無題続き①「まぁ、それもそうだな。もう、シェアハウスに到着するから日程の調整はまた今度だな。」
「そうだね、ユウが聞きつけたらみんなで行こうぜ!ってうるさそうだし」
「だな。」
自室に戻った後、的場が俺に見せたサイトを見ながら凛生はふと思った。いちごをじっくり味わいたいからと彼は言っていたが、おそらくそれだけではない。どうやらバーベキューの単品メニューにかき氷があったり、農園内で様々なジェラートが売られていたりすることが彼は気になっていて、俺に話を持ち掛けたのだろう。人数が多いとあちこち見て食べて回るのは難しくなるからな。ジンギスカンがセットに含まれているバーベキューはおそらく俺に興味を持ってもらうためのおまけだろう。まぁ、来月末までならまだ日もあるし、また二人きりになったときにでも日程を調整しようと思い、彼は床に就いた。
後日、たまたま次の講義の教室が近かった為、ひとりで歩いている凛生の姿を見かけた航海は彼に声をかけた。
「桔梗、この後どこか空いている時間ある?」
「そうだな…。昼休みでもいいか?」
「分かった、じゃあ昼休みにいつもの学食でいいかな?こないだ話したいちご狩りの話をしたくて。」
「あぁ、分かった。また、昼にな。」
そういって、二人はそれぞれの教室に向かった。
昼になり、二人は昼食を摂りながらいちご狩りができる農園についての話をしていた。
「的場、あの農園を俺なりに調べてみたんだが、どうやら果物そのものだけではなくて、バーベキューの単品メニューにかき氷が、それとは別に様々な手作りジェラートがあるようだな?」
凛生はどうせこれが最大の狙いだろ?と思い、薄い笑みを浮かべながら彼に尋ねた。
「え、桔梗、どこでそんな情報見つけたの?僕はSNSでいちご狩りとジンギスカンでバーベキューができることを知って桔梗に提案しただけだから知らなかったよ。」
航海はその情報を見つけた後、その日のうちに凛生と一緒に帰ることになったので詳細を調べていなかったのだ。
「こないだ見せてくれたサイトの違う場所に書いてあったぞ、ほら。」
「ほんとだ、これは凄いや。いちご狩りが終わっても他の果物があるみたいだけど、できればいちご狩りが終わらないうちに行きたいかな。」
「そうだな。…っと、そろそろ移動したほうがいい時間だな。ではスケジュールを確認してあとで連絡するよ。」