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    StarlightSzk

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    StarlightSzk

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    晶蛍/メモからのサルベージ。きっとお付き合いしたて。

    蛍は、腹を括ると静かになる……ような気がする。
    前にそう伝えたところ「それは晶でしょ」と返された。そうだろうか。そうなのかもしれないが、蛍のことについても撤回するつもりはないからお互い様ということになる。
    とにかく、蛍が腹を括ってしまった。俺としては、喜ばしくも戸惑う方向に。
    「蛍……気分が悪くなったらすぐに言うんだよ」
    「うん……きっと、平気だと思う」
    両手の手のひらを頬の輪郭に沿うように触れさせ、指先でそっと固定する。
    正面から見据えた彼の視線が、下から上へと動いて俺を捉えた。
    「大丈夫かな?」
    「……するなら、早く」
    「ああ」
    目を閉じてぴとりとあわせた唇には、自分と同じかそれ以上の熱さを感じた。
    そのまま、いち、に、三秒。無事引き剥がされずに済んだところで角度を変えてもう1度。ぷちゅ、と音が鳴った。いち、に、三秒。
    これだけなのにみっともなく息があがってしまっている。それは相手が君だからなんだと訴えるために目を開けると、こちら以上に目元を赤く染めた蛍が口を自らの指先でおさえていた。
    「…………」
    そのまま言葉がでないらしい彼の指を手ごと掬いとる形でどかして、三度くちづける。交わしあった吐息が熱くて、思わず両手で彼の身体を掻き抱いた。
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    StarlightSzk

    DONE【晶蛍】ほしあかりのワルツ
    22.3.10 9章配信2周年「#星空の下のふたり」
    「おやすみ」
    「おやすみなさい」
     瞼を閉じても、そこにもう闇はない。
     
     晶が『エトワール・キャッスル』などと呼んだ僕たちの拠点。そこには最低限の屋根しかない。故に三人が並んで寝転ぶと誰か一人はその恩恵に預かれない。雨が降った場合は別としても、星の輝きが降り注ぐなんて素敵じゃないかと晶が言ったために屋根が拡張されることはなかった。何よりあのとき僕たちは拠点を作り続けてくたくただった。だからこれ以上屋根が広がることもなかった。それだけの話だ。
     ともあれ、その屋根がない位置で寝る係が今日は僕だった。
     寝返りは最低限しか打てないが、方向を間違うと晶と鉢合わせる。晶は左にいるから右を向いて眠るんだと身体を硬くしていたものの、人間たるもの眠気とともに力が抜ける。そのうちに仰向けになり、そうしてついに左へと寝返りを打ってしまってから、ハッと気がついた。目を開ければあの主張がうるさい――見た目は整った顔が間近に広がってしまう。それはなんだか心臓が落ち着かなくなりそうで嫌だった。嫌でも数日前に言われたあれこれを思い出してしまうから。ああ、けれども彼だって寝返りを打っているかもしれない。その場合それは彼の愛しのマイ・エンジェルに向けられていることだろう。ノエルも大変なことだ。先程も「君を危険から守るために抱きしめて眠るよ!」なんて言い出して足蹴にされていたというのに。
    2023

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    StarlightSzk

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     晶が『エトワール・キャッスル』などと呼んだ僕たちの拠点。そこには最低限の屋根しかない。故に三人が並んで寝転ぶと誰か一人はその恩恵に預かれない。雨が降った場合は別としても、星の輝きが降り注ぐなんて素敵じゃないかと晶が言ったために屋根が拡張されることはなかった。何よりあのとき僕たちは拠点を作り続けてくたくただった。だからこれ以上屋根が広がることもなかった。それだけの話だ。
     ともあれ、その屋根がない位置で寝る係が今日は僕だった。
     寝返りは最低限しか打てないが、方向を間違うと晶と鉢合わせる。晶は左にいるから右を向いて眠るんだと身体を硬くしていたものの、人間たるもの眠気とともに力が抜ける。そのうちに仰向けになり、そうしてついに左へと寝返りを打ってしまってから、ハッと気がついた。目を開ければあの主張がうるさい――見た目は整った顔が間近に広がってしまう。それはなんだか心臓が落ち着かなくなりそうで嫌だった。嫌でも数日前に言われたあれこれを思い出してしまうから。ああ、けれども彼だって寝返りを打っているかもしれない。その場合それは彼の愛しのマイ・エンジェルに向けられていることだろう。ノエルも大変なことだ。先程も「君を危険から守るために抱きしめて眠るよ!」なんて言い出して足蹴にされていたというのに。
    2023