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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    いい夫婦の日なので熟年っぽい🦍と🐇の短いやつ

    ##ディンエラ

    年齢 変わらないな、とルガディンが掠れた声で呟いた。微かに白色が混じった黒と赤の彼の頭を見上げたヴィエラは嫌味?と悪戯っぽく笑う。
    「いつまでも綺麗って事だ」
    「そんなこと言えるようになったんだ……!」
     恥ずかしげもなく言い放たれた言葉に絶句している彼女を、楽しそうに彼は笑った。目を閉じた彼が外した眼鏡のレンズを拭う。とうとう伊達ではいられなくなった、と彼が笑っていたのは何年前だったか。彼の顔に刻まれた皺は深いが、その中に刻まれているものが苦難だけではないと彼女は知っている。
    「そっちは増えたね、白髪」
    「ロマンスグレーとか言うやつだ」
     悪くないだろう、と微笑んだ彼に彼女はつい吹き出してしまう。
    「誰かさんみたいに染めないと駄目か?」
    「あ、またそういうこと言う」
     彼の太腿を軽く小突く。再度彼の頭を見上げ、見えないからわかんない、と彼女は唇を尖らせた。こうしたらいいか?と座り込んだ彼の脚に腰を下ろし、向き合う形で彼を頭上から見下ろした。まだ大丈夫じゃない?と頭を撫でた彼女にそうかと彼は頬を緩める。
    「家系的に髪には恵まれているからな。色とか薄くなったりしにくいとは思う」
     遠くを見つめながら彼が独りごちた。冒険者として生きている内に、親族よりも彼女と過ごしている時間の方が長かった気がする。大変ではあったけれど、楽しい時間だった。
     頭頂部から自身の頬に移ってきた彼女の手を取る。白く柔らかく、滑らかな手を辿って彼女の顔を見つめる。端正な顔立ちも手と同じ感触の肌も昔と変わらないように感じた。初めて会った時には綺麗で大人びて見えていたが、こんなに幼く可愛らしく見えるようになったのはいつからだっただろう。彼女の頬を両手で包み込む。じっと何かを期待するような目で見つめてきた彼女の額に、自身の額を押し付けた。
    「少しは追いつけただろうか」
    「とっくに追い越されてるよ」
     小さく呟き目を閉じた彼に、彼女が笑って返した。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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    mitotte_kazu

    PAST🐈🐇🐑🦍が美味しいものを食べるだけの話
    会食 立て続けの依頼を終え、ようやく一息つけるとヴィエラは適当に目についた店に入った。食事時から外れた時間帯もあって、まばらに空いた座席に腰を下ろす。そのまま倒れ込みそうなのを堪えてメニューを開いた。季節限定などのメニューも魅力的だったが定番で当たり外れのない、無難なものを選んで注文する。こんな疲れた時に、そういうメニューでハズレを引きたくないという打算だったが、他のテーブルに目を向けてみるとそうでもない気がしてきた。それでも穏やかな店員の対応に少し癒され、メニューを眺めながら頼んだ品が来るのを待つ。少しの時間を置いて、飲み物と共に運ばれてきたパンを齧る。さっくり焼き上げられた表面ともちもちした食感が楽しく、口の中に小麦の甘さとバターの風味が広がった。好きなやつ、と思いながらパンを頬張る。サラダとかスープも頼めばよかったかな、と思いつつ空腹も少し落ち着き、店内を見渡した。インテリアなどにも拘られており、居心地は良い。テーブルや椅子の高さも種族ごとの配慮もされていた。もしや割と良い出会いなのでは、と皿に載っているもう一つのパンを齧りつつ、頬を緩めた。
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