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    ゴミザワ

    @gmzw851

    2023年7月にGoTに狂った乗り遅れオタク
    なんてかわいいんだリュゾ…ッ

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    ゴミザワ

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    イニ竜 ※現代AU

    暑熱の冬将軍 カーテンの奥からちらちらと漏れる閃光のような日差しに反して、しんとした部屋のソファの合皮がひどく冷たい。そこへずっしりと腰掛けたまま、休日恒例の読書をしていた俺の耳に足音が聞こえる。
    玄関の外、マンションの共用廊下を乱暴に踏みしめているのはきっと同居人の竜三だ。我ながら忠犬のようだと呆れるが手元の本閉じて玄関前まで向かう。鍵を開けててやるかと思う間もなく向こう側からシリンダが回って解錠した。
    「あ〜あちい!痛え!」
     心の底からウンザリした顔で帰宅した竜三は、外気が灼熱であることを簡単に思い出させるほどの熱を体中に纏っていた。手でぱたぱたと扇ぎながら、瞼を伝う汗に目をしぱしぱさせる。熱気を入れないようにか玄関扉はさっさと閉じて、靴を脱ぐのに手間取っていた。
     おかえり、と声をかけるとぶっきらぼうに「おう」と返ってきた。この男にとっては日常の挨拶でさえも照れに繋がりかねないのだ。俺にしかわからない懐かしむような安心したような声色を感じて愛おしくなる。
    「竜三」
    「わ、仁、ちょっと…あっ…」
     俺が先に家にいる時は名前を呼んで、帰宅を喜んで抱きしめる。人工的な涼できんと冷えた部屋は煮えたぎった肌を沈めるには少々乱暴と言えよう。足をもつれさせながら俺の胸におさまった竜三は暑い、と言いかけたが言い淀んだ。今の俺はきっと、雪国の朝のような体温なのだから。
     竜三が先にいる時は、偏屈な猫みたいに奥に閉じ籠もって出てくることはないので、俺は遠慮なく触れられる機会をいつでも探している。腕の中の竜三が珍しくじっと抱かれたままでいるのをいいことに、煮えた体をぎゅうと抱きすくめた。普段なら鬱陶しい暑苦しいとすぐに引き剥がしに来るのだが。
    「体冷えてんな…クーラー入れるなら上掛けくらい着とけ」
    「でも、俺が冷えててよかったろう?」
     肉の焼ける音がしそうなほど上がった体温が、俺の固く冷たい体をじわじわと暖めた。筋肉の緊張が解ける心地がして、今日をあまり動かずに過ごしていたことに気づく。
    「んー、まぁな…少し…」
     返事もそこそこに、張り付く事に夢中な竜三に胸が握られたみたいきゅんとなって、つい冷えた手であちこちを触った。髪が毛根から毛先までじりじりと熱く、頭皮がしっとりと汗で濡れている。絡まった部分を暫く手櫛で梳かしてから、温くなった手のひらを返して、手の甲でうなじを撫でるとそっと触りすぎたのかぴくりと反応する。噛みつかれることを恐れるより好きにできることからくる好奇心で結局腹の方からTシャツの中へ手を入れた。
     太陽に焼けたTシャツの中はすっかり夏だ。
    「あ、すげー…冷てえ。」
     そこそこ…と先程体が反応したことなど気にもとめず俺の体の冷たさをじんわりと味わっている。骨のしっかりしたところについた、豊かな筋肉と厚みのある脂肪の凸凹を指先で楽しみながら少しずつ上へ向かう。
    「はぁ…」
     胸の方へ向かって撫でさすると今度こそぴくりと引き攣る。竜三の方も俺の肌の感触を楽しんでいるうちに、スイッチが入りかけているのを見逃してやるわけにはいかない。
    「ん」
     先程まで冷え切っていた俺の呼吸も、こうなると熱を帯びてくる。竜三、と耳の奥までよく響くように低く唸ると、頬から耳まで赤くなるのを俺は知っている。
    「ぅあ…じん、ちょっと…暑いって…!」
    「ならば、冷えた部屋に行こう。」
     食い気味に答えた俺の焦れったそうな様子が竜三の欲を煽る。手首を掴んでリビングまで進み、竜三の靴が廊下に転げ落ちたが、かまっている場合ではない。冷え切った部屋の壁に竜三の背がぴたりとつくように追い詰めて厚い唇に欲情を押し付けると、逃がしてもらえないことに気がついたとばかりに抵抗しだした。
    「ン゙…!こら、仁」
    「ん…?」
     拒否の言葉には甘さが入る。腰をくすぐると仰け反って震える。ああ、疲れた恋人を休ませてやるよりやりたいことができてしまった。厚みのある唇を啄んだり舐め回したり、甘噛で跡をつけたりしながら、竜三の胸が激しく上下しはじめたのを感じる。
    「まだ熱いな。」
    「おま、え…が、触り、すぎるからだ…ろ…!…!」
     反論したいのに口が塞がれる煩わしさで身動ぐ竜三の首筋が真っ赤になっていて、日焼けか欲情か確かめるみたいに舐めた。
    「しょっぱい。」
    「当たり前だろ!シャワーくらい浴びさせろ!」
     火照った部分に触れると、日焼けで表皮が張っているのがわかる。このままにしておけば今夜にはひりついてきて風呂に入る頃には痛みで後悔するだろう。
    「オイルを取ってくる。」
    「あ…?」
     貪るようなキスですっかり出来上がっていた竜三は急に止まった怒涛の展開に理解が追いついてなかった。
    「お前ってほんとにわからねぇ。」
     労りたいのか痛めつけたいのか…と続ける竜三の困ったような顔が好きで、どちらも愛からくるものだから許して欲しいと答える。
    竜三はこう言われたらなんにも断れなくなるのだ。
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