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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
    リアクションとても嬉しいですありがとうございます

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    mitotte_kazu

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    とても短い🦍🐇

    ##ディンエラ

    口付 ルガディンの口元をヴィエラの指先がなぞる。目を閉じてされるがままの彼から手を離した彼女がむぅ、と呟いて鞄の中を漁った。目を開いた彼が鞄から取り出されたポーチ内を探る彼女の指先を眺めていると、まだダメだよ、と彼女が悪戯っぽく笑う。小さく溜息を付いて肩を竦めた彼が目を閉じて少しすると、唇に柔らかな何かが触れた。唇をなぞる柔らかな感触の正体を予想しながら、彼女の動きが止まるのを待つ。
    「……リップクリーム?」
     動きを止め口元から離れたものの正体を告げて目を開く。当たり、とにんまり口角を上げた彼女がリップクリームの蓋を閉じていた。微かに漂う香りと口元の質感に違和感を覚えつつ、彼は数回頷く。荒れていたか、と独りごちた彼に割とね、と返した彼女がポーチを鞄に仕舞う。
    「ちゃんとケアしないと痛いよ?」
     歌うように諭してきた彼女に善処する、と答えると、こちらを振り返った彼女が続ける。
    「そっちも、こっちもさぁ」
     そういう意味か、と苦笑した彼の首に腕を回した彼女が笑って顔を近付けてきた。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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