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    蝙蝠の少しずつ進み始める過去現在過去のスタートラインとか、昔呟いていた過去のネタとかをぶち込んでミカサにーかけて麺を作ったような文です。

    🦇II走るのが好きだと言っていたケリーの飛んだ足のブーツの紐の間に挟まったタグ。
    一昨日帰ってきたばかりで、ずっと通っていた女と次の仕事が終わったら傭兵を辞めて結婚するんだと言っていたマルの腕に巻きついたタグ。
    衝撃で飛んで首から上がなくなった笑顔が似合うムードメーカーだったジョンの近くに落ちていタグ。
    懐いていた女の子の持ってたぬいぐるみの腕
    その先でそのこが力なくうつ伏せに転がっている。全て土で汚れて、曲がっている。

    背中に大怪我をして、高熱で意識が回復し目が覚めた朝、爛れた蝙蝠の刺青を背中に入れた男は静かにそれらを集めていた。

    とても静かで
    とてもいい天気だった、
    空だけはとても。

    男はそれを見上げる気分ではなかった。背中も痛かったし。
    それに意識もふわふわとしていたからか、感情はあやふやで、何故それらを集めているのかなんてわからなかった。本能的に、だろうか。

    身体と心が噛み合わない。
    それは多分ここから始まったのだと思う。
    とても不快だ。男はいつもそう思うようになった。

    その後、全てを掻き集めその山の上に自分のタグをポトリと落とした。
    その日傭兵を辞めた。
    というより男はそこから居なくなった。

    自分にできることは人を殺すこと。
    あまり関心はないがテロ組織に入ってみたがやはり理想とは違った。
    今までいたあそこは、一方的に誰かを殺すのではなくて、自分も限界でいられた。
    リスクという人間を背負って、報酬という金を握って、全て嘘でかためて、遊んでいられた。
    沢山の嘘をついてもあそこでは本当だったし、上等なドラッグだった。そして、著しくフェアであった。

    攻撃性の高い武器で
    関係もないものを一方的に巻き込んで
    破壊する
    それはあまりに男には退屈だった。

    そんな時にまたあの銀色を長く伸ばした男にあったのだ。
    もっと前に一度誘われたが魅力的な話ではなかったので断ったのだ。
    その断る理由を自分から捨ててこのザマだ。
    なんでそれでも前に現れたのか
    その価値はまだ自分にあるのだろうか
    まだ、あの時と変わっていないだろうか。
    自分に向き合うその現れた白い影は、自分になにを見ているのだろうか。

    そうして、名前のない男は白い影に導かれるように今の場所に辿り着いた。

    まぁ、テロ組織に変わりはないような
    元傭兵には少し窮屈な場所ではあった。
    その中でも、その白い影の隣にいるようなカチっとしたスーツとかそういうやつ。嫌だなぁ…と思っていた。
    思っていたのに、配属されたのはそこだった。嫌だなぁは確信だよね。とほほ。と男は笑顔を作ってぼやいた。

    仮の隠れ家だったり、必要なものの説明だったりを鬼と呼ばれる男から簡潔ながらわかりやすく説明され廊下を歩く。

    あのぉ、もう少し暴れられる工作員とか、
    そーいうのでいいんですけどー…。と後ろからついていきながら男が鬼に話しかける。

    アニキが拾ったんだ。能力が買われてなにが悪い。と鬼は答えた。

    俺は、人しか殺せませんがね。と男がいうと

    鬼は「やればできる」とPC教育施設みたいな事だけ返してきた。
    希望部署とかけ離れた部署に突っ込まれる新人社員の気持ちって、こんな気持ちなんだろうか…。
    ああ、あの場所に帰りたい
    土くさくて、血生臭い、あの遊び場に

    帰って、どうするんだ。
    もうお前はあそこにはかえれないよ。
    だってもう、
    その理由があそこにないだろう?

    と脳裏で誰かが言うのだ。
    どこもそうじゃないか。
    どこにいても。
    自分は生きてるだけの屍なのだ。


    少し時が過ぎた
    退屈な仕事もあれば
    待ってましたとおもちゃで遊ぶかのように
    人を殺して回った仕事もある
    あの白い亡霊は
    なにを考えているのか
    探ろうとまでは思わないが
    きっと、信念があるのだろうと
    気にすることはなくなっていった
    あの男は、あの男を突き通している
    それに同意する気もないし、崇拝する気もないが、信念とは好ましいものだからだ。

    その隣にいる鬼もそうなのだ
    貴方はなんで、ここに居るんですか?と
    鬼に前聞いた事がある

    そりゃあ、あの人の為さ

    あの人?誰ですか?

    お前を連れてきた人だよ

    ああ、あれは人なんですか?

    そうだよ、どうみても人だろう

    ……

    返事しろよ…。


    亡霊のような人ですね。と間を置いて言うと、
    どちらかと言うと俺からしたらお前の方が亡霊みたいだよ。と返ってきた。

    「お前はなにを無くしてなにを探しにここにきた。」

    「え?なにも。俺はなにも捨てるものなんて最初から持っていませんよ」

    「じゃあ何をそんなにいっぱい抱えてきた」

    「いいえ、なにも持ってないから捨てるものもないんですけど。貴方の意図がわかりませんが?」

    顔色ひとつ変えない鬼に
    笑顔で答える。
    何を聞かれている。
    何を答えさせられている。
    なんで無駄な言葉のやり取りだろうか
    なんで無駄な時間だろうか。


    …そうか。

    鬼のその言葉で、会話は終わった。

    そうなのだ。
    俺に抱えれるものがあれば
    俺に捨てれるものがあれば
    最初からこうはなっていないのだから。
    抱えたいと思う心と
    捨てた時の悲しみを
    感じれているならば
    俺は元からここにはいないのだから。


    その後、狼という通り名のコンクリートの隙間から生えたツンツンした雑草みたいな男に出会う。
    奴はまだ20代で、確かに気性は激しいものの、策士であり遠隔で任務に参加する事が多かった。接近戦は昔鉄パイプで人間を力任せに殴り殺した事が数度あったくらいで、戦闘術は心得ていない。
    その男はカマをかければすぐにムキになり、都合が良い相手だと思いちょっかいを出し続けた。
    周りに過去とかけ離れた状態で印象をつけられる。人と会話をする姿はコミュニティが狭くてもある証拠なので孤立して怪しまれることもない。少しでも都合が悪ければすぐに殺す事ができる。俺は演じ続けていればとりあえず安泰であった。
    その後、どうも同業者がいることに知るわけであるが、またどこかの機会でも話すとしよう。


    話は戻るが
    狼の特技は遠隔での爆破である。
    あいつはそういうものに美学があるらしく、
    時間はきっちり決められている。
    その美学に人は関係がない
    全てを破壊する
    その破壊が美しいらしいが
    俺には少し理解ができなかったが
    まぁ、心理的には存在するものなので
    そういう事である。
    最初の頃、もう少しで巻き添えになりそうになったのもいうまでもない。

    繰り返していれば相手の癖を知っていくし、
    相手も俺の癖を知っていく
    しかし
    爆破ギリギリで任務咄嗟に人を庇った時
    あいつの動揺した音だけ微かに聞こえた。

    任務に関係のない人間だった。
    そんなもの一緒に潰しちまえと
    無線で狼が叫んでいた

    わかっている。
    こんな命一つに
    意味なんかないって
    泣いてしがみついたそれを抱きしめて爆風に飲み込まれながら、それを手放す気は毛頭なかった。
    身体が勝手に動くのだ
    頭で抑える事ができないのだ
    こんな不快なことはない。

    しかし、思うのだ
    それは俺だって同じだと。
    俺に意味なんかない。と思う

    だから生きないといけない。
    意味が出来上がるまで。

    だから手を握る
    だからあの時も
    今も
    戦場で、ここで
    知らない誰かの
    手を握った

    愛や哀れみではない
    本能が相手にいうのだ。
    そこはまだ終わりではないと。

    生きる権利は平等だ
    死ぬ覚悟があるものが戦えばいい
    戦いたくないものを
    追って殺す意味はない。
    俺は、人を殺したかった
    人に殺される覚悟もあった
    だから早かれ遅かれいつかは終わる
    それに全てを捧げたいと思った。
    生きている意味が
    そこででしか証明されないから。

    自分には最初から人間的な感覚がない
    子供の時に親に薄々思われていたと思う。
    だから、周りを観察して分析して
    それを演技した
    本をたくさん読んで、頭にいれ
    それを活用した。
    それだけの人間なのだ。
    家も周りも何も悪くない。
    俺だけが、ここにいてはいけないと
    それだけずっと感じいた。

    だから自分のやり方で、自分の感覚でやれる事をしたいと思った
    それが多分非人間的な事だったとしても。

    爆破の衝撃に飛ばされて、壁にぶつかるが体を丸くしてその中にあるものを無意識的に庇った。
    あまりその時の記憶はない。
    意識はぼんやりしていった…



    タグを拾って回った日
    確かに情なんてなかった。
    悲しみとか
    思い出だとか
    深く考えていたわけではない。

    あそこに、あの積んだ山に意味を集めたのだ
    生きて、死んだ価値が生まれたからだ。

    そこに、

    あの時の自分のタグを投げたのは
    自分はまた、それになり損なったからだ。
     
    自分もそうなりたかった。
    みんなにまた、おいていかれちゃった。


    走り続けて人を殺して
    血まみれになって
    いつか
    あっけなく殺されたとしても
    それが生きた証で
    それが死として完結する。

    それが生まれてはじめて得られる俺という人間の一つの価値だ。


    「お前、愛とか、あるじゃね?」


    包帯でぐるぐるに巻かれて運送されている
    ぐったりと壁に寄りかかったままの男に対して、助けに入ってスーツを派手に汚した狼が疲れた声で呟いた

    「何それ、酷い皮肉だね。それがあったらね。俺はきっと…あの時…みんなと…」

    言い終わる前に男は意識を手放していく
    また過去の死に損なった戦地の夢を見る

    「やれやれだぜ。なぁ蝙蝠男」



    ⭐︎続くようなないような。




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