狂い咲く花は風を乱吹く2眩しいくらいの悪意の無い澄んだ瞳の美しい少年は人々に向かい棍棒を向けると、どこからともなく様々な武器が突然出現した。
その武器と少年を恐るように見た。
「さぁ、罪問われる我が巨民よ、このスヨーダナを討ち取り、汝らの潔白を証明してみせよ!」
響き渡る凛とした声に一人の男性がおずおずと武器を取るとそのままスヨーダナに向かって攻撃を仕掛けた。
「その勇気、讃えよう」
そういうとスヨーダナは一振りでその男を遠くへと突き飛ばした。
その男が地面に叩きつけられるのを見ると、次々と大人達は少年に向かって攻撃をした。
「その心意気、脱帽する」
「その健気さ、感服する」
「その懸命さ、見事なり」
しかしスヨーダナは息切らす様子を見せず、いとも容易く大人達を叩きのめしていった。あまりの力の差に藤丸はギリっと歯を食いしばる。
これは一方的な、弱者を踏み躙る行為ではないかと、今にも飛び出しそうなのを肩を置いて
ドゥリーヨダナは止めた。
それから数分が経って、大人達はもう戦う力を使い果たし、戦闘不能になったのを確認すると、スヨーダナはコンっと棍棒を地面に叩きつけた。
「残念だ、本当に残念だ」
何をする気だと、藤丸達は戦闘態勢に入る。
「裁定の結果は我の勝利である、よって…咎人は罰を受けよ」
大人達の周りに丸い円が現れる。それを見た彼等は顔面青白へと染めた。
「お許しをお許しを」
「スヨーダナ様御慈悲を」
手を合わせ懺悔をする大人達。しかしそれは無慈悲に天から落ちた光の柱によって全て消された…かに見えた。
「ヴリコーダラ!!?」
「あのバカ」
大きく口を開けた巨大な狼が大地から現れ、その光を飲み込んだのだ。
「ほぉ…」
突如現れた巨大な狼に大人達怯え、一目散に逃げて行った。「一般人」が居なくなると、狼は人型へと変化し、犬歯を見せながら笑顔を見せた。
「よぉ!探したぜ、俺の花嫁」