クリスマスの翌日イベント事にはいつも人一倍浮かれる晋作が、珍しく気乗りしていないどころか、むしろ気力さえなさそうに見えるので、否が応でも気になってしまう。
「どうしたんですか?」と声を掛ければ、これまた珍しく「何がです?」なんて、解っているだろうにはぐらかす。胡座をかいてカチャカチャと工具を弄ったかと思えば、服の裾の折れ目を手で伸ばしたり、かと思えば積まれた本をぺらぺらと捲ったり。まるで幼い子が拗ねているような。
「君にしては珍しいですね。イベントには目がないでしょう。クリスマスなんて、恰好のそれじゃないですか」
「……興味ないですね」
それもまぁ昨日までの行事の話だったのだけれど、ここ数日晋は本当に珍しく部屋に篭って浮かない顔をして、何かをずっとしていた。
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