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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    今の時期にたまに見かけるハウジングに遊びに行く🦍と🐇の話

    ##ディンエラ

    屋敷 リムサ・ロミンサらしいカラリとした暑い日だった。黒渦団への納品を終え冒険者ギルドを後にしたところ、通りすがりの冒険者が大声を上げている姿が目についた。
    「ラベンダーベッドにて期間限定でお化け屋敷を開催していま〜す!今だけの夏季限定!ぜひぜひご覧くださ〜い!」
     どうやらハウジングのお披露目も兼ねてのシャウトらしい。以前友人達と訪れた水族館を思い出しながらその冒険者が声高に叫ぶ住居区域をルガディンはなんとなしに手帳に書き残しておいた。

    「……お化け屋敷?」
     自宅のハウジングがひと段落着いたヴィエラが首を傾げる。話の種に、とルガディンが数日前に街中で見かけた冒険者の話をしたところ、彼女の目がキラリと輝いた。
    「そこ、どこかわかる?」
     うずうずと落ち着きなく耳を揺らした彼女が身を乗り出してきて、観念した彼は取り出した手帳に記載された区域を伝える。あんまり遠くないね、と呟いた彼女が目を輝かせながらこちらを見つめてくる。あー……と言い淀んだ彼が頭を掻く。
    「……今から行くか?」
     行くぅ!と高らかに手を挙げた彼女に小さく溜息を吐いた。早く早く、と彼の手を引く彼女と足早に自宅を後にした。

     到着したお化け屋敷は外観から凝ったものだった。それらしい庭具が転がっている庭を抜け、そっとヴィエラが扉を開ける。
    「お邪魔しま〜す……」
     薄暗い室内は程良く間接照明で足元が照らされていた。広げられたノートには「ぬいぐるみを辿ってお進みください」と家主らしき書き込みと、来客達のメッセージが残されている。来客達のメッセージからわりと本格的らしいな、と思いながらルガディンはノートを閉じた。
    「ぬいぐるみを辿って進むらしい」
     自身の後ろからノートを覗き込もうとしていた彼女に内容を伝えるとぬいぐるみ、とおうむ返しをされる。自ずと部屋の隅にあるぬいぐるみの山に2人の目が向かう。その横には通路が続いていた。

     凝った内装と雰囲気作りで、進んでいく内に隠れていた家主達演じるキャストがさりげなく驚かしてくる仕様となっていた。ルガディンが驚くよりも内装などや驚かせ方に感心している横でヴィエラが耳を垂らして彼の腕にくっついていた。
    「……怖くないの?」
    「怖いぞ?」
     嘘つき、と小さく呟いた彼女に表に出ないだけだと笑う。恐怖心を上手く煽られ驚いてはいるものの、彼が反応するより先に彼女が驚いてしまっていた。怖いのか?と尋ねてみると上手く出来てるよね、と胸を張って誤魔化された。さりげなく握られた手の力が増したのを感じ、そうだなと同意しておいた。

     うー、と呻く彼女から視線を上げる。室内を仕切るように配置されたパーテーションには絵画や窓のように置かれた水槽が並び、通路のようになっていた。お化け屋敷のセオリーならこの絵画などの一部に何らかの仕掛けが施されているはずだろう。ゆっくり歩みを進めながら少し先に目をやった。さりげなく水槽の方に彼女を押しやるように歩みを進める。
    「ひぁっ!?」
     バン!と水槽の中から激しく叩きつける音がし、ヴィエラが奇声を上げた。水槽内で拳を叩きつけたあと姿を消したキャストにそう来たかと静かに感動する。そのための水槽だったか、とガラスを見つめていると視線を感じた。
     
     ルガディンが顔を下ろすとじとりとヴィエラが睨み付けていた。
    「……押したでしょ」
     断定的な口調だった。何のことやら、とすっとぼけてみるも彼女にはバレているようで仕返しと言わんばかりに後ろからぐいぐいと押して来られる。しばらく押されたフリをして、キャストが潜んでいるであろう箇所だけさりげなく足早に進んでみた。案の定彼女が目の前に来たタイミングでキャストが飛び出して来て、また彼女は奇声を上げる羽目になった。

    「楽しかった〜!」
     中でやや揉めたところはあれど、2人で手を繋いで歩調を合わせるようにして後半から楽しめたようでヴィエラは笑顔を浮かべた。ノートに感想を書き残し、スタッフ達に礼を述べてお化け屋敷を後にした。自宅に戻ってから思い出したように驚かされた慰謝料を請求される。何をすれば、と首を傾げたルガディンに彼女も首を傾げる。
    「てか、お化け屋敷とか好きだっけ?」
     そのままの姿勢で彼女が呟いた。嫌いではないが、と少し考え込んで前置きして彼は返す。
    「好きそうだなと思って」
    「誰が?私が?」
     目を丸くした彼女の問いに間髪入れず彼は頷いた。数回瞬かせた目を細めて彼女はにまにま笑う。

    「一緒に行きたいとか思ったんだ?」
     楽しそうにルガディンの肩に腕を回してヴィエラが問い詰めてくる。視線をずらしながら曖昧に返す彼にふぅ〜ん、へぇ〜、と呟きながら回した腕に力を込め、頭を擦り付けてきた。甘えるようにぐりぐりと擦り付けられる頭をやんわりと掌で押し返した彼が口を開く。
    「……でも行って良かったかもな」
     お?と頬に当てられた掌から顔をずらし、彼女が興味深そうに続きを待つ。
    「楽しかったし」
     可愛いところも見れたしな、と目を細めて彼女の様子を伺うように笑みを浮かべた。ばか!と赤面し声を荒げた彼女を眺め、彼はまた楽しそうに笑った。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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    mitotte_kazu

    PAST🐈🐇🐑🦍が美味しいものを食べるだけの話
    会食 立て続けの依頼を終え、ようやく一息つけるとヴィエラは適当に目についた店に入った。食事時から外れた時間帯もあって、まばらに空いた座席に腰を下ろす。そのまま倒れ込みそうなのを堪えてメニューを開いた。季節限定などのメニューも魅力的だったが定番で当たり外れのない、無難なものを選んで注文する。こんな疲れた時に、そういうメニューでハズレを引きたくないという打算だったが、他のテーブルに目を向けてみるとそうでもない気がしてきた。それでも穏やかな店員の対応に少し癒され、メニューを眺めながら頼んだ品が来るのを待つ。少しの時間を置いて、飲み物と共に運ばれてきたパンを齧る。さっくり焼き上げられた表面ともちもちした食感が楽しく、口の中に小麦の甘さとバターの風味が広がった。好きなやつ、と思いながらパンを頬張る。サラダとかスープも頼めばよかったかな、と思いつつ空腹も少し落ち着き、店内を見渡した。インテリアなどにも拘られており、居心地は良い。テーブルや椅子の高さも種族ごとの配慮もされていた。もしや割と良い出会いなのでは、と皿に載っているもう一つのパンを齧りつつ、頬を緩めた。
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