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    sunlight_yuki

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    sunlight_yuki

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    診断メーカーよりお題をかりました
    pixivにも同じものをあげています

    #燐ひめ
    rinhime

    あなたが欲しい ダブルセンターとしての仕事の帰り道、あまりにもうまくいっていたから、きっとテンションがおかしくなっていた。
    「なあなあ、俺っち達相性いいみてぇだからさ」
    つきあわねえか。
     夜道に抱き寄せられて、耳元でささやかれた。
     俺もとっても気分がよかったからつい、
    「いいですよ」
     なんて返事をした。
     最初はめんどくさい奴だと思って、夏の騒動が済めばすぐに離脱するからそんなに深くは入れ込まない予定だったのに。
    「お前はどうしたい」
    「メルメルそれいーな」
    なんて、事あるごとに認めてほめてくれるから。いつのまにか天城の隣が居場所になっていた。
     メンバーとして、共犯者としての情にほのかな思慕が混ざるのに時間はかからなかったのです。
    「おっ、こんな時間まで仕事か」
     寮の共有スペースでコーヒー片手に、今度出演が決まったドラマの台本を読んでいたところ。
    「ええ、今回はヒロインに恋心を抱きつつも、彼女の恋を応援するという役なのです」
    「うわーかわいそう、そういう立ち回りはぜってー無理、好きなら手に入れたいもん」
     HiMERUは、求められるなら役割を演じて見せます。現実でも。
    「天城は今、俺のことをどう思ってるのですか」
    「ん、大事な相棒で恋人だと思ってる」
     少し照れたように視線を逸らすところが、いつもの印象とのギャップでいじらしい。
    「今日も、してはくれないのですか」
     それを問うのは別れ際の儀式のようなものだった。天城燐音が大切にしているもの、キスという自分にしてみればスキンシップの一つが、彼の中では大きな意味を持つ。だからこそ欲しい。
    「お前のことは愛してる、でもまだ戸惑ってる気持ちが大きい。この一線を越えたら戻れなくなるから」
    「俺はとっくの昔に戻れないところまで来てますけど」
     深夜2人きりなのをいいことに、歩み寄って抱きついてみた。少し見上げるとターコイズの瞳と視線がぶつかる。
    「ずっとこうしたいと思ってた。色々負担も増えるけど、いいのか」
    「どんなことでも完璧にこなしてみせますよ」
     シャツを握る拳にトクトクと天城の心拍が伝わる。
    「お前のことも背負わせてくれよ」
    「それは、状況によります」
     なんだよそれ
     なんて呟いて、形のいい指先に顎をすくわれた。
     不意打ちのキスは、思っていたより柔らかく、優しくて満たされるものでした。
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    雨月ゆづり

    PROGRESS三つ編みを切られたマヨイの話。
    ニキマヨ。
    椎名の実家アパートで同棲している設定。

    この後の展開に悩んでいるので、出来ているところまであげておきます。
    マヨイが可哀想なままで終わっているので、幸せなニキマヨを読みたい方は、完結までお待ちください。
    (最後はちゃんと幸せにします)
    マヨちゃんの三つ編みが切られた話 もしも彼が髪を切ることがあるとすれば、それは当然、彼自身の意思によるものだと思っていた。

    「ただいま戻りましたぁ」
     玄関の方からマヨイの声がする。時刻は夕方と呼べる頃だったが、空はほとんど夜の闇に沈んでおり、ほんのわずか、夕焼けの気配を残していた。
    「おかえりマヨちゃ――その髪は……?」
     いつも通り玄関まで出迎えに行くと、そこにいるのは帰って来たばかりのマヨイだった。間違いなくマヨイだったが、それはニキが想像していた姿とはすいぶんと違った様子のマヨイだった。
     今まで無理やり帽子と、襟の高いコートで隠していたらしい葡萄色の髪の毛は、帽子とコートを脱ぐと、ばさりと肩あたりで広がった。左右の長さがバラバラで、お洒落を狙って意図的にやったアシンメトリーな髪型とは全く違う。不格好なザンバラ髪だった。
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