎ込みで2時間ほどかかる。そんな険しい――通常の人や吸血鬼であればちょっと長いなと感じるくらいであるがご存知の通り段差につまづいても死ぬ雑魚なので――道のりをなんとかかんとか乗り切って、ドラルクとジョンは新横浜駅改札に降り立った。苦心したとはいえ既に何度も(ロナルドに呼びつけられて)通った道のりである。なんなら今回はさして死ななかったなとさえ思いながら、ドラルクはRINEの画面を開いた。とりあえずロナルドに会うために来たのだ、すれ違っては元も子もない。
     通話ボタンを押すと5コール目で相手が出た。
     『もしもし?』
    「あ、ロナルド君?今私シンヨコいるんだけど」
     そう切り出すと相手は少し困惑したように言いよどみ、『悪いが、』と言った。
    『俺はロナルドじゃない』
     「へ?」
     ドラルクは思わず画面のアイコンを確認した。いつものトレードマークである赤い帽子のアイコン。ロナルド君と名前もついている。そもそもドラルクのスマホに入っている連絡先はさして多くないため、間違えるべきもない。
     相手もドラルクの困惑を理解しているのであろう、きまり悪げに音が流れる。
     『今ロナルドは入院しててな、緊急だと悪いと思って代わりに取らせてもらった』
    「入院!?」
     驚いてスマホを取り落としそうになる。ヘマをしたとは聞いていたがそんなに大事だったのか。
    「どこの病院ですかな?できればお見舞いに行きたいのですが」
     すこし慌てながらそう聞くと、新横浜のVRCと答えられた。吸血鬼の収容・研究施設であることにいささか忌避感はあったものの、背に腹はかえられない。どうせここまで来たのだしと腕の中のジョンと頷き合い、すぐに行くと伝えて通話を切った。
    「驚いたねジョン、まさか入院してるなんて」
    「ヌー」
     心配ですねと首を傾げる使い魔にドラルクは微笑む。
    「まあ、ロナルド君のことだ、きっとたいしたことはないよ。検査入院とかそういうものだろうさ」
     そう言いながらこれは自分に言い聞かせているものだと自覚しつつ、ドラルクはスーツの胸元をギュッと抑えた。


     行き慣れぬVRC前で、吸血鬼が堂々と正面から入館するのはどうなのかともたもたしていると、自動ドアが開き中からメキシカンなスタイルの衣装を纏った男が現れた。衣装の派手さからして吸血鬼退治人であろうとあたりをつけたドラルクに答え合わせをするように男が手を上げる。
    「ああ、こっちだ。えーと、クソザコさん?」
    「失礼ながら初対面ですよね!?」
     初顔合わせの初手の初手でクソ失礼な呼び方をされてドラルクは砂った。うごうご蠢く砂に向かい男が慌てたように「すまん!ロナルドの連絡先に表示された名前がクソザコだったからそんな名前なのかと」
    「例えキラキラネームだとでもそんな名前付ける親がいるか!」
     ていうかロナルドくんアドレス帳の登録名そんな感じなの?会ったら一応叱ろう。ゆっくりゆっくり形を戻しながらドラルクは渋い顔で決意する。脇で嘆くジョンに謝りながら男はドラルクに再度頭を下げた。
    「失礼した。俺はショット、ロナルドの同業だ」
    「本当に失礼だったがロナルド君の所為なので水に流しましょう。改めまして吸血鬼ドラルクと従魔のジョンです」
     左手同士で握手すると、ショットと名乗った男は「ああ、あんたが『あの』」とバンダナの下に半ば隠れた目を丸くした。
    「あの、とは?」
    「いや、えーと説明が難しいんだが」
     まあ案内しながらでも、とショットは身を翻し施設の中に入る。ドラルクも後について入ると受付では事前にドラルクの来訪を伝えていたようで「203木下の客です」というショットの声掛けと軽い会釈のみで中に進むことが出来た。
    「ところでロナルドくんの具合は?連絡も取れないのだからかなり酷いのかね」
     まずは目的を果たそうとそう質問すると、ショットは首を横に振った。
    「怪我自体はたいしたことない。俺も同行した任務だったんだが、かすり傷とは言わないが数日入院してリハビリすりゃすぐに現場復帰できる程度だった」
     ただな、とショットは通路を歩きながら肩をすくめる。
    「あの通りのワーカホリックだろ。ほっときゃ退院リハビリ待たずに仕事詰め込もうとするんで、俺がスマホ取り上げてベッドに縛り付けてる」
    「あ――……」
     ドラルクはその説明に遠い目をした。完全なるロナルドの自業自得である。だから仕事は程々に、身を滅ぼすよと口を酸っぱくして伝えているのに。
    「で、俺があんたのことを知ってた理由だが」
     話が戻りドラルクは目を瞬かせる。
    「ロナルド君に聞いてたのでは無いのかね?これでも相棒としてパートナーシップを組んでいるのだが」
    「そこの話は聞いてる。でも俺があんたの名前を知ってるのはそのせいじゃない」
     言いながらある病室の前で立ち止まる。
    「まあ、開けりゃわかる」
    「へ?」
     訝しく思いながらも、ドラルクはおそらくロナルドが居るのであろう病室のドアに手をかけた。個室であるのか名札には「木下」と書かれた札しかない。え、ここであってるよね?と不安に思いながら引き戸を開け――

    「おいショット!ドラルクに連絡すっからスマホ返せ!!!」

     た瞬間降ってきたがなり声に驚いて砂になった。
    「まあ万事あの調子だ」という静かなショットの声と「ぅえ!?ドラルク!?なんで!?」という慌てたロナルドの声が崩れた耳に微かに届いたような気がした。


     
     ウゾゾゾ、と砂が動き人の形を成す。二時間待った男二人は復活の予兆にかたや点数カンストしたテトリスをかたやスマホの作業ゲーを脇に置き、その様子を見守った。
     動き始めると速やかに砂は形を取り戻しマントの色も艶やかにドラルクは起き上がった。そうしてロナルドを見て憮然とした顔で口を開く。
    「どうも、クソザコです」
    「よぉクソザコ」
    「お前もうちょっと悪びれるとかないのか」
     皮肉たっぷりのドラルクにしれっとした顔で返すロナルド、それに慣れぬショットは少し困惑してロナルドに突っ込んだが今更なのでね、とドラルクはため息をついた。
    「で、彼がスマホを未だ取り返せないのは結局私のせいというわけかね?」
     そうショットに問うと視界の隅でロナルドがバツの悪そうな顔をする。ショットは目を眇めた。
    「ああ。仕事は何とか諦めさせたが今度はドラルクが待ってるドラルクに連絡するドラルクが心配するって騒がしくてスマホ取られて連絡が取れねぇからって脱走すらしかけててな」
    「何をやっているのかね君は」
     ドラルクも重たい瞼を更に細めてロナルドを見た。
    「で、ドラルクってそもそも誰だよと聞いたら相棒だと。なにお前ら付き合ってんの?」
    「ええ?」
     首を傾げてきまり悪そうに目を逸らしているロナルドを見る。ショットはさらに言い募る。
    「そもそも普段からスマホちらちら気にして通知が来ると前のめりになるし、連絡かわしたあとなんか機嫌いいし、やたら東京とか埼玉方面の出張に手を挙げるし。なんなのお前ら付き合ってんの?」
    「おいショット」
     普段から見ている同期の証言にさすがにロナルドが慌てた声を上げる。ドラルクとジョンはぐるんと首を回してロナルドを見る。
    「見るな」
    「え、ええ――……?」
     銀のまつ毛では隠せないほど目の縁が赤い。全く知らなかった。ロナルドが、ちょくちょく城に来るのは仕事のついでという話は聞いていたがそんなに積極的に受けていたとは思わなかったし、確かにやけにトークの反応が早いとは思っていたが張り付いているとは知らなかった。
     そしてやたらドラルクに連絡を取りたがる態度。ドラルクが心配するからという体をとってはいるが、そんなに身も世もないほど心をさいているわけではないことはロナルド自身が知っているはずだ。なぜなら2人は単なる相棒なので。
     それなのに、こんなに執着されているなんて。
    「私、知らない間にロナルド君に魅了とかかけてたのかな?そんな能力ないと思ってたけどいつの間にか芽生えていたとか我ながら畏怖……!やだこのままVRCにとっ捕まっちゃう」
    「ヌヌヌヌヌヌ、ヌヌーイ」
    「ちげえええええええ!!!!!」
     備品の枕を引き裂いてロナルドは叫んだ。スタッフに叱られるぞとショットが呟いたが耳に入らないようだった。再度砂になりかけていたドラルクに待て耐えろ!と待ったをかけ、ロナルドが改めて噛み付く。
    「今の流れを聞いてなんか心が動かなかったのか!?お前のこと気にかけて嬉しいとか!お前に会いたがっててキュンとするとか!?」
    「えっ……凄腕退治人畏怖させる私畏怖すぎって思った」
    「人の心は無いのか!?」
    「ドラルクは吸血鬼だろ」
     冷静なショット第三者が冷静にツッコミを入れ、クールダウンを促すようにロナルドの頭を手を置いた。
    「お前の気持ちも状況もさすがに完全に理解した。傍から見てて感じたが、こいつ遠回しでは通じんぞ」
    「うるせぇ俺も今完全に分かったわ」
     ギリギリと歯ぎしりするロナルドに同情の眼差しを向けるショット。ひとり理解できないドラルクは口を尖らせて不満を見せた。
    「なんだか知らないが私を蚊帳の外にするのは止めてくれ」
    「終始蚊帳のど真ん中におるわ!」
     さっきからお前の話しかしてねぇんだよ!と腕を振り回して怒るロナルドの怪我の具合は大丈夫なのだろうか。あれ傷開いたりしないの?とショットに問おうとしたが次の怒鳴り声でこの疑問は吹き飛んでしまう。
    「てめぇのことが好きだから無理もするし連絡も取りたいし会いたいんだよ!分かれよ!!」
    「そんなの知らないよ!?!?」
     びっくりしすぎて砂になるのも忘れドラルクは突っ込んだ。
    「初出情報すぎる!」
    「うるせえ気づかねえお前が悪い!なんで俺が片道2時間もかかる埼玉まで何度も通ったりお前呼びつけたり日も開けずに連絡とってたのか考えろや引きこもりゲーマー吸血鬼恋愛初心者!」
    「えーん一言に対して返ってくる罵倒の数が多い!」
     貴方の同僚が酷いですショットさんと泣きつけば「告ってる男が居んのに他の男に泣きつくな!」と怒られるしショットもすごく迷惑そうな顔で「痴話喧嘩に巻き込むな」と引き剥がしてくる。理不尽極まりない。
    「それにしては君連絡先の登録名クソザコにしてるしすぐ怒ってくるし私の扱い雑じゃないか!ディスコミュニケーションすぎるだろホントに私の事好きなのか?」
    「好きだわ!」
    「わ、わぁ……」
     投げつけた疑問に即答で返ってきてドラルクはちいかわになるしかなかった。と同時に白衣のスタッフが「木下さん静かにしてください!!」とブチ切れながら参戦し事態は一層の混乱を極めた。


     既に夜明けも近くスタッフには平謝りしショットも帰宅し、ようやく静けさの訪れた病室。ぴっちりと閉められたカーテンの前に座り、ドラルクは見舞いとして置いてあったりんごの皮をスルスルと剥く。
    「疲れた……死にそう」
     長々と垂れ下がる赤い皮をしげしげと見つめながら、ロナルドは膝の上で眠るジョンの甲羅を撫でた。
    「せっかく来てくれたのに色々と悪かったな」
    「まあいいよ、結局大したことは無いのがわかっただけでも」
     サクサクと皿の上で切り分け、デザートフォークを添えた差し出すとロナルドは口を開く。
    「あ」
    「甘えすぎではないかね」
    「ジョン撫でてて忙しいんだよ」
     ジョンはすっかり寝入っているし、撫でる手を止めても良いのだが。そうは思うがロナルドに手ずから食べさせるのは実の所初めてでもない。時折見せる甘えた仕草に、人の子は可愛いなあと思いながらフルーツや味見を与えていた。今回もしょうがないなと苦笑しながらフォークに刺したリンゴをロナルドに食べさせてふと気づく。
    「……もしかして、これもわざとかい?」
     ロナルドは口をモグモグ動かしながら、「やっと気づいたのかよ」と言う。
     RINEで送られてくる食事のリクエスト。強請られるゲームのお供。急な呼びつけと仕事のあと少しだけ並んで歩く駅までの道のり。危ないからと繋がれる手袋越しの手のひらの熱。
    「君、けっこう私にアピールしてたんだねぇ」
     確かに自分は鈍かったのかも知れない。言われてみれば気づけるタイミングはいくつもあったのだ。ロナルドは不貞腐れたように
    「お前が引きこもりでコミュ障で人の情感に疎いことを理解してなかった俺にも落ち度はある」
    「ほんと私がちょっと反省したらさらに傷に塩塗ってくるな!?あと誰がコミュ障だ!」
     ホントに私を落とすつもりはあるのかと何の気なしに呟けば手を取られる。
    「本気で落とす」
    「え」
    「好きだ」
     指先に唇が落ちる。びっくりして口付けられたところがすこし塵になると、ロナルドは小さく顔をしかめる。
    「態度だけじゃ伝わらねぇことはよくわかったから、今度からはしっかり言葉に出していくわ」
    「き、急に甘い雰囲気だされても困るんだが!?」
     表情から、声色からロナルドの本気が伝わってくる。それよりなにより困るのは、決してそれを嫌だと思っていない自分の気持ちだ。
    「また退院したら城に行くから夕飯作ってくれよ。あと、今度頼んでこないだ撮影した時やってもらったヘアセットしていくわ。お前好きだろ、俺のそういうやつ」
    「知らないよ……」
     思った以上にぐいぐいと押してくるロナルドから顔を背けつつ、知らない知らないと自分の気持ちから逃げる猶予はそんなにない予感もしていた。
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