愚か者どもの夜 くしゃくしゃになったシーツに必死に縋って、切れ長の眼に涙を溜めるジェイミーの姿に、ルークは欲情するのを隠せなかった。
ぐすっ、と鼻を啜る音が聞こえて思わず笑みが零れる。口に出せば後が恐すぎる、しかしどうしても声を大にして言いたくなるのだ。ジェイミー、可愛い、と。
「っおまえ、今、なんか言いかけた?」
「ああ?気のせいだろ」
「あ、うぅ…んっ」
ごまかすようにへらりと笑って見せ、それからぐぐっ、と腰を押し進める。持ち上げていた長い脚が空を蹴るのを愛おしげに見遣り、痛くないか、と形だけの心配をしてやった。ジェイミーからどんな返事が来てもやめるつもりは毛頭ないのだ。ただ、強引に押し倒して行為を進めてきた恋人がこうして時折見せる優しさにジェイミーは弱く、本当は辛いだろうにそれらを我慢して大丈夫だから、と頷く健気な姿をルークは気に入っていた。
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