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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    6/12は恋人の日らしいので恋人らしくデートする🦍と🐇の短いお話

    散歩 今どこにいるの、と定番の彼女からの通信が入った。先程片付けたばかりのクエスト結果をサハギン達に報告し、快く送り出してくる彼らに手を振ってから現地を彼女に伝える。
    「リムロミで合流しよ!」
     確実に何か企んでるなと思わせる圧で提案され、二つ返事で答えてテレポの詠唱を始めた。

     一際大きく輝くエーテライト前で、見慣れた姿のヴィエラが耳を揺らしていた。軽く手を挙げて声をかけるとこちらに気付いたようで、嬉しそうに頬を緩める。そういう表情をすると年齢より幼く見えるなと思いつつ、言葉にはしないまま彼女に歩み寄った。どこか行きたいところでもあるのだろうと確認してみると、うんまぁ、と曖昧に返される。首を傾げつつマーケットに寄っていいか提案すると、意味ありげな笑みを一瞬浮かべいいよと答えられた。
    「どうせリテイナーでしょ」
     すっかり見抜かれていて苦笑しながら頷き、エーテライトに手を伸ばした。

    「普通パーティ組んでる状態でリテイナー呼ぶぅ?」
     パーティメンバーを優先しないのかと言わんばかりに唇を尖らせた彼女に苦笑しつつ謝罪する。
    「そうは言っても気になるだろう?掘り出し物」
     帰還したリテイナーから受け取った魚をマーケットに流しながら返すとまぁねぇ、と腕を組んで返された。もう1人のリテイナーが涼しい顔で取り出してきた家具に何処からとってきたんだ、と呟くとあるある、と彼女が頷く。
    「前なんか、屋根持って帰ってきたことあったよ」
     それは最早掘り出しものと呼んでいいのかと思わず笑ってしまう。

     リテイナーを再度送り出し待たせてしまったことを謝罪すると軽く頬を膨らませて本当だよ、と返された。
    「……まぁ、マーケットの近くだし都合はいいんだけど」
     小さく付け足された彼女の発言に首を傾げていると、これから空いてる?と尋ねられる。空いてるもなにも何か用事があって合流したんだろうと思いつつ、頷いて応えた。にんまりとどこか楽しそうに、何か企んでいるように彼女は微笑んでじゃあ行こ、とルガディンの手を引いた。何処に、と思うがそれを尋ねるのは野暮な気がして、黙って彼女に従う事にする。

     連れて来られた先は眺めの良い立地に建てられたカフェだった。人気があるようで店内はそれなりに繁盛している様子だった。店の前に置かれた季節限定メニューの説明に目を走らせてから視線を彼女に戻す。雄弁なヴィエラの表情や耳を含めた全身からここに来る事を楽しみにしていたのが伝わってきた。店内に視線を向け、客層や内装を確認する。女性客やララフェルなどが占める店内では慌ただしくスイーツや紅茶が運ばれているようだった。
    「……俺とここに来て、楽しいのか?」
     思わず口から出た言葉にしまったと思い、彼女に顔を向ける。

     予想外に彼女は憤りも呆れもせず、やや目を丸くしてうん、と頷いてきた。
    「いや、俺より適役がいると思うんだ
    が……」
     スイーツとかに目がないミコッテや穏やかなヒューランを思い浮かべつつ頭を掻くと、目を瞬かせて彼女が返してくる。
    「一緒に来たいなって思ったし誘ったんだけど?」
     何か間違ったことでもしているのかと言いたげに不思議そうに彼女は首を傾げた。揺れた黒髪から店内に視線を移し、また彼女に戻す。
    「好きそうなメニュー見かけて、あ、食べさせたいなって思って」
     めーっちゃくちゃ美味しそうなやつ!と彼女は胸の前で拳を握った。誘い上手は経験や年齢から来るものなのだろうか。その言い方は狡いだろうと苦笑しながら数回頷いて返す。大股でカフェに近付き扉を開けると、彼女は不思議そうに微かに首を傾げた。
    「……レディファーストだろう?」
     やや気恥ずかしく思いつつそう伝えると、にんまり楽しそうに笑った彼女が店内に向かい、ほら早く、とこちらに声をかけてきた。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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